博物館に到着するとまだ10時前で、中で少し待たされた。時間が来て展示室に向かう。最初に目に入ったのが、富岡重憲コレクションの「つちもの」展。新潟県糸魚川市出身の実業家、富岡氏のコレクションを、同氏の美術館解散の後、早大のこの博物館に寄贈されることになったそうだ(コレクションの保存+展示が条件)。今回はそのコレクションの中の「やきもの」中心の展示。生活に使用された焼き物が主体だが、縄文時代から江戸時代まで、それなりに見ごたえのある焼き物が並んでいる。
驚いたのは、その保管状態の良さだが、縄文土器や須恵器、平安時代など、古い出土品などは、完全な状態での出土品は、ごくごくまれで、通常は修復跡が白い粘土などで分かるようになっているが、これらの展示物は全く完全なものに見える。受付嬢に尋ねると、これらは考古学的な修復でなく「美術品」としての修復がなされ、完全無欠に見えるのだという。なるほど、美術的な修復術というのが、当然ながらあるのだと感心する。このコレクションの中では、特に室町時代の焼き物の中に、大変優れたものがあると思えた。その他、茶器なども展示されていた。
次に戸ノ内貝塚に関する展示を見た。案内チラシには
「戸ノ内貝塚は、千葉県印西市(旧印旛村)に所在する縄文時代遺跡で、印旛沼の北岸に位置します。 早稲田大学文学部考古学研究室では、2004年3月の測量調査を皮切に、2010年9月まで、計7次にわたり、戸ノ内貝塚の発掘調査を行ってきました。 調査では、縄文時代後期の大型土坑を多数検出したほか、印旛沼北岸では珍しい大型住居址を検出しました。 本企画展では、その歩みと調査成果を展示します。」とある。
出土品、遺構などから縄文後期、晩期の社会の変化を読み取る作業が行われているようだ。発掘調査や測量の様子、出土品などがわかりやすく展示されている。
最後に大隈重信氏に関する展示を見てから、図録などを購入し、館を後にした。
写真1.発掘報告展ポスター
写真2.会津八一コレクションなどの紹介
写真3.「早稲田考古学」などの発行物
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