黒部五郎岳・鷲羽岳・笠ヶ岳 〜初秋の北ア名峰を巡る〜
- GPS
- 104:00
- 距離
- 60.2km
- 登り
- 5,168m
- 下り
- 5,155m
コースタイム
- 山行
- 10:08
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 10:49
- 山行
- 8:35
- 休憩
- 1:25
- 合計
- 10:00
- 山行
- 5:40
- 休憩
- 2:53
- 合計
- 8:33
- 山行
- 7:12
- 休憩
- 3:45
- 合計
- 10:57
天候 | 9/10 晴れ→(17時頃から)雨 9/11 (5時まで)雨→曇り/晴れ 9/12 晴れ 9/13 晴れ→曇り 9/14 晴れ→曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
収容台数:200台 トイレ:仮設2基(紙あり) |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆新穂高温泉→鏡平山荘→双六小屋 ・秩父沢の橋から落ちないように注意。 ◆双六小屋→(巻道)→三俣山荘 危険個所なし ◆三俣山荘→黒部五郎小舎→(黒部五郎カール)→黒部五郎岳 ・巻道の途中に雪渓あり。傾斜は緩いが早朝は凍結しているので転倒に注意。 ・濃霧の場合は巻道での道迷いに注意。 ・黒部五郎カールの雪渓には熊がいた。 ◆鷲羽岳 危険個所なし ◆双六岳 ・山頂付近は広大なので濃霧の場合は道迷いに注意。 ◆双六小屋→笠ヶ岳 ・弓折岳からの下りは急でハシゴあり。 ・何ヵ所か切れ落ちている斜面あり。 ◆笠新道 ・杓子平を除き急斜面が続く。滑落・落石に注意。 ・杓子平から笠新道入口までは樹林帯で、道が狭いのですれ違いで譲り合いを。 |
その他周辺情報 | ◆温泉 いつもは「ひがくの湯」に行くが、大混雑していたので回避。 松本市内の「瑞祥」に入った。 ◆混雑状況 平日入山でも駐車場は2割ほどの空き。 下山した日曜日は観光客で大混雑していて、ロープウェー乗り場から路上駐車多数。 |
写真
感想
【9月10日(水)】新穂高温泉→三俣山荘
どうやら我々2人は、2年前から大きくレベルを上げていたようだ。
2年前、新穂高温泉から双六小屋を目指したときは、鏡平で限界に達してしまった。
今回は双六小屋を過ぎて三俣山荘まで行けたのだ。
さて、山行記録を書こう。
4時過ぎに駐車場を出発した。わさび平小屋に着くころには空が明るくなってきたのでヘッドライトを消した。秩父沢で給水し、イタドリヶ原、シシウドヶ原を通って、前回1日目の宿泊地である鏡平に到着。その間の展望は素晴らしく、槍・穂高・焼・乗鞍・笠が「俺を見ろ!」と言わんばかりに山容を見せつけてくれた。
弓折乗越では数日後に向かうことになる笠ヶ岳への登山道を確認し、双六小屋に向かった。
双六小屋付近では冷たい風が強くなったが、北に見える鷲羽岳が「ここまでおいで」と言っているような気がしたので、予定を変更して三俣山荘まで歩くことにした。
風は南から吹いていたので、三俣山荘への巻道に入ると弱まった。巻道と言ってもアップダウンのある、決して楽ではない道だった。マイペースで歩き、15時頃に三俣山荘に到着。その頃には曇り空となっていて気温も低下していた。雨が降りそうだ。
16時に夕食を済ませ、片付けをしていると雨が降り出し、19時頃には雷雨となった。もはや外に出る気もないので、明日は晴れると信じて就寝。
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【9月11日(木)】三俣山荘→黒部五郎岳→三俣蓮華岳→三俣山荘
前日からの雨は5時まで降り続いた。止むことを信じて準備していたので、スムーズに出発する。予定より40分の遅れだ。山行スタイルは、三俣山荘ベースのアタックザック装備だ。
三俣山荘から巻道で黒部五郎岳を目指す。巻道には雪渓を通過するところがあることを知らなかったが、傾斜が緩いのでゆっくりと通過。
黒部五郎小屋を通り、樹林帯を抜けた先に待っていたのは、かの有名な黒部五郎カールだ。ちょうど太陽の光が岩の陰影を作り出している。
