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写真��泥よけ付直柄鍬
写真�Ｆ貶源�代末を起源とする条痕文系土器文化と新しい大陸系遠賀川系土器文化が共存する
朝日遺跡ミュージアムのＳ字甕展の土器を一通り見て撮影してから、いくつかポイントの土器をスケッチする。展示ではＳ字甕をゼロ類（プロトタイプ）A類、B、C、D類と分類、専門家はさらに細かく細分しているようだ。この土器は薄手で、弥生末から古墳時代はじめにかけて近畿圏から関東まで大流行した。館の若い女性学芸員にいくつか質問して、少しお話を伺った。講演会は、申し込みが多く予想を間違えたとこぼしていた。長野県あたりからも各地の専門家がこぞってこの展示を見に来ているそうだ。各地で出土するのは大半が破片なので完形に近いＳ字甕を集めた展示を見に来るのだそうだ。
２時間ぐらいで切り上げて、岐阜市立歴史博物館に向かう。タクシーが予約できずやむなく尾張星の宮駅に出て枇杷島駅経由で岐阜駅に向かう。岐阜駅からは、シェアサイクルを借りて博物館に向かう。ここは過去一度か２度来ている。今回は「実りの考古学」と題した美濃地域の農耕社会の始まりからその変遷を弥生時代、古墳時代を中心に中近世まで展望している。最初にこの地域のそれらの時代の遺跡から出土する土器の変遷を示す展示があり、次に今宿遺跡で発見された弥生時代から古墳時代にかけての水田の特徴を見る。これらは小区画水田で、水田を造成、維持するには、畔の中の田を水平に造成して川から水路を引くという大規模な土木工事が必要で、当時の技術では小規模区画の方が水平を出すのが楽で合理的と説明される。今宿遺跡では、多数の足跡が検出され、足型が取られて人々の身長などが計測推定されて興味深い。
次に用具の歴史として鍬について展示解説があり、最初に北部九州に伝播した木製直柄鍬の原物と復元品の展示があり、泥よけもついている。これかは、瀬戸内、中国地方には伝わらず、北陸を介して美濃に伝わったとし、興味深い。地域有力者の好みが反映されると説明されるがそうだろうか?
直柄鍬先も各地でバリエーションが生まれ、岡山、吉備地方ではナスビ型の三又鍬が生まれ、古墳時代には全国に分布が広がったらしい。また古墳時代中期には朝鮮半島からU字鉄鍬が伝播し、急速に普及したらしい。これにより耕起能力が飛躍的に向上して各地の農業開発ご格段と進行したようだ。
また、現代の水田を見ると重機を駆使して造成し、どこでも似たような姿になっているが、かつては腰までつかるような泥田も少なくなく、田舟で移動したり、道具を運んだりしていた昭和期の写真も新潟平野などでも残されている。田舟など古墳時代のそうした道具も美濃の遺跡から出土し、展示されている。
美濃の農耕社会の歴史を知る上で中々良い企画展だった。
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