![]() |
そうなると食事の支度も後片付けも面倒に思え、近所のスーパーで弁当を買って済ますことが多くなる。
寧ろ安上がりなのだが、栄養のバランスが一寸心配でもある。
先日、海苔弁当を見かけ、懐かしさから思わず食指が動き買ってしまった。
少年時代に毎日母が造ってくれ、私が学校に持って行く弁当の大半が海苔弁当だったのである。
生徒達は、冬になると達磨型石炭ストーブの金網囲いに弁当を載せて温めるから、4時間目の授業は薫り立つ海苔の匂いに満たされていた。
プラスチック製弁当箱が無い時代は、殆どアルミニウム製で直接加熱が可能であった。
食材の乏しい時代故、載っている弁当の半数程は海苔弁当だったのであろう。
4時間目の教室は、空腹感に高まる食欲と勉学欲との戦いの場でもあった。
スーパーの海苔弁当の味は、古い記憶の味と異なり今一の感を否めない。
海苔以外の副食材が、洋風且つ現代的で年寄りの好みに合わないのである。
一発奮起、記憶を辿り古典的海苔弁当の復元自作を試みた。
材料は昔風に拘り、白米ご飯、青混焼海苔、鰹削節、白子干し、生醤油、味の素を用意する。
これだけの食材で3種類の海苔弁当レシピが可能である。
1 海苔だけの弁当
2 海苔と鰹削節の弁当
3 海苔と白子干しの弁当
何れも極めて簡単に造れ、然も美味しい。
シンプルな味わいを望むなら海苔と醤油だけを使うが、上質の海苔を使わないと物足りない味になる。
青混海苔なら、それだけで文句なしに美味しい。
普通の安い海苔でも、鰹削節か白子干しのどちらか一方を加えれば充分に美味しくなる。
ここでは鰹削節を加えた海苔弁当を造ろう。
先ず弁当箱の半分程に温かいご飯を敷き詰める。
その上から鰹削節を満遍なく振り掛ける。
弁当箱サイズに切った海苔の裏面に、味の素を添加した生醤油を斑なく付着させて、醤油付きの面を下にしてご飯と鰹削節の上に被せる(その時に初めて鰹削節に生醤油が滲みる)。
敷かれた海苔の上から重ねて上段のご飯を敷き詰める。
その上から鰹削節を振り掛け、生醤油付き海苔を下段同様に被せる。
弁当箱の蓋をして暫らく置けば出来上がりであるが、蓋の裏面が海苔に触れない程度の狭い隙間が残れば理想的である。
足が早いので、造ったらその日の内に食べるのが肝心である。
白子干しを使う場合も手順は同じで、決して事前に鰹削節や白子干しを生醤油に浸してはいけない。
醤油弁当のような濃い味になってしまうからである。
ドカ弁のような厚手の弁当箱の場合は2段ではなく、3段にした方が味のバランスが良くなる。
青混海苔は生産量が少なく、稀少品なのでスーパーには置いて無い。
海苔専門店で購入する面倒はあるが、海苔弁当と握り飯には青混が最適で、味も香りも一味も二味も違う。
乾しただけの生海苔の場合は、軽く炙ってから使えば焼海苔と同じである。
因みに我が隣町の横須賀界隈では、海苔弁当を”のりだんだん”と呼んでいる。
海苔ご飯の段重ねが、その謂れなのだろう。
差し詰め、海苔オカカご飯の段重ねなら、ノリカカダンダンとでも呼ぶのだろうか?
