|
|
|
また、角錐状石器に関しては断面が三角や台形で中央の稜線が高いものを指すらしいが、ナイフ形とあまり明瞭な区別がつかないものも少なくないため、よくわからない。学芸員に尋ねるといろいろ議論があり、ハッキリしないものもままあるという。といってもこれらは現代の考古学者が石器の形から分類したもので、旧石器時代人がそのように分類したり命名したものでないので、どれ程の意味があるかわからない。研究者�△箸辰討呂修譴覆蠅飽嫐�があるだろうがー。
また、この郡家今城遺跡は、AT(姶良丹沢火山灰)層の上、三万年前より、新しい遺跡であると説明されているが、その前の石材のサヌカイト採掘遺跡の二上山山麓の鶴峰荘第�誼賄整篝廚亡悗靴討呂修Δ靴診�代は出ていないのでこれも学芸員に尋ねると、近畿では、実際には関東と違って厚い火山灰層はなく、ATも目視できることはないので、そうした年代はATでなく他の要素から類推して、およそ三万年前のATよりは新しいとされているが、鶴峰荘第１地点遺跡の年代はよくわからないそうだ。二時間ほどスケッチとメモを書き込み、一旦外に出て今城塚古墳の見える場所まで歩いて、朝夕大慌てで作ったタマゴとサラダの焼きサンドを二枚食べる。食パン二枚にタマゴなどを挟み、焼いたものを四つ切りにしたもの。
半分だけ食べてバナナ四分の１とミカン半分で足しにして残りは夕食ー三万円も交通費に使ったので極力食費を安くあげたいーパンも生協で配達されて忙しくて食べてなかったものを使い、水分はテルモスに熱い緑茶と冷たいコーヒーをいれてお金を節約する。少し栄養不足か？
十二時に講演会の整理券をもらい、再び残った箇所の見学とスケッチと最後に撮影を行う。受付時間が来たので途中で切上げ、整理券順番に会場に入り、席を確保して再び展示会場に行き、残った撮影やスケッチをしているうちに講演会開始時間が過ぎてしまう。あわてて会場に戻る。講演は今回郡家今城遺跡の再整理を行った鈴木忠司氏が、今回は石器ではなく遺跡から出土する礫群について話をされた。
鈴木氏は、これまで石器の美しさに魅せられて石器を追いかけてきたが、磐田台地の遺跡調査で出土する礫群について考えるうちに礫群の意味をとらえようと同じような砂岩などの石材を採取して焼く実験を20年位繰り返し。焼く回数と石の割れとの関係を調べ、出土する焼けた礫群と比較し、それらの石器ブロックや礫群を残した集団がどれくらいその場所に滞在したのか？また礫による石焼き、石蒸しなどの調理を主に女性たちが行っているとすれば、そうした女性の暮しの様子を考える指標になるのではないかという仮説で長年研究されたことを話された。
とても素晴らしい発想だと感心したが、多くの石器研究者があるなか礫群の研究をする人は三人位しかいないというから、驚きだ。実験結果のグラフにおいて、使った石の数が示されているものと示されていないもの、個数で示すものと重量比で示すものとあり、少し分かりにくい。条件を揃えてくれると比較しやすいのだがー。
また、鈴木氏は女性の役割を強調するのはよいのだが、礫群における調理を女性と決めつけるのは感心できない。狩猟民のユニットが男女と決まったわけでなく、アフリカの例でも離合集散が激しく、気の合う男同士のユニットもあるようなのでこれは難しいところだ。
ともあれ、礫群の研究という面白いテーマを提供された鈴木氏に感謝したい。最後にいくつかの不明点を
学芸員の方にお聞きし、館を後にして帰宅の途についた。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する