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写真��現在の西琳寺前の石碑
写真��西琳寺跡出土の「鴟尾（しび）」の解説板
近つ飛鳥の「集落遺跡から見る古市古墳群」展の中に、誉田御廟山古墳（応神天皇陵）の南側にある古市遺跡と西琳寺遺跡の出土品がガラスケースの中にあった。
古市古墳群エリアは後に竹之内街道（丹比道）と東高野街道が交差する古代の交通の要衝となるが、古くから中河内と南河内・大和を結ぶ交通路上に位置していた。弥生時代に入って以降の代表的な遺跡は藤井寺市の国府（こう）遺跡だが、この地域でも弥生時代から断続的に集落が開かれていた。はさみ山遺跡、西琳寺遺跡などは在来型の集落で北側の「土師の里」遺跡など大規模古墳造営と関係の深い渡来系集団を含む集落とは対照をなしているようだ。
新大阪に戻る途中、西琳寺に立ち寄り、はるか昔を偲んだ。西琳寺遺跡は古墳時代を中心とする集落だが、西琳寺は、羽曳野市によれば、渡来系氏族の西文氏（かわちのふみうじ）の氏寺とされるが
「西文氏＝河内国古市郡を本拠とする、 有力な渡来系氏族（とらいけいしぞく）の一つ。応神天皇の頃に百済（くだら）から「論語（ろんご）」や「千字文（せんじもん）」を持って渡来したと伝えられる王仁（わに）を始祖とし、代々の朝廷の中で文筆や出納に携わっていました。古市に所在する西琳寺は氏寺とされている。」（藤井寺市HP）
文献史家の加藤健吉氏は、氏寺ではなく、西文氏らを中心とする周辺の様々な渡来系氏族を含む「智識寺」であるとしている。大阪府柏原市にある「智識寺跡」は、「有力氏族の氏寺ではなく、仏教に深く帰依した人々「知識（ちしき）」が私財や労働力を提供し、建立した寺院であ」り、聖武天皇が難波宮への行幸の途中に、この寺の廬舎那仏を見たことから、大仏建立の思い立ったらしい。こうした智識寺は行基が関係することも多く、加藤氏は西琳寺もそうした「智識」によって建立されたとみている。『西琳寺文永注記』の中にこの寺の僧侶の出自が西文氏のみならず、様々な渡来系氏族を中核とした周辺氏族の人々がいることが記されていることなどから、「智識寺」ではないかと推定している。
新大阪に戻る途中、西琳寺に立ち寄って撮影した。
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