|
|
|
写真��高根木戸遺跡出土品（飛丸の出土遺跡）
写真�３た聖蓋�園内の宝塚遺跡の解説板
所属する考古サークルの遺跡巡検に参加。新船橋駅に集合し、駅前から早速地形の説明がある。解説はこの地域に長年住む女性。駅は高台にありイオンの反対側は下り坂の低地、谷部となっている。その地形を念頭に入れて飛ノ台考古博物館に向かう。途中の中学校の校庭の奥から落ち込んだ崖斜面を見る。縄文海進の時代には近くまで海が来ていたことを想像する。飛ノ台は、縄文前期の貝塚や住居跡、炉穴などが発見され、遺跡公園内に復元されている。前期の貝塚は貝塚が全国１多い房総半島でも数少ない貴重な例。戦前杉原壮介氏が発掘調査を行い、その後も調査が行われて概要が明らかになっている。
博物館内では、二階の飛ノ台貝塚遺跡の出土品が並ぶ。野島式の土器が多く、三浦半島の夏島貝塚より新しく前期でも新しい時期と思われる。海進が進んできた時期だ。
三階には船橋市内各地の遺跡、とりわけ国史跡で草創期の取掛西貝塚が大きく取り上げられている。また付近の遺跡から出た犬骨ー飛丸は、飛ノ台出土でないので紛らわしい。縄文後期のもので古い出土でDNAなどの解析は行われていない。市川市では、先に見学した縄文犬や古代犬の遺伝子解析で成果を挙げたことに後で質問に回答頂いた学芸員の若い女性は、やや残念な思いを述べた。また、展示の中の炉穴の推定モデルのジオラマに大きな土器が据えられているのに対し、そんな土器が前期に出土したのかと尋ねると出ておらず展示には問題があると認めた。昼は遺跡公園のベンチで弁当を食べる。
飛ノ台を後にして再び歩き始める。説明者が縄文の道と名付ける小路を進み、アップダウンのある地形を読み取りながら海神台西遺跡付近を通って、いったん下って谷に降り、再び向かいの台地を上って浅間神社に出る。この付近は土層に砂が混じり、１３万年前ころの下末吉海進のころはおそらく海の底でその後、古東京川が上流から土砂を運び、沖積台地となって砂交じりの土地となったらしい。高台に神社は建てられているが、富士塚はないのでおそらく以前は富士山がよく見える場所だったか？
最後に入日神社と宝塚遺跡に立ち寄る。入日神社は案内人によれば、
入日神社について
・船橋市宮本5丁目の丘の上に鎮座する意(お)富比(ほひ)神社（船橋大神宮）の元宮。
・意富比神社は『延喜式神名帳』に記載された式内社で、平安時代、大国に区分されていた下総国司より位が高かった。
・意富比神社という名の付いた神社は船橋市内に3社存在。
ーかつてはこのあたりで夏至や冬至などの日の出を拝んだのではないかという。
ただ今の位置は大地の上から少し下がっており、日の出を拝むには都合が悪そう。神社などの位置は歴史的によく移動するので、いつの時代にどこにあったのか、探るのは容易でない。最後に海神山公園に登り、宝塚遺跡の高台で解散した。このあたりは古代（平安時代ころ）の祭祀遺跡あるいはそのための滑石製模造品の製作遺跡があったらしい。解散後は海神駅から船橋方面に行く人と東海神駅から西船橋〜大手町方面に向かうグループの二つに分かれ、私は西船橋で久しぶりに酒宴に参加した。
（参考１）海神台西遺跡：海神台西遺跡 かいじんだいにしいせき（船橋市遺跡巡り地図より）
飛ノ台貝塚の西側台地上にある旧石器時代、古墳時代から平安時代の集落遺跡。台地の一番標高の高い地点で、7 世紀代の方形区画墓という古墳が発見されました。墓を区画した溝から出土した大型の須恵器の甕は、墓前の祭りで使われたものと考えられてい
ます。
（参考２）宝塚遺跡 ほうづかいせき
海神山にある砂丘上の遺跡。昭和 17 年、防空壕を掘るために横穴を掘ったところ、土師器の高杯や壺が出土しました。のちに考古学者の杉原荘介氏が「和泉式」であるとされましたが、平成 11 年度の発掘調査で、古墳時代中期（5 世紀）の滑石製模
造品※の製作跡であることが判明しました。
※祭り用に鏡や剣などのミニチュアを石で作ったもの
（参考３）飛ノ台貝塚 とびのだいかいづか 博物館・公園
昭和 7 年から発掘調査が行われた縄文時代早期（7000 年前）を中心とする遺跡。炉
ろ穴あなが日本で最初に発見され、昭和時代前半には、多くの考古学者が学術的な調査を行いました。今までに、早期の竪たてあなじゅうきょあと穴住居跡 21 軒、炉穴 400 基以上、貝塚、集石、墓などが発見され、平成 9 年には、史跡として船橋市指定文化
財に登録されました。平成 12 年に、遺跡を保存した史跡公園と出土資料を展示する博物館がオープンしました。
新船橋駅は高台にあり、東側は谷を挟んで夏見の台地になっています。飛ノ台考古博物館に向けて西方向に進む途中に左手の中学校の校庭の奥から落ち込んだ崖斜面があります。縄文海進の時代には飛ノ台が岬の突端にあったことを想像できます。
取掛西貝塚から西北西に2KMほど離れた高根木戸遺跡で、昭和43年開校の高郷小学校建設時に2〜3頭の犬がまとまって埋葬されたと思われる犬骨が出土しました。出土時はDNA解析などはできなかったのでしょうね。縄文人が犬を飼っていた証拠になっているそうです。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する