後立山連峰縦走2泊3日(柏原新道〜鹿島槍ヶ岳〜五竜岳〜白馬岳〜蓮華温泉)



- GPS
- 28:32
- 距離
- 45.7km
- 登り
- 5,040m
- 下り
- 4,986m
コースタイム
- 山行
- 4:09
- 休憩
- 1:07
- 合計
- 5:16
- 山行
- 10:00
- 休憩
- 3:47
- 合計
- 13:47
- 山行
- 7:11
- 休憩
- 2:30
- 合計
- 9:41
天候 | 1日目 晴れ 2日目 晴れのちガス 3日目 晴れのちガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
JR平岩駅前の無料駐車場に車を駐車。 信濃大町駅まで電車移動。 平岩6:54→信濃大町8:19(990円) 扇沢までバス移動。 信濃大町駅前8:30→扇沢駅前9:10(1650円) 復路 下山口の蓮華温泉から期間限定の路線バスで平岩駅へ行き、車を回収。 蓮華温泉14:20→平岩駅前15:20(1520円(荷物代含む)) 時刻表は以下参照。 https://www.marukei-g.com/files/libs/6665/202504301418112487.pdf 備考 糸魚川駅を起点にしてルートを組むことも可能。新幹線停車駅なので便利。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
扇沢〜鹿島槍ヶ岳 危険箇所なし 鹿島槍ヶ岳〜五竜岳(八峰キレット) 危険箇所多数 五竜山荘〜唐松岳 一部危険箇所あり 唐松岳〜天狗山荘(不帰ノ嶮) 危険箇所多数 天狗山荘〜白馬岳〜蓮華温泉 危険箇所なし |
その他周辺情報 | 蓮華温泉(内湯・野天風呂)1000円 |
予約できる山小屋 |
蓮華温泉ロッジ
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
地図(地形図)
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
タオル
カメラ
テント
テントマット
シェラフ
ヘルメット
携帯トイレ
|
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感想
7月の3連休。春ごろからどこに行こうかと計画。
今回は子育て中の友人と行く予定。貴重なひとりの時間を3日間も使うなら、いい山旅にしてあげたい。
ということで、前々から温めていた後立山連峰縦走を実行に移すことにした。
まずテント場予約。3連休はすぐ埋まる。冷池山荘テント場は予約開始時間ちょうどにアクセスして確保。
しかし天狗山荘テント場がとれない。次善策として唐松岳山荘テント場は押さえたが、これでは3日間で蓮華温泉まで行くのは無理。
なので決行1週間前から暇を見ては天狗山荘HPにアクセスしてキャンセルがないか確認。結果、運良く2張り確保!
そしてルート。今回は柏原新道から入り、蓮華温泉に降りるルート。
蓮華温泉には野天風呂があり、絶景が楽しめるらしい。下山後すぐに風呂に入れるのも最高だ。
また、アクセス手段を調べた結果、平岩駅に車を駐車すると、電車とバスで綺麗に一周できそう。
ただし、初日と3日目は行動時間が少ないのと、2日目にキレットを2つ通過するので行動時間が長くなる点。これだけは気を付けなければならない。
これで準備は整った。あとは晴れを祈りつつ、実行に移すだけだ。
【0日目】
仕事でトラブルがあって遅くなってしまった。
予定より遅れて21時ごろに合流し、いざ新潟県に向けて出発。(平岩駅は新潟です。)
2人のメリット。疲れたら交代で運転し、睡眠もバッチリ。元気MAXで平岩駅に到着。
【1日目】
電車出発10分前に到着。
すでに駅前には登山客が列をなしているが、どうやら蓮華温泉にバスで向かう人のよう。
我々と同じルートの人はいないっぽい。車掌さんに3日間で縦走すると話をするとビックリされる。やはり3日間では無茶だろうか。。
信濃大町駅でバスに乗り継ぎ、定刻より少し早く扇町駅に到着。少し歩いて柏原新道登山口からスタート。
噂に聞く通り柏原新道は非常に歩きやすい道だった。この道をほぼひとりで作り切ったというのだから恐れ入る。
だが、歩きやすい道、かつ、久しぶりのテント泊装備で、ペースが思い出せず、どんどん飛ばして登ってしまう。
まだ序盤も序盤なのに、筋肉疲労がたまっていく。11時半すぎに種池山荘に到着。コースタイムの6割ペースだ。
ただ、そのおかげか「夏のピザ祭り」の受付時間内(12時)に間に合ったのは幸運。山の景色を見ながら食べる焼き立てピザに舌鼓を打つ。
腹ごしらえをしたらすぐそばの爺ヶ岳へ。
ここで今年初のコマクサと遭遇。さすがは花の百名山に選ばれるだけはある。
他にもチングルマ、シナノキンバイなど、どれも満開!最高の時期に来れたことに感謝。
花を堪能しつつ、今夜の幕営地である冷池山荘へ到着。
事前情報通り、山荘とテント場はかなり距離があり、トイレや売店に行くたびに、息が切れる登りが発生する。展望だけはよいのだが・・・
