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チケットを買わずに中に入ると、すでに講演会の大ホール前は行列ができている。会場は1時半、並んで待つ。大ホールは定員200人、まだかなり空きがあるらしい。そのまま並んで本を読みながら待つ。特別展の「大浮世絵展」は1300円なので、ゆくり時間のある時に見たい。今日の講演を聞いてからでも遅くない。常設展も短時間ではもったいないので、とりあえず、講演会に集中する。1時半前、列が急に進み、受付で当日券だけでなく回数券を買う。講演会は第一回目で、当博物館の都市歴史研究部長の小澤弘氏。今回は江戸初期の近世初期風俗画の前史から多色摺版画などの浮世絵の成立までの歩みのお話。最初に、前振りで今回の展示の意義についてーー江戸東京博物館設立20周年を記念して、浮世絵の大展覧会を5年かけて企画。これまでなかったような規模で、世界中から重要な作品を集め、浮世絵の教科書になるような図録を作るという大きな意図があったことを説明された。浮世絵は世界中に分散し、それだけ世界中の人気がある世界、版画も多いので作品数が多いことから、こうした状況が生み出されてきたが、今回は国際浮世絵学会の後押しで、これまで類例を見ないような規模で作品を一堂に集めることができて、今後の教科書になるような図録を出すことができたという。本来は世界各地に散らばった図録を集めると、大変な費用がかさむが、今回は博物館の展示なので、それが大幅に低価格になるそうだ。彦根・松浦屏風などの近世風俗画から、菱田師宣の浮世絵、鈴木春信の美人画などを経て、浮世絵が成立していくプロセスを駆け足で話された。浮世絵の成立過程という重要な課題で多数の作品を使って解説したので、超特急の解説になり、ゆっくり咀嚼する暇はなかったが、大きな流れだけは伝わった。今回、初めてこの博物館に出かけたが、20年間に多くの人々が出入りし、江戸ファンが大勢育ったことであろう。多くの美術品が流出した後で、江戸時代の美術品などの研究、再発見などに大きく貢献したであろうこの博物館も今年で成人式ということらしい。今後の活躍に大いに期待したい。今回の図録は、お買い得だと思う。逃すと入手不可になりそう(図録は展示会以外では売ることができないようだーー世界中から集めたので、本来は高額の撮影料を払うところが、博物館の展示図録に関しては、格安になるという世界共通のルールで可能になった図録らしい)。
写真1.国技館の幟
写真2・博物館のポスター
写真3.スカイタワー
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