若かりし昔、冬富士に何度も登って、その言を実感した心算(つもり)で居りました。
独り歩きを始めてからも、好んで富士の見える山々を歩くにも拘らず、富士山に登る事はありませんでした。
永いこと、厳しい冬の富士山しか知らなかったのです。
十里木高原の山荘からは、真近に雄大な富士の姿が展望されます。
此処からは、宝永火口がくっきりと美しい曲線を描いて見えます。
近くの十里木高原駐車場から越前岳に登るカヤトの山腹には、櫓組みの立派な展望台があります。
其処から眺める富士山は、視界一杯に裾野まで大きく広がり、全てが見渡せて遮るものは何一つありません。
恐らく展望台としては、富士山全体が一番大きく見渡せる場所でありましょう。
美しくも雄大な富士を眺めながら冬の過酷な登りを思い出すと、「〜登るより 眺める山〜」との言が何時も脳裏に浮かびました。
数年前の秋、東京みなと山の会 Mさんのお誘いで秋富士の宝永山に登りました。
山荘から富士宮口新五合目駐車場までは、車で目と鼻の先程の距離です。
この時が、無雪期に富士山の斜面を歩いた初めての体験でした。
五合目から六合目の紅葉が美しく、とき(季節)には”登る富士” も佳いものと実感致しました。
足元の草紅葉も、素敵な色合いでした。
きっと秋ばかりではなく、春にも、夏にも夫々の佳さがありましょう。
”登る富士” の佳さが実感できて、富士山の苦い負の想いも氷解する、心地よい山歩きでした。ainakaren
*五合目付近の紅葉模様2枚
http://yamareco.info/modules/yamareco/upimg/10/100725/5ede6e3f4dba0a6175260d802a872fbe.JPG
http://yamareco.info/modules/yamareco/upimg/10/100725/7e464aa3eb2e056bc2799ef7de810eb3.JPG
*山行記録「秋富士の宝永山へ」2008年秋
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-100725.html
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