カール内の雪渓上をツキノワグマが闊歩しているのも黒部らしい。カールを登り稜線に出て、岩のゴロゴロ(山の名前の由来)した道を通り、2840mの山頂に立つ。日本百名山50座目だ。山頂はガスに覆われたり晴れたりと忙しい天気だった。北に見える薬師岳は白く輝いていた。
黒部五郎小舎で親子丼を注文。かなり空腹だったのもあり、とても美味しかった。小舎から三俣蓮華岳巻道まで戻り、晴れていたので山頂に向かう。山頂はガスに覆われていたが、時々見える赤牛岳、水晶岳、ワリモ岳、鷲羽岳の稜線は美しかった。
三俣山荘のテントに戻り、夕食のちらし寿司とワンタンスープを食べた。疲れた身体に酢の物は染み入る。19時にテントから出ると星空が綺麗だった。
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【9月12日(金)】三俣山荘→鷲羽岳往復→双六岳→双六小屋
深夜1時、寒さで目が覚める。テント内の気温は4℃。それから3時まで寝たり起きたり。起床して鷲羽岳アタック準備を済ませて4時45分に出発した。テントのフライシートは霜で凍っていた。
鷲羽岳の登山道にヘッドライトの明かりはない。どうやら我々が先頭のようだ。燕岳あたりは明るくなってきているが、日の出はしばらく先。西風が冷たい。周囲の山々のシルエットははっきり見えているので、太陽が出てくれば素晴らしい景色が見られそうだ。
太陽が登ると槍ヶ岳、三俣蓮華岳、黒部五郎岳がモルゲンロートに染まる。
美しい。
鷲羽岳の山頂は誰もいない。独占だ。360度の大展望。北アルプスの名立たる山々はもちろん、遠く富士山まで見渡せる。贅沢な時間を堪能できた。
テントまで戻り、撤収して双六小屋に向かう。晴れているので、予定通り双六岳の稜線ルートを歩くことにした。
槍・穂高には雲が掛かり見えないが、鷲羽、水晶、薬師方面は快晴だ。双六岳登頂時、黒部五郎岳、笠ヶ岳にも雲が掛かっていた。
双六小屋に着いてからも鷲羽岳は見事な羽ばたきを見せてくれていた。
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【9月13日(土)】双六小屋→笠ヶ岳
日本百名山51座目となる笠ヶ岳を目指す4日目。昨日よりも冷え込みは弱く、テントは凍らなかった。4時33分に出発し、ご来光を見るために稜線まで足早に歩く。木道は凍結して滑りやすくなっていた。花見平あたりでご来光を迎えた。
弓折乗越から笠ヶ岳の稜線を歩くのは初めて。笠新道を登るよりは楽だろうと考えていたが、アップダウンが大きく、距離が長かった。笠ヶ岳の登頂に楽な道などないことを知った。
弓折岳、秩父平までは晴れていたが、そこから先は新穂高あたりからの雲に覆われ、笠ヶ岳は見えなくなってしまった。そんな状況でも鷲羽岳は我々を見守ってくれていた。
抜戸岳にも登ったが雲に覆われていて、周囲の名峰は見えなかった。
笠新道分岐あたりからは4日間に溜まった疲労との戦いで、足裏、特に親指の付け根が痛くなってきた。脚を前に出し、笠ヶ岳のテント場に到着。先客は3張だったので、石垣に守られた一等地を確保。
笠ヶ岳山荘ではビールを飲み、それから3時間、暖炉前でまったりした時間を過ごした。早く到着した者の特権だ。実はここで知人(Facebookつながりのみ)を待っていたのだが、なかなか会えなかった。
14時半前に山頂を覆う雲が薄くなってきたので、笠ヶ岳の山頂に向かう。山荘から約10分、笠ヶ岳に登頂。かすかに見える青空を背景に記念撮影。
山荘に戻ると、知人F氏がビールを片手に待っていた。白ワインをごちそうになり、栃木県の山のことなどを話した。明日は同じく笠新道を下るのだが、出発時間が異なるので一緒に歩くことはないだろう。
明日は山行最終日。最後まで油断せずに歩きたい。
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【9月14日(日)】笠ヶ岳→新穂高温泉
いよいよ最終日を迎えた。下山はなんとなく寂しいものだ。
下山前にご来光を待つ。テント場でも、山荘前でも、山頂でも、たくさんの人が日の出を待っていた。
5時34分、南岳付近から眩しい光が我々を照らす。まるで大キレットが2つになったようだ。
太陽を拝み、温かくなったので下山する。
