【北ア 快晴の奥黒部展望コース】 室堂〜五色ヶ原〜スゴ乗越〜薬師岳〜折立


- GPS
- 25:24
- 距離
- 32.7km
- 登り
- 2,371m
- 下り
- 3,450m
コースタイム
室堂09:40→10:40室堂山展望台11:00→道迷い→11:45浄土山〜富山大研究所12:02→13:43獅子岳14:05→ザラ峠15:05→五色ヶ原山荘16:00→16:12五色ヶ原幕営地
7月16日(土) 五色ヶ原から越中沢岳・スゴノ頭を経てスゴ乗越小屋へ
五色ヶ原幕営地06:00→五色ヶ原周遊(50分)→07:42鳶山07:50→越中沢乗越08:50→09:50越中沢岳10:15→11:35スゴノ頭11:45→12:25スゴ乗越12:35→13:30スゴ乗越小屋幕営地
7月17日(日) スゴ乗越小屋から薬師岳を経て折立に下山
スゴ乗越小屋04:30→間山05:33→07:25北薬師岳07:40→08:45薬師岳09:25→11:45太郎平小屋(ラーメン昼食)12:25→15:25折立登山口
撮影に時間をかけているので、タイムは遅めです。
天候 | 7/15(金) 晴れのちガス 7/16(土) 晴れのちガス 7/17(日) 下山まで快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
途中のローソンで食料調達し、有峰林道(普通車1,800円 高い!)経由で折立には06:53着。 折立の駐車場は、6割程度の混雑度でしたが、下山時には駐車場に入りきれない路駐のクルマの長〜い行列にビックリ。 折立でバイクをおろし、07:12に立山駅へと出発。約27キロ走行。立山駅前の無料駐車場には08:05着。 立山駅08:20発のケーブルカーで美女平へ08:27着。さらに08:30発のバスに乗り、室堂09:20着。ケーブルカー&バス運賃2,360円+荷物代300円(重量10キロ以上)。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆ 室堂〜五色ヶ原 ・ 室堂ターミナルを出ると,快晴の空の下,目の前に立山三山が見えました。「立山玉殿の湧水」で水をくみ,良く整備された道を室堂山荘まで歩きます。室堂山荘前から右に折れ,雪の残る斜面を登り,室堂山展望台へと向かいます。展望台は南側が切れ落ちていて,薬師岳や五色ヶ原がよく見えました。水晶岳など奥黒部の山々や槍・穂高連峰も見えました。素晴らしい天気です。 ・ 展望台でのんびりした後は,浄土山を目指しますが,南側の踏み跡をたどってしまい,行き止まりとなってしまいました。しかたなく展望台に戻り,残雪でよく分からないコースを適当に歩いていくと,なんとか登山道に合流。コースタイム25分のところ,45分を要して11:45に浄土山に到着です。 ・ 浄土山から富山大学の立山研究所の建物までは,平坦な道です。雄山をはじめとする立山連峰や剣岳がよく見えました。龍王岳は山頂を踏まず,西側を巻いてザレた道を鬼岳目指して下ります。鬼岳の中腹のところには残雪がありますが,どうということはありません。そこから少し登り返すと,鬼岳の肩に到着です。 ・ 鬼岳の肩から,歩いてきたコースを振り返ると,残雪を従えた岩だらけの龍王岳南面が迫力です。その後方には雄山が堂々とした姿を見せています。鬼岳の肩からは,東側に広がる大きな雪渓をトラバースしてから,獅子岳への登りに取り付きます。雪渓の下りにはステップが切ってあるので,アイゼンは使用しませんでした。ただし,コースを踏み外すとかなり下まで滑ってしまいそうな感じ。こうした状況に慣れていない方は,ピッケルがあったほうが良いかも。 ・ 雪渓のトラバースのあとは,獅子岳への登りとなりますが,木道が敷設してあるので助かりました。でもその先のザラ峠への下りは,ザレていて足場の悪い急な道となります。結局,獅子岳の山頂には,13:43に到着。ここでオニギリ休憩を20分ほどとりました。休憩後は,ザラ峠への急な下りを歩きます。途中,岩場のハシゴを降りるようなところもあり,きついコースです。 ・ ザラ峠から,五色ヶ原への登りは,一転して草付きの歩きやすいルートに変わります。しばらく登ると,木道となり,そこから20分少々で五色ヶ原山荘に到着です。 この日,五色ヶ原山荘の宿泊は16名だったそうです。かなり余裕があり快適だったようです。テント場は,山荘から10分少々下ったところにありました。周囲はまだ残雪がいっぱい。テントサイトも雪解け水で多くが浸水。幸い,この日は8張りのみだったので,それぞれ,濡れていないサイトに設営できました。テントサイト沿いに雪解けの沢が流れ,ここで冷やしたビールの味は格別でした。夜も快適に過ごせました。 ◆ 五色ヶ原〜スゴ乗越 ・ 縦走2日目の朝も快晴です。今日はスゴ乗越まで,コースタイムで6時間程度の歩きなので時間的に余裕があります。そこで,五色ヶ原の散策を楽しみました。昨日歩いていなかった,テント場から北側の木道を辿り,五色ヶ原ヒュッテ跡付近で縦走ルートに合流します。木道の左手は一面白い残雪の斜面。一方右手は雪解け水の水たまりがきらきらと輝く緑の高層湿原。真っ青な空の下,このコントラストが美しい。振り返ると,テント場の向こうには,薬師岳や越中沢岳,遠くに槍ヶ岳まで見えています。素晴らしい天気です。ただし,高山植物の花々の時期にはまだ早い感じでした。残雪が多く,これからが見頃でしょうか。それでもコイワカガミや,ハクサンコザクラ,イワイチョウ,シナノキンバイ,アオノツガザクラ,チングルマなどが木道沿いに咲いていて楽しめました。 ・ 昨日歩いた登山道に合流し,五色ヶ原山荘の赤い屋根が見えてくると,とってもメルヘンチックな風景です。木道の先に見える山荘とその右奥にたっぷりと残雪をまとった鳶山の組み合わせは,どこか天国を思わせるような穏やかさ。遠くには薬師岳。振り返れば立山連峰。広々とした湿原に緑と残雪が広がり,その中を木道が伸びています。夢のような景色です。この光景,どこかで見たことがあるなあ,と考えていたら,思い出しました。2年前の夏,大雪山縦走のときに歩いたトムラウシ山手前の「神遊びの庭」にそっくりなのです。あのときも素晴らしい快晴の下,このような景色が広がっていました。 ・ さて,山荘を過ぎると,鳶山への登り道となります。ずっと木道が整備されていて歩きやすい道です。山頂手前,鷲岳からの稜線と合流するポイントで稜線に出てみると,ドコモが繋がったので,家人にメールしました。黒部湖側は通じませんでしたが,富山側では,ドコモが通じるようですね。鳶山の山頂には07:43に到着しました。山荘から約50分ほど。ここからの眺めは素晴らしいですね。目の前に越中沢岳。その右奥に薬師岳。そこから視線を左にぐるっと回せば,黒部五郎岳,笠ヶ岳,水晶岳,槍ヶ岳,野口五郎岳,烏帽子岳など奥黒部の山々が一望です。中でも,目の前に立ち上がっている越中沢岳のなんと美しい姿か。標高こそ2,591メートルに過ぎませんが,越中沢乗越を経て立ち上がる緑の北側斜面と残雪に輝く東側斜面とのコントラストは絶品です。この素晴らしい光景にすっかり見とれてしまい,歩くことを忘れました。ここにテントを張って泊まりたいくらいでした。でも,そうもしていられないので,越中沢乗越へと下ります。すると今度はシナノキンバイが咲き誇るお花畑。大きなシナノキンバイの花々が斜面一面に広がっています。乗越から鳶山を振り返ると,こちらも緑の山肌に所々白い残雪のアクセント。美しい光景です。もう,何も言うことはありません。 ・ 越中沢岳の北斜面は,ほとんど木々が生えていない見晴らしの良い登りです。風通しが良く,さわやかでしたが,ガスや風雨が強いときは,迷いやすいので注意が必要です。越中沢岳の山頂には,09:50に到着しました。ここも眺めがよいです。特に,スゴ乗越から間山を経て薬師岳へと至るルートが一望の下です。時間に余裕があるので,ここで水分・カロリー補給と写真撮影のため,25分ほど休憩をしました。 ・ 越中沢岳からの下りは急で,トラロープが張られた岩場などの歩きにくいところもあります。また,そこからスゴノ頭への登り返しも急です。結構時間がかかります。 スゴノ頭の肩には,11:34に到着。越中沢岳から1時間20分かかりました。ここにザックを置いてスゴノ頭まで行ってみましたが,山頂標識や三角点はありませんでした。ガスがかかっていたので,展望も良くありませんでした。スゴノ頭から40分ほど下ると,スゴ乗越です。ここは休憩に良い場所です。ここで水分・カロリー補給をし,ビールを冷やすため残雪をジップロックに詰め込みました。スゴ乗越からは,また登りとなります。意外に距離があり結構きつかったです。コースタイムは40分ですが,55分かかりました。スゴ乗越小屋のテン場には,13:30に到着しました。この日も,テント場は8張りと少なく,静かに過ごすことができました。もちろん,残雪で冷やしたビールをおいしく頂きました。 ◆ スゴ乗越〜薬師岳〜折立 ・ 縦走最終日は,薬師岳を経て折立登山口まで下る,コースタイム約9時間の歩きです。ガスがかかる前に薬師岳山頂に到着できるよう,テン場を04:20に出発しました。 スゴ乗越小屋の前から,越中沢岳のほうを振り返ると,滝雲が音もなく尾根を越えて東側に落ちていくのが見えます。とても神秘的な光景でした。 ・ 稜線を30分ほど登ったところで,スゴノ頭の東側から朝日が昇ってきました。山々が黒い陰となって荘厳な雰囲気です。進行方向には,残雪を抱く緑の尾根の左先に,かすかに薬師岳の山頂が見えてきました。