國吉康雄は、高校生の頃油絵を習っていた頃画集など見ていた。渡米して肉体労働者を経て美術に目覚め、二十世紀アメリカを代表する画家となった。國吉のやや暗い色調が私には好ましく感じた。藤田嗣治は、東京美術学校出身のエリートでパリで成功した画家だが、うますぎて当時の私にはなじめなかった。今回同時代をパリとニューヨークで生きた2人の接点と異なる人生を映す展覧会は、楽しみにしていた。七十歳以上は半額なのもよい。特に戦時下の国吉は敵性外国人扱いされ、厳しい画家人生を送った人だ。「逆さのテーブル」は、不安な当時の國吉の心象を描き出している。私は特に物憂げな小肥りのサーカス芸人などの女性像が好きだ。藤田らを訪ねてパリに出かけた時のリトグラフも面白かった。
藤田は、にゅうはくしょくのらふぞうやたくみな線描、それに猫の絵がトレードマーク。猫はなかなか良い。今日は、大坂に向かはねばならず、じっくり見れなかったのは残念。図録も買わず、急いで新神戸駅に戻り、車を返却して、地下鉄経由で大阪に向った。なお最後の九室だけ撮影可能だった。
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