この展示では、後期旧石器時代前半期の石材を求めて広域的移動を各地の小集団が行っていたことを示す石器と石材の関係の展示がある。信州の黒曜石、山形ー磐越高地や栃木の鹿股沢の珪質頁岩、高原山周辺の黒曜石や珪質頁岩を採取しながら移動する生活から、後期旧石器時代後半に、遠隔地への遠征が減り、やや近距離の石材山地を求めて武蔵野台地内を巡回する生活に変わっていった。シカやイノシシなど特定の大きな獲物中心の狩から、大小近場でも確保できる様々な獲物を獲得するようになったらしいー下戸塚、下柳沢遺跡ー。
さらに後期旧石器時代後半期後葉では、砂川型刃器技法が現れー城山、宮林遺跡ー、両面加工の槍先形尖頭器が現れる。相模野台地、信州とも異なる石器で地域性が強まった。彼らは信州、神津島、柏峠の黒曜石と途中にある丹沢山地及び近在の多摩川、入間川、有間川などのチャートや頁岩を使っていたようだ。
さらに後期旧石器時代終末期には、細石刃が出現し、縄文時代草創期に入ると細石刃は減少し、有舌尖頭器が出現、温暖化が進行し、弓矢が主力になるなど急激な社会、環境の変化がやって来たのだった。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する