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２０１８年から始まった中央環状線建設に伴う調査で発見された道正遺跡、岡崎遺跡を中心とする港湾性集落に関する展示。これらは現在の水田の下１m以下に埋もれている亀田砂丘の中にあり、新潟平野の沈降に応じて下に沈んだ遺跡らしい。ボーリング調査などから検出した花粉分析などから、古墳時代にはこのあたりは湿地や沼沢、潟湖（ラグーン）などが目立つ場所だったようだ。道正遺跡から出土した船の線刻土器の実物が展示されており、その絵が準構造船を示すものと推定され、日本海から潟湖に入ってくる船を描いたと推定されている。
集落に隣接する土器集中遺構SX233からは線刻土器やミニチュア土器、籠の網目のついた壺などが出土、特殊なものが多く、祭祀遺構と考えられている。
四十石遺跡は新潟平野でも角田浜よりの海岸付近の遺跡で、古墳時代前期・中期の多数の土器片が出土、中でも布留甕の影響を受けた土器片が県内最多の数出土、平安時代の「津」と書かれた墨書土器も出ており、こうした遺跡には港湾があったと考えられる。この角田山山麓では、新たに発見された日本海を見下ろす角田浜明光寺山古墳や山麓の南赤坂遺跡では、北海道、東北北部の続縄文土器片やこれらの地域の人々が使用した黒曜石などの皮なめし用のラウンドスクレーパーなども出土、北陸や信州、東北、北海道などとの広域的な交易関係を示す異物が様々出ている。角田浜明光寺山古墳はこうした日本海交易を統括する有力者の墓と考えられているが、遺物は出ているのだろうか？
布留系の土器片といってもかなり厚みがあり、近畿地方で見る布留甕とは厚みなどかなり違いがありそう。センターの職員の方が来客に土器の説明をしていたので、布留甕などについて尋ねると、ここで出土する布留系土器片は、北陸加賀当たりの布留系瓶などに比べ厚みなどが全く違い、同じ甕を考えにくいので、土器編年も見直す必要があると考えているそうだ。
旧来の（大規模は排水設備導入以前）の湿地とラグーンと砂丘の新潟平野における港湾性集落に関して出土した船の線刻土器から始まって、様々な出土遺物から、これらの地域の港湾的な性格を考えた展示であった。
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