念願の剱岳!そして立山三山へ


- GPS
- 18:08
- 距離
- 26.1km
- 登り
- 2,515m
- 下り
- 2,496m
コースタイム
- 山行
- 2:50
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 3:09
- 山行
- 7:02
- 休憩
- 3:04
- 合計
- 10:06
天候 | 3日間とも晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
別山尾根ルートは本当にきちんと整備されています。見た目はスリルのある高度感ですが、岩場の基本をしっかり守れば問題はないと思われます。されど油断は禁物です。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
今回は念願の剱岳へ。そして立山三山も縦走して来ました。
ただの富士山への付き添いから始まった登山もいつの間にやら7年目の趣味になり、100座近い山々に登るという当初には想像もつかなかった域まで達した感があります。一昨年に穂高岳、昨年には槍ヶ岳を登頂と段階を踏み、今年はとうとう剱岳に挑戦するという一つの区切りを向かえる山行となりました。
今回は立山に登拝することもあり、里宮から辿る正式参拝を踏襲するような形を取ることに。
まずは前日に立山町岩峅寺を訪問。映画『点の記』でのロケに使われた駅舎に降り立ち、数分歩いた場所にある立山雄山神社の里宮にあたる前立社壇を参拝。その帰りには、社の袂を流れる常願寺川から石を2つ拾い山頂に持っていくという習俗も真似る。
登山1日目。
朝7時、富山市内の宿を出発し、まずは電車でかつて神仏習合の信仰拠点だった芦峅寺へ。神道色の中宮祈願殿、仏教色の閻魔堂をそれぞれ参拝。そこから太陽が照りつける中1時間ほど歩いて立山駅に。タイミングよく直ぐにケーブルカーに乗車して美女平へ。そして満席のバスに乗り移り、称名の滝をチラ見し、弥陀ヶ原を縫うようにして上がって行き、昼前に室堂に到着。目の前には立山の雄大な景色が広がる。剱岳の方は雲が立っていて見えず。連休明けだが、さすが人気の観光地だけあって、なかなか多くの人で賑わってる。
軽食を取りながらいきなり上がった高度に体を慣れさせ、12時半登山開始。まずは遊歩道を観光客に混じって辿り、みくりが池、地獄谷を巡りながら雷鳥沢へ下る。雪解け水で冷たい称名川を橋を渡ると、ようやく本格的な登山道に入る。しばらく行くと雪渓に出る。斜面も緩やかで道筋もしっかりしているので、キックステップで問題なく抜ける。そこからはひたすら九十九折のガレ場の急登。途中までは気温も高くて息喘いでいたが、ようやく半分ほど上がった頃から涼しい風も出てきて、花を見る余裕も出てくる。特にチングルマが沢山咲いていた。
1時間半後、別山乗越に到着。ここでやっと剱岳とご対面。初めてこんなに近くで見るが、とにかく厳つい存在感に圧倒される。
そこから長い剱沢を下り、疎らなキャンプ場を抜けて今日の宿の剱澤小屋に到着。とりあえず有名な「岩と雪の殿堂」の標識と真正面の剱岳との写真を撮る。宿泊手続きを済ませると、
オーナー自らの剱岳踏破の丁寧なレクチャー。とても有り難い。夕方、沢の上空はピンク色に染まる。明日への興奮を抑えながら早目に就寝。
登山2日目。
荷物を少し軽くして朝5時、いざ剱岳へ出発。先発している人の姿が山肌に見える。まずは雪上を歩いて剣山荘に。建物の裏から登り始める。一服剱までは鎖場もあるがごく普通の上り。とりあえず一服剱で一服。影剱も見える。
一服剱から前剱までは、ザレ場とガレ場の混合の道で鎖場もあり、いよいよ厳しい顔を見せ始める。斜度もかなりエグい角度である。前剱からは眼前に岩峰が巨人のように立ちはだかる。
前剱の先から鎖場らしい鎖場が続く。ブリッジを渡り前剱の門のトラバースと降り、平蔵の頭の上り降り、平蔵のコルのトラバース、そしてご存知のカニのたてばいの上り。それなりの高度感はあるが、足場もしっかりしているので気を抜かず基本的を守れば問題はない。平蔵谷の雪渓を眺める余裕もある。
たてばいから20分ほどガレ場を登れば、ようやく山頂に到着。まずは頂上の祠に常願寺川の小石を供えて参拝。それから、天候にも恵まれた念願の剱岳山頂からの眺めを楽しむ。360度の展望、近くは立山、後立山連峰、白山が見え、槍ヶ岳らの北アルプス、戸隠方面、遠くには富士山の頭もはっきり見える。本当に素晴らしい。30分ほど補給しながら至福の時を過ごす。ちなみに『点の記』の三等三角点もしっかり確認。
