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写真�∪�佐野の「海会寺」の創建軒丸瓦
写真�５犯�池廃寺・四天王寺・海会寺の瓦の同范関係
12時半過ぎに喜志駅からタクシーで近つ飛鳥博物館に到着、午後の公園整理券83番を得て1時開場でなんとか前の席を獲得し、展示を見る。
四天王寺は「四天王寺式伽藍配置」として門ー塔―金堂―（講堂）が一直線上に並ぶ伽藍様式で知られ、（一塔一金堂式伽藍配置とも言い、同様の形式は東アジアでは北魏洛陽永寧寺（516年）など、中国・朝鮮半島の6−7世紀の寺院様式を今に伝える貴重な例の一つだ。飛鳥時代創建のこの寺は過去何度も火災や台風、戦乱の影響を受けて焼失、破壊が繰り返され、そのたびに不死鳥のごとく再建されてきた。昭和に入って室戸台風で塔などが倒壊、再建されたが空襲で焼失、戦後に現在の伽藍が再建されたが、その際に昭和30〜32年にかけて発掘調査が行われ、飛鳥時代の創建時の塔、金堂、中門、講堂、回廊などの中心伽藍が明らかとなり、その後も同じ場所で再建が繰り返されたことが判明したという。今回の企画展では、創建時の聖徳太子との関わり（蘇我氏一族と物部氏との抗争において、太子が四天王を作って勝利の細は四天王寺を創建すると戦勝願掛けをして創建されたことーそれを示す法隆寺若草伽藍の創建瓦と四天王寺の創建時の出土瓦との類似性（同范関係）ー軒丸瓦とパルメット唐草文瓦ーが示されている。
さらに舒明11年（639）に王権初の官寺である「百済大寺建立の詔」が出されたが、桜井市吉備池周辺の発掘調査で、巨大な基壇が出現し、「山田寺」の金堂規模の三倍という巨大寺院の姿が明らかになってきた。この吉備池廃寺（百済大寺）の瓦にも四天王寺との同范瓦がある。さらに四天王寺と難波京との関係に関して、海路などとの関係で王権と密接な関係があったと推定される泉佐野の「海会寺」の創建瓦にも同范瓦があり、難波京と上町台地の開発に関係したと思われる百済系渡来人の先端技術者集団との関係も示されている。
4月初めに訪問した韓国の百済4王都、寺院や数年前に訪問した泉佐野の海合寺跡、先月訪問した枚方の百済寺、先月訪問した四天王寺と、百済にかかわる様々な寺院遺跡を思い出す一日。講演会の後、最終バスまで時間一杯、出土瓦などをスケッチして帰宅の途に就いた。
展示は近つ飛鳥開館30周年記念事業の一つで6月16日まで開催されていて、図録も販売されている。また、以前の四天王寺展の図録は無料配布されている。
なお、今回改めて古代瓦について学ぶ機会となったが、瓦の起源は2500年前の中国春秋戦国時代と言われたが、これまでの中国の西周関連遺跡調査でその起源は4千年前に遡ることが明らかになっている。瓦は中国語では「瓦＝グワ」で、粘土を用いた焼き物の総称らしい。この瓦の起源は西周時代の宮殿の建物に使われたらしく、仏教寺院は後代にそれを利用したもののようだ。これまで瓦は仏教寺院と共に出現したと思い込んでいたが、そうではなかった。
また四天王寺のような古い寺院は門の次に「塔」があり、その塔には「舎利」が収められている。この「塔」は仏教起源地のインドでは「石窟寺院」における「ストゥーパ」が起源であり、その際、舎利が大きな意味を持つようだ。つまり日本でも古い時代の仏教建築では「金堂＝仏像収納」以上に「塔」が重要だったと考えられているようだ。
四天王寺式伽藍配置（参考＝wiki):
様式
南北に南大門、中門、塔、金堂、講堂が一直線上に並ぶ。大阪天王寺区の四天王寺などにみられる。一塔一金堂式。
建築に際して、中心軸となる南北線をどう設定するのか。7世紀前半に創建された四天王寺は真北にとっている。古代の寺院建築では軸線を真北に設定するのが基本で、中国に端を発する。
地方での例として愛知県岡崎市北野町の北野廃寺は、矢作川右岸の標高25メートルの碧海台地上に位置している。中門・塔・金堂・講堂が一直線に並ぶ伽藍である。参道も検出されている。かつては東西124メートル、南北147メートルの区画に建っていたらしい。古瓦から7世紀中頃から終わり頃の創建とみられ、7世紀半ばに溯る西三河最古寺院との評価が下されている.
参考�∋妖群�寺HP：https://www.shitennoji.or.jp/history.html#:~:text=%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BC%BD%E8%97%8D%E9%85%8D%E7%BD%AE%E3%81%AF%E3%80%8C%E5%9B%9B,%E6%A7%98%E5%BC%8F%E3%81%A8%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
参考��四天王寺（古寺廻訪HP）：
http://www9.plala.or.jp/kinomuku/shitennoji.html
