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Yamareco

記録ID: 213927
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲信越

北岳〜農鳥岳縦走

2012年07月26日(木) 〜 2012年07月29日(日)
情報量の目安: B
都道府県 山梨県 静岡県
 - 拍手
okura165 その他4人
GPS
50:01
距離
21.9km
登り
2,271m
下り
2,910m
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2012年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
タクシー 自家用車
奈良田温泉から広河原までタクシー利用(17,000円)
コース状況/
危険箇所等
登山道はザレ場や石がごろごろしている箇所が多いが良く整備されている。
大門沢の下降点から大門沢小屋までは下りの連続。小屋から奈良田の休憩小屋までは渡渉地点が数か所あり、増水すると橋が流されて危険なので雨の翌日は要注意。
営業小屋では水は400円だった。白根御池小屋と大門沢小屋の水は無料。しかし水場が多いので水にはあまり心配ない。農鳥小屋のトイレは未確認。肩ノ小屋のトイレは思ったより臭わなかったが、大門沢小屋のトイレはいただけなかった。
農鳥小屋に「農鳥岳を9時から10時の間に通過すれば楽勝で奈良田に下山できます」と書いた紙が貼ってありとても心強かった。

感想

「元気なうちに登りたいから付き合ってほしい」と知人から言われ昨年の初夏に行く予定だった

南アルプス「白根三山」縦走。度重なる台風で林道が通行止めになり結局計画倒れになったのだが、今年なんとかリベンジとなった。

初日は奈良田まで行き、広河原まで路線バスを利用して、白根御池小屋まで登って宿泊の予定だった。ところが途中で道を間違えたり、高速道路の工事渋滞にハマッたりで最終の路線バスに間に合わず、タクシーを頼んで広河原へ向かう羽目に。ここで4000円で済むはずが17000円の出費となった(汗)。

 広河原からの登りは鳳凰三山へ登る青木鉱泉からのと似ていて案外きつかった。予報どおり天気もよく、休みを入れながらも予定時間内で登れたのは良かった。小屋について受付をしてたずねると、今夜は一人1枚の布団で眠れるらしい。ちょっとほっとした。 夕食時に生ビールを1杯いただく(美味)♪


2日目、快晴。朝食5寺。出発6時 半。当初は草すべりコースを行く予定だったが、せっかくだからと右股コースから花見をしながら登った。二股から八本歯のコルが見えた。雪渓が尾根まで続い ており、そこを登っていく登山者が数名いた。草すべりコースと合流した辻で、八ヶ岳がよく見えた。案外近くに見えるのでびっくり。1本 入れて再び登りだし、小太郎尾根分岐へ出る。風が冷たく心地よかった。雲ひとつない晴天下に緑色の山容が輪郭をあらわにして美しい。尾根の先には甲斐駒ケ 岳、西には仙丈ヶ岳が良く見えた。尾根をいくらか巻くように登山道が続いている。下から見上げたとき登山者が見えなかったのはそのせいだったかと確認す る。


北岳肩の小屋へ到着。あまり人が居ないと思ったが、北岳方面から学生らしい団体が降りてきた。その後も思ったより大勢の登山者がやってきたので昼食をとりいよいよ北岳へ登りだした。小屋から山頂まで50分。3193mの山頂はやはり高度さを感じて気持ちが良い。心配した高山病はほぼ問題なかった。山頂から北岳山荘への下りはガレ場で油断すると滑落しそうなので慎重に降りることにした。向こう側から団体がきたので安全そうな位置を見つけては譲り合い、マイペースで下る。北岳山荘には14時10分に到着。今夜はひとつの布団に2人だそうだ・・・・。1Fの部屋に入ると荷物を置くスペースもなく布団が並べられ先客が横になって休んでいた。更衣室があったので着替えを済ませ、外のベンチで団欒。夕食は18時(この日は夕食時間が5回だった)。

 夕日があっという間に沈んで先ほどまでの暑さはいつの間にか落ち着き、夕暮れが静寂と涼と安らぎを与えてくれた。部屋の中は蒸し暑く布団も毛布も掛けずに朝方まで寝たり起きたりの繰り返しだった。午前3時半、周りの雑音と暑さに我慢できずに起床。


3日目、 4時頃、身支度を済ませ長袖シャツのまま外へ出てみた。ヘッデンは必要のない明るさでそろそろと東の空に日が昇ろうとしていた。メンバーも起きたので朝ごはんのお弁当を受け取り身支度を整えご来光を改めて拝む。4時55分日の出。すこし雲が多い。遠くの富士山もバーコードみたいに見える。昨日は小屋に着く前に雷がなった。今日はすこし早めに雨になるかもしれない。そんな事を頭に入れて出発した。

 小屋からゆっくり40分程度で「中白根山(3055m)」に到着。さらに1時間で「間ノ岳」(3189m)に着いた。その先は1時間下って農鳥小屋に。

小屋の前後はテント場になっている。360度展望が良い。振り返ると今しがた下ってきたザラザラした登山道が見える。西にトラバースする道もよく見えた。再び登って西農鳥山頂を巻いて農鳥山頂へたどり着く。山頂は広くはないが平らである。時間は9時20分。ここを10時までに通過すれば楽勝で奈良田へ下山できますと、農鳥小屋の売店に張り紙があったのを記憶していたので、どう転んでも予定時刻には間に合うと信じ大門沢下降点へと下っていった。


