|
|
|
写真��大園遺跡の衝立形埴輪
写真�４敞湘膩呂猟朷薪擺�
大阪弥生文化博
物館に来るといつも講演会は満杯で、熱気に溢れている。元々、池上曽根遺跡の保全運動から始まった市民主導の博物館という歴史を持つ。こうした博物館は東京にはなく、しかも東京には国立博物館や市町自治体の郷土資料館以外に考古博物館はない。江戸東京博物館は、近世以降しか扱わず、都の埋蔵文化財センターは展示スペースが小さすぎて膨大な都内の先史古代、中世遺物をきちんと展示するスペースはない。都埋文が持っている膨大な考古遺物の大半は死蔵されているに近いのは、大変残念だ。
ところで大園遺跡の弥生時代で面白いのは、弥生時代前期の土器が北部九州に端を発した遠賀川系土器と縄文晩期の突帯文土器が供伴し、さらに池上曽根遺跡からは、弥生時代前期に縄文時代晩期に多く見られた石棒が多数出土している点で、社会の移り変わりが複雑であることを示している。また、大園遺跡で面白い点の一つは古墳があるわけでもないのに古墳時代集落で、衝立形埴輪が多数出土していることだ。そもそも衝立形埴輪は、全国的にもわずかな例しかなくおそらくこの集落で埴輪を製作していたに違いない。窯跡ば見つからないが、そもそも埴輪窯が出現する以前のことで野焼きで埴輪を作っていた頃の話らしい。衝立形埴輪は、円筒埴輪の台の上に衝立のようなものが乗っている珍しい埴輪で、以前何度か訪問した羽曳野市の津堂城山古墳からも出土している。このエリアは、早くから王権と深い関係にあったと考えられ、日本書紀持統天皇3年条に「河内国ー後の和泉国ー高脚海での漁労を禁ずる」記述があり、天皇家のための禁漁区を示している。集落消費を越える大量の飯蛸壺や土錘の出土は、そうした王権との関係を物語るものと言う。その後一旦集落は衰退するが奈良時代に入り計画的な集落づくりが見られ、その後元正天皇の「和泉宮」が出現している。この宮の候補地にあたる遺跡も発見されているようだ。古墳時代の終わり頃一旦集落が衰退するのは、狭山池に見られる溜池灌漑による水田耕作地の台地への拡大があり、集落が一旦放棄されたと推定されている。戦後暫く見られたこの地域の水田地帯はこの時から始まったと考えられている。今は開発で面影がほとんどなくなってしまったらしい。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する