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加曽利E式土器の方はやや初心者向けでくいたりなかったが、馬形埴輪に関しては大いに参考になった。明治大学の卒論で馬形埴輪をテーマにして、大学院修士終了後に群馬県藤岡市に学芸員として職を得たまだ若い考古学研究者。馬形埴輪が古市古墳群から生まれ、その前提として、古墳時代の河内湖南東、生駒山西麓地域の渡来系集落から、馬の土製品など馬を農耕用、輸送用に使ったと思われる実用品としての馬が出現し、その後近畿の大王墓を中心に四世紀末から五世紀始め頃に馬形埴輪が現れ、次第に飾馬主体で、実用より、王の威信を強調するものとなること。馬の生産(牧)が、東山道ルートで近畿から長野の飯田、さらに群馬周辺に牧が作られ、古墳から金銅製馬具や馬の埴輪が多く出るようになる。埴輪なおける馬の顔や目の位置、鞍や馬具、身体の作り方など、様々な視点から馬形埴輪の時期や伝播のしかた、地域的変異、近畿における前方後円墳造営停止、埴輪生産衰退、一方関東の後期群集墳による埴輪の大量生産の必要など時代の推移から、馬形埴輪の時期、地域の変遷を分かりやすく解説された。無論まだまだ不明な点も少なくないようだが、その概要を把握することができた。
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