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写真2）金堂とその隣に釈迦堂がある
写真3）仁王門付近から朱塗りの橋の向こうに北条氏の墓などの遺構のある稲荷山が見える
金沢自然園からバスで金沢文庫駅に戻り、そこから金沢文庫に向かって歩く。西口から東口に移動し、歩行者に道を訪ね、ナビを確認してなんとか文庫への道を進む。1�劼曚匹瞭擦鯤發�、文庫の建物が見えてくる。雨がやまないが、建物の中では弁当を食べられないので、前にある東屋で軽くコンビニのイナリとパンを食べ、中に入る午後の講演会の受付時間前、列ができているので並んで受付を巣まで、前の方に籍を確保して、展示を見る。撮影は一切できない。展示室の１Fには称名寺の国宝やその複製が展示されている。
最初に敷地の奥に控える金沢山称名寺の国宝や複製を見る。私にとって称名寺は貝塚として記憶していたが、ここは金沢北条氏の氏寺・菩提寺で境内は国史跡に指定され、多くの国宝や重要文化財を保持、大半は現在は文庫に収蔵・展示されている。金沢文庫を訪問したのは今回が初めてで、この文庫は北条実時が設立した日本最古の武家文庫。北条氏滅亡後は称名寺がいったん引き取ったがその後流出。明治30年、伊藤博文らの努力で再建し、称名寺に残された資料と流出文化財の回収などに努めたようだ。昭和5年の図書館令において神奈川県初の県立図書館となり、戦後図書館から博物館に移行。奈良・京都以外の東国における膨大で貴重な文書、絵画などが多数保存される貴重な文庫で多くが国宝、重要文化財に指定されているという。
展示室に入ると一階には重要文化財の弥勒菩薩立像と関連絵画の複製と実物が企画展「顕われた神々―中世の霊場と唱導」は2階にある。
金沢文庫HPに記載されている展示会の趣旨は
「神奈川県立金沢文庫で管理する国宝・称名寺聖教のなかには、法要や勧進などの儀礼の場で読み上げられた、表白や説草（説教の台本）が多数残されています。それらは唱導資料と呼ばれ、中世の主要な社寺の神仏にまつわる縁起などが説かれており、今では失われた古い信仰世界を浮かび上がらせます。種々の唱導資料を通じて、伊勢神宮や春日大社、八幡宮など様々な神々のすがたを、関連する美術作品などとともにご紹介します。
本展覧会では、法会の場で活躍した唱導の名手たちの作品を集めた「神をめぐる唱導」、朝廷や国土を守護する神々への祭祀の諸相を紹介する「王城鎮護の神々」、日本各地に展開した霊場をめぐる縁起や霊験譚を読み解く「神々います霊場」、神秘に彩られた神々のすがたを記す中世神道説をひもとく「秘説の中の神々」という四章から、中世の神々の世界を再現していきます。 」
伊勢参詣曼荼羅（称名寺蔵）や春日宮曼荼羅などの鎌倉時代の絵画は、当時の伊勢や春日社への信仰の姿を示し、神仏混交時代の十一面観音像や様々な神像が並ぶ。また称名寺に残る様々な聖教（しょうぎょう）、神祇書など、貴重な史料が展示されている。
講演は、上智大学准教授で金沢文庫の元館長の西岡芳文さんー中世の信仰における伊豆・箱根・富士山などが重要な役割を果たしたこと、平安時代から続く富士山噴火や地震などの天災を鎮めるための国家祭祀が行われている中で、伊豆山神社（権現）、三島神社信仰がどのように発生したのか、走湯山や富士山信仰（富士浅間神社）の広がりなどとても面白い話だった。特に富士山や伊豆諸島の噴火活動への恐れは平安時代の人々に大きな衝撃を与え、国家祭祀が始まった。「三島」とは伊豆大島・新島・三宅島などを指し、伊予瀬戸内海の大三島も元々はこれと関係するようだ。大三島が先と考えている人が多いようだが、実際は伊豆の三島への国家祭祀から始まり、大三島にもその祭祀が伝えられたものという。都埋文の伊豆諸島の考古展にも国家祭祀の関連遺物が展示されていた。
そうした「富士山信仰」「走湯山信仰」「伊豆三島信仰」「箱根信仰」「などの中世発生の信仰の発端・成長・伝播・変容の歴史が称名寺などに残る資料とともに語られた。なかなか他では聞けない貴重な話だった。
講演の後、再び展示を見学、担当者（ボランティア？学芸員？）が展示解説を行っていた。文庫を後にして、称名寺に向かう。称名寺も初めて。文庫奥の正面玄関（来たときは正面から出なかった―称名寺側が正面）から出るとすぐトンネルを抜けて境内に入る。国指定史跡称名寺の金堂や釈迦堂を見る。北条氏滅亡後衰退し、江戸時代に復興された伽藍だ。伽藍の奥の山には北条氏のお墓などがあるようだ。いずれまたゆっくり周囲を散策したいところ。今日は遅くなるので山の入り口まで来てここで終了、金沢文庫駅に向かった。
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