村上市で近年発掘調査されて大量の縄文時代後期の人骨が出土して注目された上野遺跡に関する展示と講演会があるので出掛けてみた。上越新幹線の車窓から上越の山々を眺めようとしたが途中不覚にも寝てしまい、気がつけば長岡手前、粟ヶ岳方面を一瞬見た他は長岡の東山と西山を見ただけで終わる。どうやら今年は雪は例年より少なそうで地面が露出している場所が目立った。新潟駅から新津に向かうが、積雪は僅かだ。新津駅周辺も僅かに積雪がある程度、タクシーに乗り込み、まず県埋文で新潟県遺跡展を見る毎年今頃行われる近年の発掘調査の報告だ。中でも注目は、村上市の上野遺跡で、三面川支流の高根川右岸の扇状地上に立地し、周囲の氾濫原より一段高い見晴らしの良い場所のようだ。縄文時代後期の大集落だという。2017年以降の国道17号朝日温海道路建設に伴って発見されたようだ。令和五年度の調査でこれまで七年間の発掘調査で明らかになった140以上の住居跡に関して、居住域と二ヶ所の廃棄域の位置関係が明らかになった。北側の土石流の影響を受けやすい場所を避けて居住域が作られていた。集落の外側に平たい円い石を五枚重ねた珍しい遺構と精巧な作りの注口土器が出土し、何らかのマツリが行われたようだ。南西と北東部の二ヶ所に土器捨て場があり、繰り返し土器などが廃棄され、また住居の造成で出た土なども捨てられたらしい。
さらに、全国的にも注幕を浴びた焼人骨集積土坑は、昨年新潟医療福祉大学に見学に行ったが、遺構ごと大きく切り取られて、現在も奈良博士らによって調査が続けられており、研究結果が待ち遠しい。
その他、上越市下割遺跡(縄文時代ー中世)、南魚沼市余川遺跡(古墳時代ー中世)、柏崎市茨目の丘江遺跡からは、平安時代から鎌倉時代の金箔が押された木製卒塔婆が出土、これも中々面白く珍しいものだ。
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