![]() |
今回は、音楽と映画の話題です。
山にも、ほんの少しだけですが触れます。
ゴルトベルク変奏曲 J.S.BACH
グレン・グールド ピアノ
CBS SONY デジタル録音 28AC 1608
1981年4月22日〜5月25日 録音期間 約1ヶ月
写真のアルバムは、演奏、音質とも完璧に近く、手持ちのピアノアルバム中でも完成度の高いものと思います。
81年頃にはデジタル録音機も性能が良く、デジタル臭さを感じさせません。
同じ音源のCDアルバムも好い出来でした。
演奏のテンポが、かなり遅いですが聴いてるうちにそれが不自然ではなくなって、次第に引き込まれてしまいます。
音符が楽譜の指定と異なるところが随所にありますが、それがとても効果的に作用して美しく聴こえるのですね。
素人耳には、非の打ち所のない演奏に聴こえるのです。
彼の64年の同じ曲の録音を遙かに超えて到達した、バロック演奏の枠を取り払う異次元のアルバムだと思いました。
録音に1ヶ月以上もかけています。
多分、彼は並外れた完璧主義者だったのですね。
64年以来、ライブ演奏を決してしなかったことからも推察できます。
彼が熱心な投資家だったことも、知られていますね。
その気持ちが、痛い程よく解ります。
演奏家にとって、ポピュリズムに迎合せずに自分の目指す音楽を追求するためには、絶対的な経済基盤が必要だと思ったのでしょうね。
音楽を生業にせずとも、自由に音楽活動ができる環境が基盤として欲しい、と思っていたのでしょうか。
現役時代の私は、音楽にも山にも縁遠い仕事のサラリーマンでした。
趣味は音楽鑑賞と山登りですが、山が好きでもプロの登山ガイドに転職したいと思ったことはありません。
だが、常に山にいて常に山に登りたいとの思いは、始終ありました。
確固たる経済基盤の絶対的存在が私にあれば、生業を持たずに山に生活していたでしょうね。
音楽に専念したいグレン・グールドも同じ気持ちだったかもしれません。
話は違いますが、「羊たちの沈黙」というサイコスリラー映画がありましたね。
あの映画を観て以来、このアルバムを聴くたびに「羊たちの沈黙」の1シーンを思い出してしまうのです。
クラシックのピアノ音楽が、サイコスリラー映画に実に効果的に使われておりました。ainakaren
グレン・グールド ゴルトベルク変奏曲 冒頭部3分間
同 映画バージョン3分間
こんばんは
今日の帰りに自宅近くの用水路と空き地の間の数十メートルの小道を歩いていたとき、突然、グレン・グールドがなぜライブ演奏をやめたのかを、演奏を聴く側の問題として実感しました(正しい答えではないかもしれません)。それまでグールドのことを考えていたわけでもなければ、最近その音楽を聴いたというわけでもなかったのです。そのあとこちらの日記が目にとまリ、奇遇だと思った次第です。
shiremonoさん、こんばんは。
コメント深謝です。
そうでしたか。
それは奇遇でしたね。
グールドには、ピアノが手動シンセサイザみたいな存在だったのでしょうね。
シンセサイザの演奏者?は、ライブはせずにアルバムを出しますからね。
そう考えると、シンセのアルバム作品制作には1ヶ月はかかります。
グールドは完璧な演奏作品を、残したかったのではないでしょうか。
ライブでは、それができないと見限っていたのでしょう。
それにしても、もっとアルバムを残して欲しかったですね。ren
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する