それでもお酒の誘惑には勝てず、山荘まで降り、ビール(ロング缶)を購入し、乾杯。これのために頑張ったとほっと一息。
明日はキレットを2つ通過する勝負の一日。食事をとって夕日を見ると、早々に就寝。
【2日目】
2時起床。3時出発目標だったが、結局3時20分ごろ出発。
遅れた分少し急いで登り、鹿島槍ヶ岳(南峰)から見る、日の出にギリギリ間に合った。これで100名山の96座目。
今日も一日晴れそうだ。まずは鹿島槍ヶ岳(北峰)を通って、キレット小屋に向かおう。
鹿島槍ヶ岳(北峰)から見たキレット小屋は崖の下にあるような感覚。よくこんなところに作ったと、誰もが思った感想をつぶやく。
ここから「八峰キレット」突入。当たり前ながら危険個所多数。慎重に慎重にを繰り返し、キレット小屋へ到着。
いつか来たいと考えていたキレット小屋。お目当ては「切戸」と書かれたTシャツ。7時の売店OPENを待っていざ買いにいかん、とするも残っているのはSサイズのみ。
どうしようか。。と熟考するも、もう2度来ないかもしれないと考えなおし、Sサイズ購入。果たして着れるのだろうか。。。
とりえあず(?)お目当ては買えたので、行動再開。次に目指すは五竜岳。
しかしこれが辛かった。危ない箇所が多いのもそうだが、とにかく鬼畜な登りが多い。そして陽射しが暑い。
弱音を吐かない友人が、弱音を吐いたのはここだけだ。山頂標識が見えたときは心底ほっとした。
五竜岳に来るのは3年ぶり2度目。
前回は6月末の梅雨の合間の平日だったので、貸し切り状態だったが、今日は大盛況。
しっかり五竜山荘Tシャツ「山が好き、酒が好き」と記念撮影。通ってきた八峰キレットや鹿島槍ヶ岳が一望できる。やっぱりいい山だ。
だが、エネルギーはすっかり底をついたので、早々に五竜山荘を目指して下山。とにかくカロリーを摂取しなければ。
普段の行動中はあまり飲まないコーラを一気飲みし、小屋で買った格安の越冬カップラーメンをかきこむ。
木陰で30分休憩したが、思ったほど回復せず、この先の行程に不安を感じ始める。
とはいえ、動けるまでには回復したので、まずは唐松岳山荘に向け、行動を再開。
正直、五竜山荘〜唐松岳山荘間は大したことがないと思っていたが、全くそんなことがなかった。
とにかく登り返しが多い。そして危険個所も意外とある。そして直射日光と無風で体力が奪われ続ける。
自分的には今回の山行で一番つらい区間だった。唐松岳山荘が見えたときは飛び上がって喜びたいほど(体力なくて出来ない)だった。
さぁいよいよ不帰ノ嶮へ、というところで大休止。今のままじゃ危なすぎる。
山荘で再びコーラ、そして安い越冬ポカリ(300円)を3本購入。今度はα米もかきこむ。
脱水症状もあったのだろう。ポカリが効いたのかはわからないが、一気に回復。腹も満たされ全快。
準備万端で唐松岳へ向かうも時間はすでに14時。あまりに遅い時間なため躊躇するが、天候は少しガスってきたが雨の気配はなし。体力も万全。
なら行くしかないと突入。唐松岳山頂で出会った方に送り出されながら、いってきますと不帰ノ嶮へGO。
ここからは快調。陽射しがガスに隠れて、過ごしやすくなったのも一因だろう。
危険個所は多数あるものの、慎重に、そして順調に通過していく。
流石に核心部の下りにはビビったが、しっかり3点支持を守っていれば問題なし。
一番の問題は"天狗の大下り"の登り。体力がつきかけた終盤に来る300m超の登りが辛かった。
そこを越えると天国。天狗山荘までの緩やかな道とガスがスッと取れて現れる壮大な景色がすごい。
天狗山荘が見えたときはほっと一息。17時過ぎ。なんとか明るいうちにたどり着けた。朝の出来事が昨日のように感じる1日だった。
夜の宴会はもちろんビール。ちょっとお高めなので1本をチビチビやりつつ、テント泊でも使える室内の自炊場で、ぬくぬくと今日の労をねぎらう。
あとは明日、蓮華温泉まで歩くのみ。今日よりは楽な行程のはずだ。
【3日目】
2時起床。3時半出発予定も、結局4時前の出発。
この日は白馬鑓ヶ岳から日の出を拝む予定だが、登っている途中で既に日の出の時間を過ぎてしまっていた。
だが、雲のおかげで日の出の時間がずれたのか、登頂してすぐに朝日が見え始めた。初っ端から運が良い。
山頂は強風。ダウンを着てても寒いほど。そのため、いそいそと次の白馬三山、杓子岳へ向かう。
杓子岳へも結構な登り返し。だが、昨日までで免疫がついたのか登りがそれほど苦痛ではない。
そして最後はこの山旅、最高峰の白馬岳へ向かう。
と、その前に直下の白馬山荘に寄り道。イートインとお土産が目的だ。
流石は白馬山荘。山小屋なのにケーキセットがある。白馬鑓ヶ岳・杓子岳を眺めながら食べるケーキと珈琲は絶品だ。
そのせいで財布のひもが緩んだのか、買うつもりのなかった「白馬らいぞう」Tシャツまで購入。もうすぐ40を迎えるおっさんが着るには可愛すぎないかと思いつつ、気に入ってしまった。
途中ラジオ体操に飛び入り参加したり、たっぷり1時間、白馬山荘を楽しんだ。
そうだバスの時間があるんだった!