笠新道は長い下り坂。浮石も多く、滑落、転落、落石に注意して歩く。標高を下げていくにつれて気温も上がる。朝の寒さが嘘のようだ。
杓子平から先は樹林帯となるが、正面に見える穂高連峰はどんどん大きくなる。上空ではヘリが旋回していた。遭難事故ではないかと心配になる。
途中、北穂高岳で会ったazu2525さんと出会った。笠ヶ岳を登るとは聞いていたが、本当に会うとは思っていなかったので驚いた。お互いの山行が成功することを願って下山を再開した。
笠新道入口に着いたときは本当に安心した。ここから危険な場所はない。
下山方向とは逆のわさび平小屋に行き、昼食をいただく。そこから下山していくと間もなくF氏に再会した。今度一緒に登ろうかと話して別れ、林道を歩いて新穂高温泉に到着。
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【総括】
いままで山行計画をいくつも書き、その通りになったことは数える程度。3泊を越えるような計画は天候など影響で2泊で下山したりすることがほとんどだった。
今回は計画を越える(鷲羽岳に登る予定はなかった)山行となった。これは、荷物の無駄を省いて荷物を減らし、軽量化に成功したことが良かったと思っている。その結果、期待を大きく上回る展望を楽しめた。
山は、登る前から山に敬意を表し、準備を怠らないことで、我々を快く受け入れてくれるのではないだろうか。これからも山を愛し、同時に畏敬の念を抱くことを誓う。
<小屋のトイレ情報>
わさび平小屋 洋式 簡易水洗トイレあり
鏡平山荘 洋式 バイオ式
双六小屋 洋式 女性専用あり 簡易水洗トイレあり
三俣山荘 和式 女性専用あり 木の香りがする清潔なトイレ。テントの人も小屋の中のトイレを利用
黒部五郎小舎 洋式あり
笠が岳山荘 和式 テン場にはトイレがないため、山荘のトイレを利用するために高度差50m以上の岩場を10分かけて往復しなければならない
depor021さん、 tanyaさん、こんばんは!
記録を見て、昨年歩いた黒部五郎や鷲羽を思い出しました。この辺りの雰囲気は最高ですよね。まさに北アルプスど真ん中。
お二人のレベルアップを山が歓迎してくれたような天気ですね
笠新道でお会いできてよかったです。
またどこかのお山でお会いできることを楽しみにしています♪
azu2525さん、コメントありがとうございます^ ^
数日前に山で会った方に、また違う山でお会いしたのは初めてだったので驚きました。もしかしたら、またどこかの山でバッタリなんてこともあるかもしれませんね。
それでは、今後も良い山行を(^o^)
すみません、あまり時間がなく、ざっとしか見ていません。
興味のあるルートなので、あとでじっくり拝見しますね。
相変わらず、お二人のしょっとは
ごめんなさい!
スマホからですと、誤っては途中で送信してしまうことが、多々あります。
お二人のショットは素敵ですね♪
前回も同じ事言ったかな(笑)
百名山は半分越えましたね!
やはり、100座を目指しているのですか?
ちなみに、自分は70座が目標です。
長い距離、お疲れ様でした。
ayamoekanoさん、おはようございます
今回の山行は自己最高だったかもしれません。天候も、計画も
日本百名山は去年まで意識していませんでしたが、今年は登ったことがない山に多く登りたいと思い、なんとなく有名な山に登るようになりました。完登を目指したいですが、北海道や九州、四国など遠方の山々はいつ登れるか分かりませんね
昨夜もじっくり読ませていただきましたが、
コメントをいれる時間がなくて。。。遅くなりました。
いいお天気でしたね。
景色がすごいキレイ!
山の名前も詳しいんですね。
お二人もスマート!手足が長いのでしょうか?
まるで、雑誌の特集ページのような山行です。
5日間の山行で60キロも歩かれた方に、私のレコを読んで頂き、大げさな自分がはずかしいぐらいでした(^_^;)
ado-yoさん、おはようございます。コメントありがとうございます。
2012年から9月に北アルプス縦走していますが、今回の天気が一番良かったです 山運いいのかも
自分で登った山って、遠くから見ても判別できるような気がします。その時の山行を思い出す感じで。
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