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写真�▲�リンバ遺跡石碑
写真��ユカンボシ川
恵庭市郷土資料館を後にして、付近のカリンバ遺跡を訪問する。埋め戻されて草地になっているが、わずかに土坑跡か盛り上がった部分などが見える。夕暮れになり、ユカンボシ川を散策したかったが間もなく暗くなるので写真だけ取ってホテルに戻ることにした。恵庭市の遺跡地図を見ると市内の川沿いに多数の遺跡があり、ユカンボシ遺跡群も川の流域に広がっているのだろうか？
カリンバ遺跡(恵庭市教育委員会HP)：
「カリンバとは、アイヌ語で「桜の木の皮」という意味。以前は遺い跡せきの近くを、遺跡名のもとになったカリンバ川という小川が流れていました。
カリンバ遺跡は、この川が流れる低てい地ち面めんと、それより２〜３mほど高い段だん丘きゅう面めんに残された縄じょう文もん時代から近世アイヌ文化期の遺跡です。とくに、縄文時代後期末から晩期初め（今から約3,000年前）の頃の漆うるし製せい品ひんを多数納めた合がっ葬そう墓ぼは全国的にも珍しいことから、平成17年に段丘面と低地面をあわせ、約4.2ヘクタールが国の史し跡せきに指定されています。
低地面の森の中には、段丘面の墓地と同時期に造られた貯ちょ蔵ぞう穴けつ、建たて物もの跡あと、炉ろ跡あとが残され、鉢はち形がた土ど器き、石せっ器き、赤せき色しょく漆うるし塗ぬりの櫛くし・腕うで輪わ、かんらん岩や土ど製せいの小こ玉だま、サメ歯などが出土しています。また、赤色鉱物の粉や、赤い顔がん料りょうが付着した長さ60cmほどの板状の石いし皿ざらなどはカリンバ遺跡を解き明かす重要な遺い物ぶつです。カリンバの森は、縄文時代のタイムカプセルといえます。
低地面は縄文時代が終わると厚い粘土層に覆おおわれていきました。現在では、ハンノキ・ヤチダモなどの落らく葉よう広こう葉よう樹じゅの森になっていて、早春にはミズバショウの群ぐん落らくもみられます。
段丘面には、縄文時代から近世に至る各時代の竪たて穴あな住じゅう居きょ跡あと 、土ど坑こう墓ぼ、建たて物もの跡あと、炉ろ跡あと、アイヌ文化期の平へい地ち住じゅう居きょ跡あとや壕ごう状じょう遺い構こうなど多数の遺い構こうが残されています。
発はっ掘くつ調ちょう査さを行った「団地中央道」用地内から土ど坑こう墓ぼが多数みつかりました。また、その周辺で実施した調査でも広こう範はん囲いに土坑墓や住居跡が残っていることが判明し、とくに縄文時代後期〜晩期の遺い構こうは東西約80km、南北70mの範囲に集中していると考えられます。そこには、漆うるし塗ぬの装そう身しん具ぐを副ふく葬そうした土坑墓も多数含まれていると推すい定ていされています。
合がっ葬そう墓ぼ （30号・118号・119号・123号）の４基は、直径1.6〜2.5m、深さ1mほどの円形ないし楕だ円えん形けいに掘られた大形の土坑墓です。わずかに残った人の歯と装そう身しん具ぐの出土位置から、複数の人が埋まい葬そうされたと推すい定ていされています。
合がっ葬そう墓ぼ ３基から出土した副ふく葬そう品ひんは一括して国の重じゅう要よう文ぶん化か財ざいに指定されています。内訳は、漆うるし製せい品ひんと玉、サメの歯、土ど器きです。漆うるし塗ぬの櫛くしや腕うで輪わなどの装そう飾しょく品ひんは縄文時代の漆技術を伝える貴重な資料です。
遺い体たいは頭を西に置き、手足を折り曲げて埋まい葬そうされていたと考えられます。歯や装そう身しん具ぐの見つかった場所から、30号土ど坑こう墓ぼで8人以上、118号土坑墓で4人、119号土坑墓で2人、123号土坑墓では5人が埋葬されていた推定されます。
出土した漆うるし製せい品ひんの数は、120点を超えます。ほとんどは墓の底に納めた副ふく葬そう品ひんで、全体の８割は４基の合がっ葬そう墓ぼから見つかりました。種類は、櫛くし、髪かみ飾かざり輪わ、額ひたい飾かざり輪わ、耳みみ飾かざり輪わ、髪かみ飾かざり紐ひも（リボン）、胸むね飾かざり、腕うで輪わ、腰こし飾かざり帯おびなど、実に多様です。
合がっ葬そう墓ぼには、一人に多くの装そう身しん具ぐがそえられていました。腰こし飾かざり帯おびは、119号と123号土ど坑こう墓ぼから各1点出土し、118号土坑墓からも漆を塗ったものではありませんが、サメの歯をたくさんつけたと推測される帯があります。腰こし飾かざり帯おびをまとった被ひ葬そう者しゃは特別な人物だったのでしょうか。
漆うるし塗ぬりの櫛くし、髪かみ飾かざり、額ひたい飾かざり、かんざし、耳みみ飾かざりなどが出しゅつ土どしています。櫛は全て赤色漆うるし塗ぬりです。表面は朱や赤桃色に塗られています。カリンバ遺跡の櫛くしにはバラエティに富んだ美しい透すかし模様が見られます。
玉の素材は、かんらん岩、琥こ珀はく、滑かっ石せき、翡ひ翠すい、土。種類は、勾まが玉たま、臼うす玉だま、丸玉、棗なつめ玉だまなど。連れん珠じゅで見つかったものが多く、連珠のなかには勾玉を１点から数点連つらねて使用する例もあります。首くび飾かざりとして使用するほか、ブレスレット、アンクレット、さらには頭部に着装してヘアーバンド風に使用する場合があったのかもしれません。
カリンバ遺跡の腕うで輪わは、植物の皮かわか茎くきを丸く輪わにし、その上に撚より糸いとを巻きつけたものや、草・樹じゅ皮ひを巻いたもの、獣じゅう皮ひを素材にしたもの、大きな輪、二重の輪などがあります。輪の表面に突とっ起き、ブリッジなどをつけて飾ったり、スリット模様をつけたものまで多種多様です
髪かみに櫛くしを３個を挿して飾り、額ひたいには４個の漆うるしの輪わとサメの歯１個の額ひたい飾かざりをつけていると想像されます。漆うるしの輪は、布ぬの製せいの紐ひもかハチマキ状のものに糸で縫ぬいつけて使用したものでしょう。このほか、オレンジ色の耳みみ飾かざり輪わとかんらん岩の勾まが玉たま、琥こ珀はく玉だまの首くび飾かざりもつけていたようです。
123号土ど坑こう墓ぼの中央の被ひ葬そう者しゃに着装されたと考えられる腰こし飾かざり帯おびと腕うで輪わ、勾まが玉たま・琥こ珀はく玉だまの連れん珠じゅ。帯は、植物の細い茎くきを数本束たばねたもので、遺い体たいの胴どう部ぶに巻いていたと推定されます。(恵庭市教育委員会）
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