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写真2. 石岡市恋瀬川上流丘陵に立地する佐自塚古墳出土、三日月形透かしのある珍しい埴輪
写真3. 大平洋に臨む大洗市の日下ヶ塚古墳出土石製模造品など
昨日は休養を取り、今日は土浦で霞ヶ浦の古墳時代前期の王と地域社会に関する展示とシンポジウムがあるので出かけてみた。五時過ぎに飛び起き、急いで弁当と朝食の準備をして準備を終えて風呂に浸かって髭を剃り、６時過ぎに出発、千代田線松戸で常磐線に乗り換え、土浦に向かう。土浦、霞ヶ浦周辺の古墳は、これまで何度かチャリで訪ねた前回は、かすみがうら市の古墳や博物館を訪ね、五十キロ以上走りかなり疲れたが今回は上高津の博物館と市内のコンベンションセンターなので楽勝だ。そういえば取手市の資料館もご無沙汰しているが最近は何を展示しているのかな？
古墳古代の霞ヶ浦は、香取の海と呼ばれ海水が入る広大な汽水エリアで水陸交通の要衝、東北への入口という重要エリアだった。印旛沼エリアも含め、上野原、下野、上総、下総、常陸、さらには奥州陸奥国へと向かう場所で、これらの交通を支配する各地の王たちは盛んに大きな古墳を造営した。今日はそのうち、前回訪問した王塚、后塚など、筑波大学と土浦市等が協力して数十年にわたる発掘調査成果を展示とシンポジウムで発表する機会であった。
シンポジウムで最も議論のあったのが王塚と后塚のどちらが先に築造されたかで、出土する土器からは、明らかに前方後円墳の王塚が古く后塚の土器はやや新しい。前方後方墳が前方後円墳より古いという常識には反する。しかし、筑波大学の滝沢先生は、土器の出土位置や出土土坑の時期、追葬の可能性などから、それを疑い、また古墳の立地から、后塚が先の可能性もあると主張、決着はつかない。古墳時代初頭の東海勢力の流入に関して、霞ヶ浦周辺に少なく、那珂川や久慈川に多いことに関しても質問が出て、迂回したのか、その理由が問われたが、東海系は、海側からだけでなく長野経由でも来ており、人口が多い霞ヶ浦を避けて北部の低地開発に向かった可能性が指摘された。玉類に関しては、弥生時代に玉作を行っていなかった関東で、古墳時代中期になって急に玉作が始まるのは関東各地の首長らが北陸などから、技術者を呼び寄せた可能性があるようだ。どのエリアの技術か、また原材料の石ー緑泥片岩、滑石、水晶などーをどこから入手したのかは、まだ諸説あり遺跡により地域により異なるのだろう？講師の埼玉の山田琴子氏は原石と製品の化学分析を行っているが、これまで分析した北陸や出雲などの原石と異なるのだろう成分の石材も出ており、関東周辺の石材も含め、未知の産地があるようだ。
いずれにしても、王塚、后塚の発掘調査成果をこのような形で展示とシンポジウムで示されたことの意義は大きい。
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