まだまだ遠い。途中で先行する4人パーティーを追い越して,間山山頂には05:33に到着。なかなか良いペースです。間山山頂からは,北薬師岳も薬師岳も見えません。見えるのは2,832メートルピークのみ。この付近二重山稜のハイマツ地帯となっていて,荒天時には風がしのげ,ビバークに良いところです。池があるので,水も手に入ります。 ・ この先,2,832メートルピークへの尾根道がさえぎるものなく長く伸びています。その分,振り返ると立山連峰や剣岳,越中沢岳などを背景に,歩いてきたルートがよく見えて気分良く歩けます。また,左手には常に赤牛岳から水晶岳へと続く尾根道が見えます。これも良い眺めです。2,832メートルピークには07:06に到着。ようやく,北薬師岳が迫ってきました。山頂近くにも雪が残っています。 ・ 北薬師岳山頂には,07:25に到着しました。スゴ乗越小屋を出発して約3時間かかりました。ここで15分休憩。山頂標識の少し先からは,残雪の金作谷カールが一望できます。その上部には堂々とした実に立派な薬師岳山頂が見えます。左手に雲ノ平の高原台地が広がり,その先には,槍・穂高連峰も見えました。 ・ 北薬師岳から薬師岳までは,結構険しい岩場のアップダウンがあります。足を踏み外さないよう慎重に歩いて,薬師岳山頂には08:46に到着。北薬師岳から65分かかりました。山頂は広く,多くの登山者が休憩していました。ほとんどは,太郎平から登ってこられたようです。スゴ乗越から歩いてきた登山者はごく少数のようです。山頂では,写真を撮ったり,フルーツゼリーを食べたりしてのんびり40分も休憩しました。天気は快晴。雲一つありません。この天候を神様に感謝しました。 ・ さて,いつまでも休んでも居られないので,09:25に山頂をあとにします。眼下には太郎平小屋や折立への登山道まで見えています。すぐ下には真新しい薬師岳山荘。薬師岳山荘で飲み物を購入して少し休憩。そのあと,太郎平へと下ります。途中,大きな雪渓を歩き,その先で薬師平に出ます。このあたりから,風もなく猛烈な暑さ。このあとは沢沿いの下り道となり,冷たい沢水で顔を洗ってすっきりします。 ・ 薬師峠にあるテント場には11:17に到着。そのまま登り返し,太郎平小屋には11:43に到着しました。トイレをすませ,お昼を食べようと小屋を覗くと「生ビール千円」とのこと。小屋前のテーブルでラーメン&生ビールの昼食としました。目の前には薬師岳の大展望。なんという贅沢。 ・ 食事のあとは,折立までの下り道をコースタイムどおり,のんびり3時間かけて下りました。とにかく暑く,日陰のたびに休んで水分補給。折立登山口では,自動販売機でジュースを買い一気のみ。クルマに置いてあるアルコール検知器で呼気をチェックすると,予想どおり表示は「0」。生ビールのアルコールはすっかり消えていました。このあと,バイク回収に立山駅へと向かいました。 |
予約できる山小屋 |
立山室堂山荘
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写真
感想
・ 今シーズン最初のテント山行は,まだ行ったことの無かった北アルプスの五色ヶ原を訪ね,そこからスゴ乗越を越えて薬師岳へと続く縦走コースを歩くことにしました。
・ 昨年,海の日の3連休を利用した南ア縦走のときは,テント場が大変混雑したので,今回は夏期休暇を取得し,連休前日の15日から歩きましたが,これが大正解。
・ テント泊した五色ヶ原,スゴ乗越ともに,テントは8張りと少なく,静かな夜を過ごすことができました。
・ しかも,天気は最高。奥黒部の山々の素晴らしい展望を楽しみながらの山旅となりました。
・ ただし,今年の五色ヶ原はまだ残雪が多く,テントサイトの多くが水に浸かっていて使用できない状況でした。
・ テント場周辺の高山植物もまだこれからという状況で,百花繚乱とはいきませんでした。
・ 先日の台風の雨で,雪はかなり溶けたと思いますが,宿泊予定の方は事前に小屋に確認したほうが良いと思います。
・ それにしても,写真でも分かるように,室堂山からザラ峠の変化に富んだアップダウンや雪渓歩き,鳶山や越中沢岳からの素晴らしい展望など,想像していた以上に楽しい縦走コースでした。
・ また,北薬師岳〜薬師岳〜太郎平の展望も素晴らしいですね。7年前に薬師岳に登頂したときはガスで周囲がよく見えなかったのですが,晴れると北アルプスのほとんどすべての山が見渡せるのですね。今回は特別天然記念物であるカールもじっくりと見ることができました。
・ 移動は今回も得意の「バイク作戦」でしたが,折立発15:10の最終バスを利用すれば,クルマだけでこのコースを歩くことができます。皆さんもいかがですか?
