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写真��大岩山銅鐸出土想像図と発掘調査の写真
写真�０棒�遺跡の出土品と復元図
蒲生あかね古墳公園から10km強の道を琵琶湖方面、安土城考古博物館に向かう。到着して館内のカフェで定番ハヤシライスの昼食、里帰り展を見る。所蔵している東京国立博物館で見たことはあるが、ここでは他の大岩山銅鐸とともに並べられ、その大きさが引き立つ。こんな大きなものを作らせたということはこのあたりの首長はそれなりの力があったということだろうか？
講演者の現在奈良国立博物館（元東博学芸員）の井上洋一氏は正倉院展準備で忙しいさなか、講演に来られた。氏によれば銅鐸研究は江戸時代から始まり、現在までにその年代観、分布、分類、地域性など多くのことが解明されてきているが、いまだに謎の多い不思議な遺物らしい。高さ135�僉¬鐇源�代の高度な工芸技術が詰まっている考古学上最大の謎の一つという。まず確認する必要があるのは、鋳造当時の色は黄金色であること、けして青黒いものではなくこれは年月を経たさびの色、はじめは聖堂の鳴り物で舌というものを中に下げて鳴らしていた祭祀具だった。舌をつけていた痕跡が銅鐸の多くに見られるが、最後は巨大化して「見る銅鐸」になる。ここまでは銅鐸に関心のある人なら誰でも知っている。銅鐸の成分を化学分析すると、はじめは朝鮮半島産、次第に中国本土の原料を使っていることが判明、弥生時代後半は華北産、古墳時代の青銅原料は華南産という。これは青銅に含まれる鉛同位体比によりわかるのだという。これは半島の政治情勢ー楽浪郡・帯方郡の時代から高句麗、百済、新羅がしのぎを削り、最後に新羅が半島統一を果たす過程が反映されていると思われる。その青銅原料がインゴットの形で流通したという。この過程を知るには、古代地中海世界のキプロスの銅がシリアで加工されて、そのインゴットが地中海中に出回ったことを見ると、中国文化圏で生産された銅インゴットが東アジア世界に流通したsことがわかるという。国内の銅鐸を比較すると近畿式銅鐸では鉛が多く三遠式銅鐸では鈴が多いという。これらの過程を調べると、中国や朝鮮半島からの青銅原料の流通を支配する北部九州勢力の存在が浮かび上がるという。国内で大型化したり同范銅鐸が大量に出てくるということは原料供給が安定していたことの証拠という。生産地としては関西では東奈良遺跡が著名な生産地で、遠隔地に同范銅鐸を送っていた。
青銅器のまつりには地域性があり、北部九州から西部四国では広形銅矛、瀬戸内海沿岸では平形銅剣、近畿では近畿式銅鐸、東海地方では三遠式銅鐸が用いられた。
最大の謎、銅鐸など青銅器の埋納だが、かつては古墳時代直前に一斉に埋納されたといわれたが、その後の研究で銅鐸の�検�1，2式段階＝弥生中期末―後期初頭に最初の活気があり、「聞く銅鐸」が埋納され、弥生後期飼う半から古墳時代初頭に「見る銅鐸」が埋納されたようだ。 埋納には「廃棄説」「隠匿説」「保管説」「境界説」「地鎮説」など多くあるが決め手がないようだ。
井上氏は「聞く」銅鐸は武器型ではないが、集落、集団の緊張関係の中で争いを知らせる鐘だったのではないか？その後、戦いが収まり、新たな政治的統合が各地で果たされ、その結果の消長として青銅器の埋納が果たされたのではないかと推理する。銅鐸は政治的色彩の強い祭器という。
こうした大岩山銅鐸の祭祀を取りまとめたのが守山市の伊勢遺跡ではなかったかという。展示室には伊勢遺跡の出土土器や集落想像図などが展示されている。独立棟持柱を持つ大型建物を円周上に配置し、中央に楼閣風多層式建物があり、西側にL字状に大型建物を配置する。また大型建物群に先立って床面を高温で熱した竪穴建物群も発見され、通常の稲作ムラとは大きく異なる集落の存在が時代の転換点を示すようだ。これらが弥生時代末から古墳時代への過渡期にどのような役割を果たしたのか、奈良盆地に出現する新たな王権とどのような関係があるのか、謎の解明が待たれるようだ。
伊勢遺跡（守山市HP）
伊勢遺跡の概要
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昭和56年（1981年）、滋賀県守山市伊勢町、阿村(あむら)町、栗東市野尻(のじり)にかけて、弥生時代後期の巨大な集落遺跡が広がっていることがわかりました。その後、平成19年３月までに実施した104次にわたる発掘調査で、伊勢遺跡は東西約700ｍ、南北約450ｍの楕円形状に形成されていることが明らかになっています。
集落が営まれた時代は、縄文時代後期から室町時代で、最も栄えた時代は弥生時代後期（紀元１〜２世紀）です。遺跡は、南と北にある低地に挟まれた微高地にあり、東から西にかけて傾斜する土地にあります。
弥生時代後期の建物跡には、竪穴住居と掘立柱建物の２種類の建物跡があり、竪穴住居の平面形には円形と方形そして五角形の３種類があります。また、掘立柱建物の規模には大小が見られ、ここでは床面積が30�岼幣紊里發里鯊膩新�物と呼んでいます。
遺跡の西半部には竪穴住居が広がり、東半部の大型建物跡が無くなると、その上にも竪穴住居が造られるようになります。
遺跡の西側では、溝を挟んで方形周溝墓が築かれていますが、弥生時代集落の有力者の墓域であったと推定されます。
遺跡の東端では、幅約７m、深さ２ｍ以上もある大きな堀のような大溝があり、北側は方形周溝墓、南側は、旧河道であったと推定されます。
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