白馬山荘を出発してすぐ、白馬岳に到着。
よくここまで歩いてこれたとお互い語り合う。写真を撮りまくり、白馬岳を堪能する。3日間で通ってきた山々は、今や薄っすらとしか見えない。
自分自身、GWの残雪期には来たことはあったが、夏山は初。やはり全然雰囲気が違う。夏は夏でいいなぁ。。
あとは蓮華温泉に向かって降りるだけ。時間もないので、飛ばせるところは駆け足で飛ばす。
あとで気付いたが、小蓮華岳は新潟県最高峰だったらしい。いつかはすべての都道府県最高峰、と思っていたので、もっと堪能しておけばよかったと後悔。
快調に白馬大池山荘に到着。山頂はもうガスっていて見えない。最後の補給をして蓮華温泉までの900mへの下りへ向かう。
ここからはほぼ駆け足。縦走の最終盤、痛い足と疲れた身体に鞭を打ち、もはや身体の一部となったテント泊装備を担ぎながら走る。
なぜここまで急ぐのか。それは蓮華温泉にある、4つの野天風呂にすべて入りたいからだ。しかもそれぞれが離れた場所にあるので、脱いでは着替えて、を繰り返さねばならない。これは大きな時間ロス。
そのため、とにかく風呂の時間を稼ぐために走れるところは走る。
コースタイムの約半分、70分ほどで蓮華温泉に到着。
ここからは温泉タイムだ!
まずは「黄金湯」。3日ぶりの風呂は格別!
展望はないが、ちょうどよい湯加減が最高。時間がないのに、思わずゆっくりしてしまった。
本来ならば着替えなければいけないが、ここで隠し兵器「水着」を着用。
これで少なくともズボンを脱ぎ着する手間が省ける。事前予習の成果だ。
おかげで、残りの「仙気の湯」「薬師湯」「三国一の湯」も順調の入浴。
「薬師湯」は女性優先だが、いない時間帯だったのも幸いしてすぐに入れた。
個人的にお気に入りは「仙気の湯」。少し熱めだが、展望もよく長湯するには一番良い。ただ「薬師湯」の直下にあるので、女性が通るタイミングを見計らって着替えないといけないのが難点。
「三国一の湯」は1人しか入れないほどの狭さで冷泉。夏の時期だからこそ入れる温泉だった。
最後は内湯。ここで頭と身体を洗って、きれいさっぱり。
時間がないので長湯できなかったのが残念だ。風呂上がりのノンアルコールビールが染み渡る。
あとはバスに乗って、平岩駅に車を回収に向かうだけ・・・なのだが、3連休の最終日、乗車希望の乗客多数。
座席が足りないのではないかと思うほどの超満員。結局みんな乗車出来てほっと一息。
バスの揺れに気持ちよくなり、ウトウトしているうちに平岩駅に到着。これで縦走無事完了。
帰りは道の駅でお土産を買って、急いで大阪へ。明日から仕事だ。
友人を送り届けて帰宅は24時。そのまま倒れこむように就寝。精も根も尽き果てました。
夏山シーズン早々、こんな無茶苦茶な日程の縦走が実現できて大満足。
普段はひとり登山しかしないが、今回は相方がいてくれて、本当に助かった。
特に2日目はもう無理なんじゃないかと思うこともあったが、おかげでなんとか持ちこたえることが出来た。
まだ夏山シーズンは始まったばかり。お盆はどこに行こうかと計画中だ。
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