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日記
甲斐小泉の平山郁夫シルクロード博物館関係者から聞いていたシンポジウムがイイノホールであるのででかけた。これは平山画伯が日本政府や国連に働きかけたことがきっかけとなり、始まった博物館や研究者、文化庁らの国際協力活動の報告会で、今回は中国とカザフスタンの文化財関係者と日本の専門家らがゲスト。何人かの挨拶の次に中国新疆ウィグル自治区の文化財局長の王氏がトルファン市に近い交河故城と高昌故城に関する報告を行い、カザフスタンの考古学エキスパタイズ代表のドミトリー・ヴォーヤキン氏は天山北路の一部をなすこの国が、シルクロードの世界遺産への共同提案国として、様々な複合的な歴史遺産の価値を持つ地域の世界遺産登録に関する複雑で困難な手続きを日本などの多くの国や専門家の協力で、進められたことを力説していた。この地域は定住農耕の地域社会とソグド人をはじめとする商人、ゾロアスター教、キリスト教(景教)、仏教、マニ教など様々な世界宗教の交流地域として大変興味深い文化遺産を残している。さらにおもしろかったのは最後のパネルで、京大の吉田豊教授のソグド人の社会、文化の研究、カイロ大学でイスラム教を研究し、京大では博士号を取得した東大寺長老の森本氏の話しは圧巻、26年前、600万人が来場した奈良のシルクロード博覧会で、東大寺境内においてシルクロード往来有縁者の追善大法要会を開いた話は、面白い、学識の深い森本氏ならではの法要対象者の選定と東大寺の伝統的な追善法要儀式とを組み合わせたものだった。森本氏はイスラムの歴史家イブン・ハルドゥーンの研究者でもある。また蔵中しのぶ氏は文学研究者の立場から、玄奘三蔵説話に関する興味深い話をした。奈良文研の西島氏はシリアのパルミラ発掘の経験や3D技術を使ったパルミラの彫像の分析などの話をされた。司会の前田耕作氏を含め、時間が足りず、もっと話を聞きたいものばかりだったが、シルクロード研究の奥深さを感じさせるシンポジウムだった。
9月27日(土)シルクロードシンポジウム
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