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昭和28年秋(1953)奥多摩鍾乳洞見物で初めて山登りに開眼、昭和31年(1956)暮、岳会入会手続。
奇しくも1953年、ヒラリー、テンジンのエヴェレスト初登頂〜、1956年、日本隊のマナスル初登頂〜、両年とも記念すべき年であった。
戦後の登山ブームはその頃からスタートして20年も続き、その間に山登りに入門した岳部岳会人から多くの男女著名登山家を生む。
昭和36年(1961)4月末、岳会を退会し登攀に決別するも、単独行者になる迄の4年半程の間に岳会で習慣づけられた所作思考が我が身に染み付き、良きにつけ悪しきにつけ消えずに残っている。
だが体力技量は既に消え去っているから悲喜劇〜、これぞ自虐日記たる由縁であった。
話を日記タイトルの音楽主題に戻す。
BLUES IN〜BLUES OUTはアルトサックス奏者アート・ペッパーのレコードアルバム『モダン アート』全8曲中の最初と最後の2曲である。
その狭間の6曲はカルテットによるジャズスタンダードであるが、両端の2曲が極めて特異な曲なのでそのことを書きたかった。
ヤマレコ日記らしく導入部だけでも山に関連させようと書き始めたのはいいが、そこは山好きのこと、筆が滑りまくってこんな日記になってしまったことを読者の皆さんにお詫びしてから、音楽話にしたい。
『モダン アート』はカルテットのアルバムだが最初と最後の2曲だけがペッパーのアルトとベン・タッカーのウッドベースだけのデュエットなのである。
ピアノとドラムが演奏に参加していない。
メロディは終始ペッパーの即興だが、タッカーのベースが目立つことなくメロディに追従する。
それはクラシックのように流麗優雅でありながら、極めて内省的なジャズブルースそのものでもあるのだ。
昔からこのアルバムが好きで、この一枚こそアート・ペッパーの最優秀作品と思っている。
BLUES INとBLUES OUTを聴くと、いつもバッハの無伴奏チェロ組曲を連想する。
2曲の狭間の6曲は、カルテットのジャズスタンダードだが、1枚のアルバムとして違和感なく連なって上品且つ見事であり、全てを合わせて組曲としてもよい程の完成度なのである。
そしてペッパーの演奏はいつも孤独な陰を纏っている。
淡々とした情感の吐露と、一瞬に命を燃やす如くの高揚感が堪らない魅力であり、聴きなれた無伴奏チェロの音色表現に通じる何かを感じる。
そうした感情の抑制と開放の両極の表現がペッパーのアドリブの真骨頂であり、魅力なのだと思う。
BLUES IN〜BLUES OUTの狭間に、もし無伴奏チェロ組曲を繋いだらどの様な感じに聴こえるのか、という荒唐無稽な試みの誘惑に駆られる。
6曲のチェロ曲の一番から六番まで曲想を思い浮べながら、ブルース2曲との相性を考えるが、元々ジャズとクラシック〜、当に荒唐無稽な話だろう。
有名な一番と三番より他の曲がよいような気がする。
内省的な二番と四番はどうだろうか。
どうも、より内省的な第二番ニ短調の方が合うような気がしてくる。
この荒唐無稽な試みを家人の留守のときにと機会を窺う、ここ数日なのである。
*ブルース イン
*組曲2番 全曲
*ブルース アウト
久しぶりに見る不可解な夢の中で、一所懸命考える。↓
〜本当は人の居ない場所で聴いてみたいから、山の中が最適だなぁ〜
けれど行動中の音楽は苦手だから、合宿キャンプの寛いだひと時がいいぞ〜
アイポッドに、希望通りに編集録音して持って行けば話は簡単だ〜
そうだ、相棒には彼の好きな『逝ける王女のためのパバーヌ』を入れて行って聴かせよう〜
半世紀後の進化した道具と登山技術、風俗習慣も皆に話してみよう〜
さぞ驚くだろうなぁ〜
進化した美味い山食も、色々と沢山持って行くぞ!〜(完)ainakaren
*写真左は前穂高北尾根奥又白側の登攀(1958年8月)
*この日記の冒頭 http://www.yamareco.com/modules/diary/8042-detail-39933
renさん、こんばんは。
ペッパーさん、いいですね。
私も学生の頃良く聴きました。
白人Jazzの代表格ですね。
アルトがいい。
私はもう1枚のファーマーの「モダンアート」も
大のお気に入りです。
二人の「アート」、もうこの世にいないのですね。
私は山で音楽を聴くときは、睡眠時です。
今のプレーヤーは音漏れしませんね。
私が最も寝易い音楽は「無伴奏」じゃなく、
同じバッハの「ゴールドベルク・・・」です。
Akanekoさん、こんばんは。
ファーマーのモダンアートもいいですね。
1曲目のモックスニックスだったかは趣味じゃないけど、他は全部素晴らしいですね。
ゴルトベルグはグールドの演奏が有名ですね。
映画「羊たちの沈黙」を思い出します。
私のお気に入りはレオンハルトのチェンバロ演奏によるものです。
眠れないための音楽だそうですが、思わず引き込まれて眠らないための音楽になってしまいます。
・アルバムのご紹介
1.ブルース・イン
2.魅せられて
3.君微笑めば
4.クール・バニー
5.ダイアンズ・ジレンマ
6. サヴォイでストンプ
7. 恋とは何でしょう
8. ブルース・アウト
アルトサックス アート・ペッパー
ピアノ ラス・フリーマン
ベース ベン・タッカー
ドラムス チャック・フローレス
録音 1956年12月28日
1957年1月14日
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