10月30日(月)青谷上寺地遺跡の人骨のDNA解析

鳥取県と明治大学の連携講座がグローバルホールで開催されるので出掛けてみた。メインは、青谷上寺地遺跡出土の人骨のDNA解析結果。人骨は、バラバラの状態で五千個以上発見され、時期は炭素年代で弥生時代後期頃と判明。なぜバラバラの状態で出てきたのか、どのような人々だったのか、様々な角度から検証された。洪水などの災害の痕跡は人骨周辺では確認されず、土の状態から、一度葬った遺体を掘り出して集めて再葬した可能性が考えられた。縄文時代晩期に見られる集骨墓や再葬墓との共通性が考えられるか？
　さらにDNA解析から、親族関係が希薄で都市的な様相を示した。つまり、日本海と九州、北陸と大陸を結ぶ海上交通の要衝として各地から様々な人々が訪れ、生活していたものと考えられた。
　さらにミトコンドリアDNA解析では、現代人の枠内に入ってしまい。この頃までに混血が進み、縄文人のDNAが現代人並みにわずかになっている。母系をたどると大陸要素が強く、男系(Y染色体DNA)では、縄文系要素が強いらしい。核DNA解析結果と頭骨などの調査から復顔も試みられ、大陸的な顔立ちとやや縄文的な彫りの深い顔立ちの中間的なものに復顔された。
　人骨研究、DNA研究は、まだ始まったばかりであり、今後の進展が期待される。