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写真��同、出土帯付き帯金具＝正倉院に次いで二例目、出土品としては初
写真��帯付き帯金具のアップ＝矢本横穴墓群は赤井官衙の役人たちの墓と考えられている
奥松島縄文村の資料館で開催されている「赤井官衙・矢本横穴墓群」展を見に行く。朝、7時半過ぎにホテルを出発し、駅前レンタカーを借りて奥松島に向かう。仙台港北ICで三陸道に乗り、成瀬奥松島で降り、成瀬川に沿って石巻湾方面に下り、東松島への橋を渡って9時15分前くらいに到着、車の中でしばらく待つ。時間前に入り口前で待ち、館内に入る。今回の目的は「赤井官衙・矢本横穴墓群」展で特に出土した古代の役人が身に着けた革帯（かくたい）で、帯金具一式に帯の革帯がついている。こうしたものは帯金具だけなら列島各地に出土例があるが革帯がついているものは、出土例がなく、正倉院にあるだけらしい。
事前の案内では重要文化財指定のこの貴重品は8月の期間限定展示とされていたが、コロナ禍で企画展のスケジュールが変わったので9月に展示されていた。あきらめていただけにラッキーだった。
また同横穴墓出土人骨の中の関東系と推定される頭骨と縄文系とされる頭骨が並んでいた。縄文系とされる頭骨は果たして地元採用の役人だったのか？あるいは関東からやってきた人の中にそうした特徴を持つ人骨の人が含まれていたのか？謎は簡単には解けないが、この地域には房総あたりから移住した人々と地元採用の人がいたことは想像できる。ただし地元と言っても縄文時代から継続して住み着いた人々の子孫とは限らず、100年200年前に南東北などから移住してきた人々である可能性も高い。この地域の考古資料を考えると縄文〜弥生時代まで住み着いた人々と古墳時代以降では居住者の連続性がないことが知られている。
一方、文献史学からは、この古代牡鹿郡郡衙と考えられる赤井郡衙の管理者は房総半島の丸子氏の子孫の「道嶋氏」であるとされ、その経緯に関してはパネルや冊子で紹介されている。有力農民層であった房総の丸子氏は飛鳥時代にその一族の一部が牡鹿郡の官衙設置目的のために派遣、移住し、この地域の役所を取り仕切り、奈良時代には中央に出仕して、天平宝字8年（764年）には従四位下の位に昇進している。
その後も道嶋氏は嶋足の時代に陸奥国大国造となり、伊治城（これはるじょう）の造営、エミシ対策などで活躍したといわれている。
出土した革帯の銅製金具の方形の「巡方」（じゅんぽう）が示す位は「従七位」相当という。
またこれらの帯金具、漆、帯の構造や革の素材などについては詳細な科学的な分析結果が記されていた。年代測定では7世紀後半から9世紀の間と出ていた。また役所で使う円面硯や「舎人」と書かれた墨書土器、関東系は時期や地元の土器など、様々な注目すべき出土品を見ることができた。
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