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写真2ー平和台公園の発掘成果
写真3ーへたの台遺跡の発掘成果
千葉市遺跡発表会のため、千葉市生涯学習センターに向かう。ロビーでは、発掘調査出土品や解説パネルなどの展示があった。特別史跡加曽利貝塚、へたの台貝塚、平和公園遺跡群が、今回の発表にあわせた展示だ。
午前中は加曽利貝塚と同じく国の特別史跡(国宝クラス)である尖り石石器時代遺跡の特別館長の守矢氏の講演で、日本で最初に先史時代の特別史跡となった尖り石が、考古学者と地方史家、学生、行政や市民と共にいかにして遺跡が発掘調査され、史跡として成長していったのか、今どのような問題に直面しているのか、など守矢氏からしか聞けないような内容で大変大きな深い内容を持つ話でこれだけでも来てよかったと感動した。
昼食後、加曽利貝塚の南貝塚の窪地の謎を考えるためでもある発掘調査の報告があり、自然地形か、人為的な窪地か、土層や出土遺構などの調査からどうやら自然地形でなく、人為的に作られた窪地であるらしいことが判明したようだ。窪地の周囲の土層には、三万年前の姶良丹沢火山灰AT層が複数検出され、一方中央窪地からはそのAT層は検出されず、60センチ位人が掘り下げたことが推定された。また、周囲からは石剣などの祭祀具と思われる出土品が多数検出され、中央窪地が祭祀の場として使われた可能性が高い。報告者は加曽利貝塚を中心とした土器研究で知られる松田光太郎氏で、ロビー展示にあった加曽利貝塚出土品の黒色土と暗褐色土層について解説されたが、よくわからなかったので、休憩時間に松田氏から直接お話を伺った。資料にもあるが、中央窪地は関東ローム層を基盤とし、その直上は暗褐色土、その上に黒色土があり、暗褐色土層方は晩期の前半を主とする土器などが出ていて、後期のものもあるようだ。中央窪地かたは遺物出土はわずかで、周辺からは晩期の石剣が多数出ており、祭祀場として使われたようだ。松田氏は晩期になって再び大型貝塚が築かれ、集落が拡大した時期に窪地を掘削したらしいが、その掘削が全面的なのか、一部だったのか、もともと自然の窪地も伴っていたのかなど、未解決な問題も少なくないようだ。今後の発掘調査、研究に期待したい。また平和公園の遺跡群に関する埋文センター長の西野氏が半世紀にわたる発掘調査について、その遺跡の威儀を解説、少なくとも縄文時代から4千年にわたる墓域の歴史を開設され、縄文時代の墓域だけでなく、古墳時代の常総型古墳、古代奈良平安にわたる終末期古墳（8−9世紀まで伝統が続く）、そして中世の珍しい関係の内耳土鍋の出土した土坑で鍋の下から人骨が出て、鍋被り葬と判明、そしてそれらの墓域の歴史が破壊されずに昭和の霊園が作られたことに4000年の聖地の歴史が守られたことに感銘を受けたことが語られたのは、印象深かった。
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