ノリカカダンダンの語呂から、ふと我が少年時代の、未だうら若い母の面影を思い起こしていた。ainakaren
アイナカさん、ご無沙汰です。白子干しは、シラス干しのことだと解釈しました。魚の白子の干したものではありませんよね。最近、ダイエットのために炭水化物を制限しているので、毎食、銀シャリではありません。この日記を読むと、食べたくなりますね〜。そうシンプルなものが。
ダンダンですが、段々、確かにそうですが。
松江というか島根の方言で、ダンダンは
ありがとう と言う意味です。もちろんこちらに来て知りました。
お母さんが作った、海苔ダンダン をありがとうの気持ちで 食べると言う意味あいです。島根県人にしか分かりませんが。
Mikuniさん、こんばんは。
コメント深謝です。
白子干し(白子乾し)は、カタクチイワシなどの稚魚を塩茹でにして干した食品で、漢字で書くと白子干(乾)しです。
大根おろしを和えて一杯呑む時のあれです。
横須賀の他にも松前など”のりだんだん”と呼ぶ地方もあるので島根でもそう呼ぶかもしれませんね。
海苔段々は、青混海苔を使うと格段に美味いですね。
海苔段々は母の味、その感謝の言葉がダンダンなのですね。ren
若干内容が違ってしまいますが・・・
私はメタボでもないし毎週登山で運動しているのに高血圧で、食塩制限しているので原則的に市販の弁当を食えません。たぶんほとんどの人は気付かないと思いますが、市販の弁当の食塩が4gとか平気で含まれています。下手をすると1食で5g近かったりして、私だと1食で1日の塩分量に達してしまいます。お店によっては減塩食弁当があるらしいですが、私の周囲では見たことが無く自炊が欠かせません。ちなみにインスタントラーメンやカップラーメンは1食で食塩が6gくらいあるので最悪です。麺だけで2gくらい、残り4gはスープです。ちなみに高血圧症患者の推奨食塩摂取量は6g以下/1日です。
夏山だと滝のように汗をかくので塩分補給は必須なので減塩規制を緩めていますが、下界では薄味です。それでも血圧が下がらない(一番軽い降圧剤を飲んでも)ので本当に寿命が縮みそうです
そういえば売り場で海苔弁当は見ますが、海苔の売り場には足を踏み入れることは少ない(干物?)のでスーパーで買ったのは遠い昔、山の飯用に自分でおにぎりを作っていた頃ですね。
toradangoさん、こんばんは。
コメント深謝です。
高血圧症は辛いそうですね。
家では山ノ神が高血圧症で私が低血圧症です。
低血圧は寝起きにエンジンがかからず、午前中は元気が出ません。
食塩を採らなければいけませんが、家の調理は基本的に薄味です。
仕方なく、ほていの焼き鳥缶詰(塩味)で一杯呑みます。
医師には汗をかいたら塩分を補給するようにといわれます。
体質的なものですが、これも辛いです。
海苔は健康食品だそうです。
普段からよく食べています。
値段のピンキリの差が大きく、ハイエンド品には手が出せません。
いままで、海苔をなめていました。湿気ってしまうから取り扱いも難しく。しかし海苔弁当いいですね。気がつけば周囲は味付き海苔ばかりになってしまって、あの味がくどくて遠ざかっていました。うちの食材におにぎり以外でも復活させたいです。
yoneyamaさん、こんにちは。
コメント深謝です。
そうですね。
味付け海苔は旅館の朝食に出ますが、妙な味付けですね。
甘くてベタベタしているのは砂糖でしょうか。
家では焼き海苔を使っています。
アメ横の海苔専門店で青混を買いますが、使い切ると近所のスーパーで普通の海苔を買うこともあります。
同じくらいの値段でも、青混の方が格段美味しいし香りも豊かです。
生産される季節が限られるのが難点ですね。
切り海苔にも青混が有れば良いのですが、商品としては見たことがありません。
アメ横で5帖単位で買い、保存には気を使います。
10帖買うと食べきらないうちにカビ臭くなります。
保存の難しい食品ですね。
レンさま。初めましてこんばんは。
パイサイコと申します。
我慢しきれず夜分に失礼します。
のりだんだん。いい響きですね。
世代は違いますがのり弁は確かに母のイメージです。
私はこないだ千葉県の山行きの帰りに青混ぜの海苔を購入してきました。
確かに湿気り気味で難しいモノですが軽くあぶって母におにぎりをつくってもらいました。
自分の手でもなく妻の手でもなく母に握ってもらいました。私もまあまあの味が出ると思っている自分の手なのですがまだ母には敵わないのです。
のりだんだん、でなくおにぎりが母の味ですが変わらず青混ぜはいい香りでした。
pisai5さん、こんにちは。
コメント深謝です。
お母様のおにぎり〜いいですね。
ご健在でいらっして羨ましい限りです。
千葉産の青混は品質が良く、アメ横でも焼海苔も乾した生海苔も入手できます。
家庭では焼海苔が扱いやすいですね。
乾した生海苔をお使いのようですが炙り加減が微妙ですね。
過ぎると香りがとんでしまいますね。
最近は手軽な焼き海苔ばかり使っています。
青混の海苔弁当も握り飯も、海苔がしっとりとご飯の水分を吸って湿ると、香りが一層強くなり美味しさも増します。
少し時間を置いた方が、美味しくなるんですね。
松前港湾地域と新潟港湾地域でも、”のりだんだん”と呼ばれるとの事〜
昔々、北前船の寄港地だった港湾地域に、他にもそう呼ぶ所があるかも〜ren
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する