1950年代の後半頃から使われ始め、70年代初頭までは自分も使っていた。
外形は丸首の半そで下着であるが、布部分が2〜3センチ網目の魚網状に編まれていた。
材質は木綿とポリエステル、又は化繊だけの混紡で細紐状であるから、それだけ着ても透け透けの見え見えで保温効果も吸汗効果も無い。
上にウールのシャツを重ね着して皮膚との間に空気層を作り、汗を皮膚表面の体温で蒸発させつつ、限界を超えて濡れたウールシャツが体温を奪うのを防ぐ空気層を形成する。
随分と重宝して使っていたのだが登山専用下着の進化に伴い、現在は殆んど絶滅してしまった。
山中では滅多な事では下着替えをしなかったので、一枚の網シャツを合宿の間一週間着続けることもあった。
上に着る予備のウール下着は携行しても網シャツは一枚しかないから、それが当り前の事だった。
一週間網シャツを着続けて家に帰ってくると、胸も背中も塩を吹いたように白くなって網目模様が出来ていた。
脱いだ網シャツは、納豆にクサヤ干物の身を練り込んだような酷い臭いがしていた。
粋がって暑い夏の雪渓を網シャツだけの上半身裸同然で歩いた仲間は、日焼けの網目模様が消えるのに半年近くもかかり、銭湯で恥ずかしい思いをしたそうだ。
当時、「網シャツ」と呼んでいたが最近は片仮名で「アミシャツ」とか「ネットシャツ」「エアーネットシャツ」と呼ばれてレゲエの最新ファッションに変身している。
登山用下着としては絶滅した網シャツは、地方の伝統芸能の衣装の一部分として細々と生き続け、今やレゲエ衣装やファッションとして花開いているのである。 ainakaren
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ainakarenさん、1971年に私も網シャツを、さかいや、から通販で購入して使いました。
当時、網タイツという、同じ材質でつくった下半身の下着もありました。
ニッカーの下に履いて山へ入ったら、股の部分で布ズレして、痛くてえらい目にあいました。
でも、網シャツの方は快調でした。
時の流れの中で、いろんな装備やウエアが、現われては消えてゆきますね。
tanigawaさん、こんばんは。
網タイツは使った事がありませんでした。
汗で濡れた時、冷えて寒いのは上半身でしたので下半身は無防備、冬はラクダの股引でしたよ。
現在は高価ですがいい下着が有りますね。
靴擦れでさえ歩くのが難儀です。
股擦れは経験がありませんが、歩くのが大変でしょうね。
ところで無雪期のロンスパ風俗、未だ流行が続いてますね。
短パンなので必要の無い人でも着けていますよ。 ren
ainakaren さん
網シャツ、網タイツとも、夏山中心の下着としての装備でした。
網タイツは、夏のニッカーが当時は不合理に厚手で、その汗取り、風抜け役だったと思います。
ロンスパは、私は、真夏で、かつ乾燥した稜線で、そのうえはっきりした登山道があるような場所で装着するのは、まったくの不合理と思います。
ユニフォームのように、山へ行ったら始終装着と誤解されている方が一時は多かったですね。今は、少なくとも行き帰りの電車の中でも装着している人は、見かけなくなりました。
ひところの中央線、青梅線は、ひどかったです。
本来は必須の装備だけれど、使い方を考えずに、「山ヤの目印」みたいに扱われてきた装備は、他にもけっこう、時代時代でありました。
尻皮の常時装着、
夏山で純毛ツィードニッカ、
雪渓が一般ルート程度なのにピッケル、
見た目の大きさで競われたキスリング、・・・・
最近の新しい装備を見ていると、横文字、カタカナ文字の新装備に、実は現場での応用や融通が利かない、不合理なものを見かけます。
いずれ淘汰されるでしょう。
tanigawaさん、こんにちは。
私、網シャツを一時、オールシーズン使ってましたよ。
高性能の冬用下着が出来て以来、夏だけになりました。
冬でもラッセルなどで一時的に汗をかく場合は助かりましたし、保温効果もそれなりにあったような気がしています。
冬の下はトランクス、ラクダ股引、ウールスキーパンツにプラスでオーバーズボン、オーバーシューズでした。
そういえばオーバーズボンも、オーバーシューズも消えましたね。
代わって話題のロンスパが、雪中で大活躍ですね。
私の山ズボンは筒切りのスラックスなので、無雪期でも霜解けの泥道だけロンスパを着けます。
その点ではニッカーは良かったですね。
消えたのが惜しまれます。
筒切りだからロンスパ着けるタイミングと、外すタイミングに気を遣いますよ。
場違いなロンスパは、気恥ずかしいですからね。ren
[1958年夏 涸沢]
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