北穂高岳北峰


- GPS
- 15:13
- 距離
- 34.0km
- 登り
- 1,687m
- 下り
- 1,763m
コースタイム
- 山行
- 4:51
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 5:30
- 山行
- 8:11
- 休憩
- 1:29
- 合計
- 9:40
天候 | 2日間とも晴れ!! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
本谷橋を過ぎて雪渓が出てきます。涸沢までは滑り止めなしで行けました。 涸沢から北穂高岳まではしっかりとした登山靴と前爪のあるアイゼン、ピッケルが必要です。 高所恐怖症の方にはタフなコースです。 |
予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
写真
写真の中央に点のように見えている先行している男性。タンクトップにジャージズボンに長靴で爆速で抜き去っていった。カッコいーなーと思っていたら涸沢ヒュッテのスタッフさんでした。
装備
個人装備 |
Tシャツ
カッパ上下
スポーツタイツ
半ズボン
靴下
アウター手袋
ダウン
ゲイター
着替え
冬用登山靴
トレランシューズ
30lザック
トレランザック
アイゼン
ピッケル
行動食
非常食
飲料
ライター
ヘッドランプ
モバイルバッテリー
スマートフォン
サングラス
カメラ
|
---|---|
備考 | 冬靴は本谷橋過ぎるまでザックの中へ。それまではトレランシューズで行きましたが、とても快適でした! 北穂沢上部はピッケルが2本あると良さそうでした。 薄手のインナーグローブを忘れました。 |
感想
前日に友人と行くはずだった北穂高岳。
天気予報が芳しくなかったので中止にしましたが、どうしてもこの時期に行きたかったので翌日にソロで行くことにしました。西村くんごめん!!!
驚いたのは人の少なさ。
梅雨入りしたこの時期って毎年こんな感じなのでしょうか。
往きのバスは5人で、バスターミナルも閑散としていました。
しんどい記憶しかなかった林道歩きですが、上高地から涸沢までを往きで通るのは初めてでしたので、初日新鮮な気持ちで楽しく歩くことができました。
フォローさせていただいているalsoさんのレコで、よくアプローチシューズやトレランシューズを使って林道歩きをするのを目にしていまして、僕もすぐ足の裏や爪先が痛くなるので真似をしてみようと思い、林道歩きをトレランシューズにしてみました。
これがとてもよい塩梅で、ザックが重くなるのを差し引いても、とても快適でした。圧倒的に歩きやすくなるので早く歩けますし、足の裏が痛くならず、疲れにくいと感じました。
今後はこのスタイルをデフォルトとします。
涸沢ヒュッテは思ったほど時間がかからず昼前に到着しました。
とても良い天気で風もなく穏やかな中、貸切のデッキでビールを飲みラーメンを食べ、持参したお酒を飲み酔ったまま昼寝をしたらあっという間に夕食の時間。
当日小屋に泊まったのは僕の他10人ぐらいの団体さん1組とソロの男性1人のみで、コロナ感染対策なのか、大きなテーブルに1人分の用意があり、そこで晩御飯をいただきました。
数年前に夏泊まった時食べた食事よりもずっと美味しいと思いましたが、僕も友人たちと一緒に食べたらもっと美味しかったのだろうなと思い、少しの寂しさを感じながら1日を終えました。
二日目。久しぶりに高所恐怖症を味わう。
以下、同じルートを登られた方は何を大袈裟に盛ってるのかと思われるかもしれませんし、同じような感想を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
長くて恐縮です。
雪が硬いうちに登ろうと思い、日の出前にスタートします。
小屋の外に出ると、デッキで身支度をするテント泊のソロのお兄さんがいます。どっちに行こうか迷われているとのこと。どっちとは奥穂高岳か北穂高岳か。また北穂高岳に登った場合は下りの雪が怖いので北穂から奥穂に周回して降りることなど色々考えているようでした。
僕はあまり深く考えずに北穂をピストンしようと思っていましたが、よくよく考えたら雪の急坂を登った後に降るのは確かに恐ろしいとその時初めて考えました。
時間的にメンタル的に考えて北穂から奥穂の周回は僕にはないなと思いましたが、奥穂ピストンという選択肢は確かにある。
下から見た雪の壁は北穂の方が高く見えます。
なんだか北穂に行くのが恐ろしくなってきました。
まあ、無理だったら引き返そう。
でも、引き返すことがそもそも恐ろしい場合はどうすればよいのか。
ここで?涸沢ヒュッテで撤退?
奥穂か?