・ なお,写真は,スライドショーでご覧いただくことを前提に編集しました。どうぞスライドショーでご覧下さい。
龍王岳付近から望む立山連峰の動画
鳶山の山頂直下から奥黒部の山々を望む
薬師岳山頂からの動画
rikimaru様 こんばんは。
スライドショーで写真拝見させていただきました。
3日とも青空がのぞく梅雨明け直後の最高の天気。
うらやましい。
明るい日差しをあびた花の写真ひとつひとつが見事です。
オートバイデポだけでなく、写真撮影も学ばせてもらうことがたくさんあります。
aonuma1000 さん コメントありがとうございます。
今回の山旅は、期待した以上の素晴らしい展望に恵まれ、とても満足できました。機会があれば、是非どうぞ。お薦めですよ。
ところで「様」は困ります。せめて「さん」くらいでお願いします(^^;)
バイク活用は、登山ルートの選択肢をとても広げてくれますね。今後とも、バイクを活用して、ピストンでないルートでの山行を楽しみたいです。
それから、写真について、お褒め頂き恐縮です。
マイクロフォーサーズ規格のパナソニック製G1&G2に45ミリマクロ&9-18超広角ズームを着けて、首から2台ぶら下げて縦走しました。
撮りたいときに、時間をかけず、すぐに撮影できるのが良いですが、結構、注目を浴び、ちょっと恥ずかしかったです。
またどこかでお会いできることを、楽しみにしております。
こんばんは、rikimaruさん
「様」とお呼びしなくてよろしいのですか。
なにかすみません。
G1&G22台常備、撮影可能状況にしておくとは
凄いですね。
超広角領域のレンズは確かに山行では使い勝手が
良いことでしょう。
私の利用しているのは広角域が足りず、
何か物足りない構図になってしまいます。
参考にさせていただきます。
ちなみにフィルターは偏光フィルターを利用しているのでしょうか?
aonuma1000 さん
マイクロフォーサーズは、小型軽量なので、首から2台下げても負担はあまり感じません。
9-18ミリ超広角ズームは、35ミリ換算で18-36ミリとなり、風景撮影にはもってこいの画角です。山岳撮影には超広角は必須だと思いますね。
また、超広角レンジだけでは、パンフォーカスばかりで味わいが出ませんので、大口径の中望遠レンズも必要ですね。さらに、遠景用の望遠レンズも時々使います。
ところで、円偏向(C−PL)フィルターは今回は使用していません。超広角レンズでは、色むらが出てしまうことが多いので、最近は使っていません。
参考までに、C−PLを使用した撮影は、こんなところです。色むらが気になると思います。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-89861.html
社山の見てて、あなたのこのレコに、そうしたらお友達のAoさんがコメしてて・・・
そんで私もついでに・・・
いいお写真ですね
カメラもこってるのかな。私は不勉強で、それにこまめなレポート、仕事上の癖ですか?なんて、しつれい!
でも読む人にはとても参考になりますよね。
百名山も88とか。まだ若いからうらやましいですね
このコース10年以上前に歩きました。五色から薬師の肩まで一日で歩いた時には、へばりました。
また歩きたいです。
hagure1945 さん
コメントありがとうございます。
3月は忙しくて、しばらくログインしていなかったので、コメント頂いたことに気付いておりませんでした。
写真には少々こだわりを持っていますので、お褒め頂き、とてもうれしいですよ。
ところで、この縦走ルートは、とても眺めが良く驚きました。天気も良かったので、そこそこ良い写真が撮れたことに満足しています。
五色ヶ原から薬師まで1日で歩かれましたか!
すごいですね。私にはとても無理です。
これからも、山歩きを楽しみましょう!
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