今日の主目的は新潟市文化財センター(西区木場)で開催されている「水田下に沈んだ縄文時代遺跡ー江南区道正遺跡、岡崎遺跡」の見学と関連講演会+展示解説だ。新潟駅も万代口の大改造で、ようやく新しい姿を拝むことができたが、すっかり姿が変わったのでうろうろしてエレベーターを下ったり上ったりしてようやくロータリーのそとにでられて見慣れた風景に出会うことができた。そのさきでレンタカーを借りてその第二会場の古津八幡山弥生の丘展示館をまず立ち寄るも十時からなので、九時過ぎに近くの県埋蔵文化財センターに立ち寄る。中世、武士の時代になると急激に輸入陶磁器の出土が増えるらしいが、奈良時代の遣唐使のじだいは、唐三彩など、極限られた数、場所からしかでてこない。とりわけ都以外の地方では、尚更だ。中国船が直接日本との間を行き交った平安時代後期より以前は遣唐使船がほぼ唯一の高級な舶来品の入手機会だったかもしれない。それでも唐三彩は、奈良の正倉院では、目録になく、宝物扱いでなく都人の日常食器だったかもしれない。焼物で宝物扱いされる最初の例は宇多天皇の仁和寺御物実録の輸入陶磁器からだそうだ。
面白いのは阿賀野市山口遺跡出土の唐三彩の破片のなかに琴をひく人物の俑があることで、遺跡から検出された掘立柱建物などの性格は不明ながら中国の教養ある人士の代表的なたしなみは、琴、棋、書、画であることから、都から派遣された官人の存在を想起させる。
国産の施秞陶器では、唐三彩の模倣である奈良三彩は、新潟県内では、数例あるが限られる。��秞陶器、平安時代半ば、九世紀前葉から長門、周防、山城、近江、尾張、三河、美濃などで生産がはじまったようだ。灰秞陶器も同じ頃から生産開始され、主として東海地方での生産が多かったらしい。
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