いやいやいや。。
一旦考えるのをやめて身支度を整えていたら不思議と落ち着いてきました。
とにかく北穂に向かってみよう。
お兄さんには「ちょっくらいってきます」と伝えて歩き始めました。
まだ薄暗い中歩いていくとますます気持ちが落ち着いていきました。
黙々と歩いて中間地点のガレ場で休憩しました。
気持ちが落ち着いたと言っても写真を撮る余裕は無く、ここまで目線を下に向けることも恐ろしかったので、ザックの中にカメラをしまいました。
ここからはピッケルの先の方を持って雪面に刺しながら這い上がっていく感じ。これが標高差で300mくらい続きます。トレースがあるのでありがたく辿っていきましたが、インゼルという岩を過ぎた頃、そのトレースが奥穂方面にググッと水平方向にトラバースしていました。斜度も多分マックスの地点。失敗したら死ぬ場所です。
一瞬血の気が引いて「マジか」とひとり呟きましたが、雪は締まっていてピッケルとアイゼンの感触も良好なのでいけるはず。
緊張で汗が吹き出し、手袋の中がびちょびちょでサングラスの内側におでこの汗がぼたぼた落ちる中トラバースをやり過ごし、その後なんとか山頂まで辿り着けました。
北穂の小屋には前日に登ったソロの男性がいらっしゃいました。ルートを間違えたと言ってました。トラバースの箇所は直登が正解だったと小屋の方に言われたそうです。
その男性が登った時は前日の雨でトレースがほとんど消えていました。午後で雪が緩んで登ってはズルズルと下がりを繰り返し、ルートを探りながら涸沢から半日かけて北穂まで登ったそうです。
装備は泊まりの荷物一式の大きなザックで。
僕はその男性のトラバースのラインに沿って、水とカッパだけ小さなトレランザックに入れて上がってきました。
なるほど。
今回自分の未熟さがわかりました。(冬の八ヶ岳を登ったぐらいのヒヨッコが気軽に登れる山ではない。)
しかし、ともかく登って降りられたことは一つ良い経験になりました。
それから、ヤマレコに上がっている記事を読んでわかった気になってはいけないと痛感しました(当たり前ですが、みなさん逐一本当にヤバい場面とか書いていないことありますもんね。遭難しかけたこととか。)
そう考えると今までの自分の登山は幸運の積み重ねで、ひとつ何かのコンディションが悪くなるだけで遭難するんだということもよくわかりました。
なんだか反省記を書くつもりはありませんでしたが1日経って色々思い返すうちに今の気持ちを記しておこうという気持ちになりました。
すみません。
北穂からの下山時、あのトラバースの上の地点で、小屋の前にいたお兄さんが楽しそうにピッケルを2本両手に持ってガンガン上がってきました。何事もなかったようにたくましく軽い足取りで。
「またどこかで会えるといいですね!」と笑顔で声をかけてくれました。
技術も体力も経験も違いました!!
確かに以前奥穂〜北穂〜涸沢カールを歩いたときは、下りのみだったけど、かなりの斜度で以外におっかないと思った記憶が。距離と高低差考えると当然か。怖い経験は次に生きるし、思い出にもなる。※でも命と引き換えにできないね!
北穂小屋泊まらなかったんだね。また何年か後にいこう!
今年は長野県民割の使える小屋にでもまた行こう。
北穂小屋は前日にキャンセルさせてもらったし、なんとなく気が引けて。
いい小屋だったよ。小屋の方もとても親切だったし、声かけてくださって。夏に泊まって生姜焼き食べさてもらいたいな。
でも結果的に早朝に登ってホントに良かった。体力的にも、雪のコンディションも。
泊まり、また行こう!!
雪面の急な斜度の登降は、腹ばいで蹴り込みながらアックス両手持ちで肩口あたりに刺しつつだと荷重分散で安定した。アックス、ひじ、膝、アイゼンつま先に荷重分散、と以前濃霧・暴風雪で直立できない中、岐阜のお兄ちゃんが教えてくれた。ズルっとこないんだね。
この季節いいよね。時々5月〜6月前半くらいで山頂キャンプしてるけど、誰にも合わない。仙丈・甲斐駒・将棋頭。富士山、経ヶ岳もシーズンオフだと人に合わない。
またどこか行こう!
ホント山空いてて快適だった。
また誘うね。
途中、雪が薄くなり下が水が流れ落ちている部分を踏み抜き、這い上がったとたん少し滑落し怖い目にあいましたが何とか無事下山しました。またどこかでお会いできるといいですね。
山頂ではありがとうございました!ご迷惑だなんてとんでもございません。トレースがあったから山頂まで辿り着けましたよ。あのトラバース足跡が前向きだったので驚きました。僕は恐ろしくて蟹のように横向きに進みました(笑)
お互い無事帰れてよかったですね♪またどこかでお会いしましょ!!
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