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日記
明治大学の縄文研究者の阿部先生の主宰で、御茶ノ水明治大学グローバルホールで、上記のテーマの研究報告会があるので出かけてみた。これは、阿部氏の科研費研究の予告と同時に東大博物館の米田氏の大規模な科研費研究の予告発表でもあった。阿部氏は冒頭で、主に戦前に活動した大山柏氏の人と研究業績を振り返り、土器編年研究と人類学における人骨研究が主流だった戦前の先史時代研究の中で、ドイツの先史学を学んだ同氏が貝塚遺跡の中の細かい動物、魚介類の遺存体を調べて縄文人らの生活と環境を復元しようと試みたことを大きく評価した。また、阿部氏はこの大山柏再評価の動機の一つとして今世紀初めに発覚した旧石器捏造事件のショックを挙げ、大山が示したような旧石器時代や考古学のアプローチをきちんと学んでおけばこうした時代には至らなかったのではないかと考えていた。捏造事件後にご自身が発掘調査を始めた遠部台遺跡の調査において以前大山柏が調査した同遺跡調査の跡を確認し、戦災で焼失した大山柏の史前学研究所跡地を発掘調査して、その中から残された大山柏が調査した縄文土器片などを発見し、またかつて研究所所員で当時まだ健在だった竹下次作のインタビュー記録を作成したことを話された。この辺りの多くは2004年に出版された「失われた史前学ー大山柏公爵と日本考古学」で示されている。こうした前提の上で、大山柏に学ぶことをさらに深めて縄文人の生活、生業をいかに復元研究していくかのキックオフの講演だった。続いて阿部氏と大山柏のお孫さんお二人との鼎談で、大山柏の人となり、生前の様子を伺った。昼食休憩を挟み、中沢道彦氏による「縄文農耕論」の現在に関する講演にあと、東大博物館の米田穰氏による「共進化としての農耕起源と縄文農耕の実相」のテーマではなしをされ、海外の最新研究を踏まえた農耕起源論に論究されたか興味深いのは、植物と動物を人間がドメスティケートするだけでなく、人類出現後作られてきた人為的空間に動物や植物のほうがそこに入り込んで適応、共進化する過程が世界的に注目されてきたことで人間による一方的な栽培化、家畜化(英語ではともにドメスティケーション)なのではないということだ。このような新しい認識から農耕牧畜の起源も新しい仮説が展開しつつある。植物の栽培化も動物の家畜化もそうした植物や動物の方の都合により人間社会の、人為環境に接近し、適応してきたのでそれを活用する活用する低水準食料生産時代が一万年以上前から数千年間存在し
9月6日(土)「大山柏の史前学と縄文生業論」
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