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写真��中国鏡の図像に見る宇宙観
写真��西王母像
八尾市から移動して、大阪弥生文化博物館に向かう。十一時過ぎに到着して午後の講演会の整理券（16番）を受け取り、まず企画展を見る前に八尾市の久宝寺遺跡のミニ展示を見る。今朝方見た東郷遺跡や萱振遺跡と同じような時期の大規模な集落だ。まとまって出土した土器類や船材など重要なものが山のようにある遺跡だ。
企画展の古代中国文明展に入るとまだ前回聴いたギャラリートークを行っていたが、こちらは古代中国鏡の西王母や神獣などの図像を模写したりしてから昼食に出る。館に戻って時間まで古代中国鏡に見られる古代中国人の宇宙観や世界観に関する解説パネルなどをメモして、開場時間前に会場に行って前の方の席を確保、講師の落合淳思（立命館大学東洋文字文化研究所）氏の資料に目を通す。
講演が始まり、主として殷王朝時代の甲骨文字から見た祖先祭祀と信仰などについて話された。文化人類学の人口が150人（ダンバー数のことか?）を超えると対立がはじまり、社会統合のための信仰のような物が必要になるという考えから、殷王朝時代の祖先祭祀を、
1、直系合祀
2、大量の犠牲
3、会同儀礼（饗宴）
4、人犠牲
5、守護の祈り
などについて解説された。
面白かったのは番外編で甲骨文字による占いに関して、出土した甲骨の裏側にある傷、加工跡を落合氏が検討し、実験したところ、ある加工を施すと王が望むような結果を出すことができるという、占いが出来レースであった可能性を見いだした。つまり古代中国王権はすでに信仰を政治利用して統治に役立てたことを世界に先駆けて立証したというのだ。これはすごい発見だ。さもありなんー。
また殷代からさらに春秋戦国時代、漢代に話を広げた番外編の話も面白かった。 祖先祭祀は儒教などによりさらに統治の思想に進化し、また大乗仏教にも影響を与え、輪廻解脱から祖先祭祀、法事などを重視するようになったという。
個人的には、殷王朝以前の中国社会における祖先祭祀がどのように発生したのか？関心があるが、文献にない以上、考古遺物から推定するしかないが分からないことが多いと落合氏は私の質問に答えた。館長と落合氏のやりとりも面白かったがそれ以上会場に残る時間がないので切り上げて次の宿泊地の西明石に向かった。
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