10月12日（火）江戸博「東京に生きた縄文人」展見どころ解説と江戸博の問題点

2021年10月14日 12:09博物館、展示会、美術館など全体に公開

10月12日（火）江戸博「東京に生きた縄文人」展見どころ解説と江戸博の問題点

江戸博で「東京に生きた縄文人」展が始まった。12日にこの特別展の関連講演会①見どころ解説が江戸博であった。往復はがきで応募し、すぐOKのはがきが返ってきた。10月1日にコロナ緊急事態が明け、9日に特別展は始まった。

　見どころ解説で最初に強調されたのは、東京都が縄文時代の大きな展示を行たのが、1986年、昭和61年2月の銀座ソニービルで開催された「第二回東京の遺跡展」（主催東京都教育委員会）だった。昭和56年に同博物館建設懇談会ができて以来、鈴木俊一と成果で実現し平成5年にオープンした。
　最大の問題は、この博物館は江戸以降の東京に関する博物館であり、中世以前は、とりわけ先史時代は扱っていない。東京全体に関する考古博物館は存在せず、江戸博は近世以降、東京都埋蔵文化財センターは中近世までの考古遺物を発掘、保存整理、一部を多摩センターにある施設で常設及び企画展示を行っているが、多くの人は知らないだろう。
　今回の解説でも強調されていたが、江戸博には考古部門はあっても近世以降しか扱わず、それ以前の東京に関する専門家はいない。
　一方、同時期に「ひきつがれる都市の記憶―江戸東京3万年史」という企画展も開催されている（５F企画展示室）。東京という巨大都市の歴史を先史時代までさかのぼって振り返るというもの。その中で「縄文時代」は東京都内においても1万数千年の厚みがあり、遺跡も出土品も群を抜いて多い。縄文時代を抜いて東京の歴史を語ることはできない。

　そこで、今回は東京都埋蔵文化財センターに協力を仰ぎ、展示内容、展示品、解説など、全面的に協力体制を敷いてもらったようだ。ただし、コロナ禍などもあり、通常5年くらいかけて準備する特別展が今回は3年余りの準備での作業となったいう。

協力を得たといっても簡単ではない。江戸博もそうであるが、考古資料に関しては、学芸員、研究者スタッフは細分化されており、一人二人でできるものでなく、大勢の都埋文のスタッフに参加してもらわねばならないこと、など、苦労も多かったようだ。

今回の展示で特に強調されたもう一つの点は縄文時代の復元である。縄文時代の人々の暮らしや環境などを現代の最先端科学の知見を集めて復元ジオラマを作成、江戸博の得意とするところだそうだ。江戸博の中の都市江戸の大型復元ジオラマ同様、大きな復元模型を配置しているそうだ――まだ展示は見ていませんー。また土偶や生活の道具など選りすぐったものを各章に分けて展示しているという。

さらに展示の冒頭では東京の縄文遺跡の発掘の歴史、研究史（学史）について展示しているという。特別展を見るのを楽しみとしている。

2021-10-13 10月1日（金）⑦地蔵田・弥生

2021-10-14 江戸東京博物館　東京の縄文人関

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