下降地点は平らで広場になっている。昔ここで縦走中の方が遭難死されたそうで、鎮魂の鐘が建てられてあった。


 下降点には太いロープがぶら下り、いきなりの急降下であった。想像したよりはマシなくだりだったが、ロープやはしご、急勾配のくだりの連続であった。早川が見えてからは、川を左手に林の中をだらだらと大門沢小屋まで2時間以上歩いた。

 お昼休みを兼ねて大休憩。300円払って飲んだアップルジュースが冷たくて美味しかった。

大門沢小屋のトイレはいただけないが、温水シャワーがあるのは宿泊者にはうれしいかもしれない。ただし有料で15時30分からしか使えないようだ。

 小屋の洗面所の飲料水は無料だというので、まだ残り1リットルはあるが万が一のためペットボトルに入れて最後のくだりへ。

 小屋から少し下がって川に出て、何箇所かの渡渉をしながら、手作りのつり橋を渡ったり、東電のつり橋を渡ったりして休憩小屋へ着いたのが15時50分だった。

 ここから先は舗装道路なのでおしゃべりをしながら第一発電所まで歩いた。16時15分。

とうとう今回の縦走は終わりを告げた。携帯がやっと通じて今夜の民宿へ電話を入れる。

 私たち以外にも下山してきた4~5名が居て、聞いてみたら皆同じ「えびなや」だった。


民宿に行く前に一旦、駐車場で降ろしてもらい有名な「女帝の湯」で3日分の汗を洗い流し、民宿に着いたのが18時過ぎ。下山連絡を入れて夕餉の時間となり夫々に反省したり感動した事を話し合ってビールで乾杯。ひとつの布団に大の字になって爆睡したのはご想像のとおり(笑)。


  今回お付き合いで白根三山を歩いてみてわかったのは、思ったより登山道は整備され歩きやすく、またシーズン中なら女性一人でも小屋なりテント泊なり出来る 山だったのでもっと早く来れば良かったと思った。南アルプスの山は北とは違う山の大きさと深さ、豊かさを感じた。すばらしい山だった。山頂に立ち、周辺の 山を見るたびに「そこへ行きたい」と思わずに居られない美しい山容だった。誘ってもらった事に感謝しきりである。

最後に一つ・・・
残念だったことがある。

参加者のうちの1名が歩きが遅く、初日で1時間、二日目で2時間の遅れで到着した。このままでは明日の行程は無理ではないかとCLからの意見と当事者と男性3名の話し合いと周りの登山者の話を聞いて参考にした結果、CLと私と知人の女性3名が農鳥小屋〜奈良田をめざし、残りの男性が八本歯のコルの雪渓から広河原に下山し、奈良田へ戻るということになり、グループが分かれてしまったこと。
もともと私はどちらでも良かったので一緒に広河原へ下山しても良かったが、CLの強い意見でCLについていくことになったのだが・・・

今回は全員が無事に下山して温泉で合流できたからよかったけれど、歩調の合わない男性1名に付き添って下山してくれた方には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいである。

去年から今年のためにそれぞれにトレーニングを重ねてきたのに同じ時間で歩けないというのはちょっとどうかとも思った。その方はいったんは断ったのに今回参加するというので当然それなりに歩けるものと思っていたが・・・・
「おれはマイペースで勝手に歩くから気にしないでくれ」と言われてもグループとしてきているわけだから放っていくわけに行かず・・・なのに。
とにかく我が強く話を聞くような人ではなかったのを同行の男性がなだめながら一緒に歩いて北岳山荘まで連れてきてくれたのだが・・・

事前にその人と山を歩く予定だったが、それも断られ当日までその人がどういう歩き方をするのかを把握していなかったのにも原因はある。

ハイキング程度の山であれば多少遅れても問題はないけれど、3000mを超える山を縦走するのにはある程度同じレベルで歩けないと予定通りには下山できず、危うく遭難にもなりかねない。
実際、CLの携帯は農鳥山の下山時で電池切れ、同行の女性の携帯はauで初めから不通で使えない。最終的に替えの電池を持って登った私のスマホで下山時に民宿や別行動した仲間に連絡することになったのだから。

それから、山での飲酒。これは特に気を付けよう。
CLが気分が良かったのか2日目の夜に酒を飲みすぎて3日目は朝から体調不良で、弁当も何も食べられないほど辛かったらしい。まあ、後ろから見ていて「おかしい」とは思ったが。

高所での飲酒は周りが早い。節制しないとそういうことになってたとえ安全な登山道でもしっかり歩けないと怪我をすることにもなるし、下山予定時刻までに下山できない可能性も出てくる。

ほかにもちょっとした事があったが、とにかく縦走とか難しい山を歩く仲間は
気心が知れている事、山の実力もわかっている事も大切であるが「安全第一」を心がけてその先を予想して行動できる人、無理をしない人、仲間を置いてけぼりにしない人と楽しく行きたいと改めて考えさせられた山行だった。

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コメント

ゲスト
いいなぁ
真夏の南アルプス縦走、なんて羨ましいのでしょ (*^^*)
3千m級の尾根道、歩きたいなぁ〜。
2012/8/11 8:27
Re: いいなぁ
ゲストさん、いつか縦走を楽しめると良いですね
2014/9/16 17:07
daiさん
山は逃げませんから^^;
2012/8/16 16:52
Re: daiさん
遅レスでごめんなさい(^_^;)
山は逃げないけれど体力が・・・汗
2014/9/16 17:06
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