名残惜しさを感じつつも、下山を開始する。ガレ場を戻ると、下り道に入り早速カニのよこばいのトラバースが現れる。一瞬取っ付きにくさを感じるが、丁寧に足の置き場が赤ペンキでうってあるので右足を下ろしてから慎重に進む。その先は鎖、鉄ハシゴで一気に降る。
登っている時から感じていたことだが、やはり下りの方が俄然厄介である。降りの鎖場が点々と続き、初めはガレ場、前剱からはザレ場も混じる急斜面を浮石、落石に注意しながら時間は掛かるが慎重に下る。一服剱まで着くと一安心。振り返ると岩壁。よくもこんな所を下って来たかとつくづく思う。小屋まではもう一息。花を見る余裕も出てくる。岩山のイメージだが意外なことに花の種類も数も多い。
ほどよい疲労感とともに小屋に到着。前日と同じアングルの立派な剱岳が目前だが、今日は達成感で完全に圧倒されることはない。小屋で荷物をピックアップしつつ、名物の鍋ラーメンを頂く。疲れた体に本当に美味しい。
昼前小屋を後に、剱岳の真向かいの立山三山の別山へ向かう。今日の行程は立山の中ほどに立地する内蔵助山荘までなので、時間的にはかなりの余裕がある。ゆっくり剱沢を登り、分岐からの急斜面はキツイが息を切らすこともなく上がる。
別山に到着。祠に参拝後、少し先の北峰に進む。そこからは剱沢を挟んで真正面に剱岳と対面が出来る。そこで暫しうたた寝するというムダに贅沢な時間を過ごす。
小1時間ほど過ごした後、山荘へ向けて開放感のある稜線の道をなだらかに下り上りする。午前中とは打って変わってののんびりムードが漂う。真砂岳の山頂からは、室堂と弥陀ヶ原が箱庭のように眺められる。
15時過ぎ、今日の宿の内蔵助山荘に到着。時間があるので小屋の東の先にある展望地へ。後立山連峰を黒部峡谷を挟んで望め、眼下には黒部ダムが見える。剱岳も八ッ峰方向から眺められる。夕食後には、また真砂岳に行って美しい夕日を堪能する。
登山3日目。
3時40分、行動開始。 ヘッドライトをつけて真砂岳、富士ノ折立を進むうちに、段々と空が白んでくる。周りが赤らんできた日の出時間の直前、立山連峰最高峰3015mの大汝山に到着。岩場の山頂で鹿島槍ヶ岳の先の雲海から上がる御来光を拝む。
しばらく朝日に照らされる景色を眺めた後、いよいよ雄山へ向かう。割とゴツゴツした道をしばらく進むと、立山雄山神社峰本社の境内地へ。500円を納め手続きをして頂上社に上がると、神主さんに御祈祷して頂く。もちろん2つ目の小石も山頂だという岩の脇に供える。御朱印もいただき無事登拝完了。
社務所で配られた鈴を鳴らしながら雄山を下り始めるが、ここのガレ場の急斜面が思った以上になかなかハード。剱岳の下り同様、浮石、落石に注意して慎重に下る。
やっと約300mの比高差の一ノ越まで下ると、すぐさま三山最後の浄土山へ登り返す。この辺りから先は、ライチョウの目撃多数地帯らしいのだが、雰囲気だけ醸しつつ結局発見出来ずじまい。浄土山山頂一帯は、軍人霊碑の不思議な石垣があったり、他の山とは違いハイマツ、高山植物が多い緑溢れる柔和な印象。三山縦走も無事達成。
ゴールの室堂へ向かう。が、浄土山から下り、柔和なイメージから一変、またもガレ場の急斜面のハードモードに突入。比高差約400mあるので当然といえば当然なのだが、最後の最後まで気の抜けない展開に。約1時間後、やっと人の溢れる室堂に到着し山行が無事終了!
室堂からの帰路は、立山黒部アルペンルートで信濃大町へ。途中、稜線上から眺めていた黒部ダムを観光し、今度は逆に立山を見上げる形に。ちょっと不思議な感覚。
信濃大町では、以前から気になっていた大町山岳博物館に立ち寄る。後立山連峰中心のなかなか興味深い展示。
3日間の余裕ある行程もあってか、びっくりするほど疲労感や筋肉系のダメージも少ない山行でした。もしかしたら、念願の剱岳に登ったテンションがそうさせていたのかもしれません。
今回の山行で、とりあえず当初漠然と目標としていた富士山、槍ヶ岳、穂高岳、剱岳を完遂して一区切りついた感があります。しかし、この7年間で登山が立派な趣味となり、経験、知識が増えるにつれて新たな興味や気持ちが湧いてきたのも実感しています。きっと尽きることはないでしょう。これからも心身共に続く限りボチボチ登って行きたいと思います。
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