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写真��渡島大島溶岩
写真��ブンガ火山溶岩などいずれも早稲田大学エクステンションでの前野氏の講義中にサンプルとして示されたもの
佐渡に向かう途中、新幹線の中で「島はどうしてできるのか」という前野深氏のブルーバックスの近著を読む。昨年２０２４年7月に刊行された本で、最近早稲田大学エクステンション高講座で前野氏の話を聞く機会もあった。前野氏は東京大学地震研究所の火山研究者で、日本国内や世界各国の火山を調査している。話の中心は近年盛んに噴火活動を繰り広げてきた小笠原諸島の南海上にあり、2013年に突如として大噴火を始めた西之島と、2022年に新たに噴火を始めて大量の軽石を放出した福徳岡ノ場だ。西之島の噴火に関しては、NHKなどで盛んに調査の様子を報道していたのである程度のことは知っていたが、今回火山学的な特徴を、福徳岡ノ場と比較して論じられて、理解しやすかった。
西之島は、記録によれば1702年には、島があったことがスペインの帆船により記録されていたいたらしい。しかし2013年以降繰り返された噴火活動で、新島ができ、さらに旧島を飲み込んで新島と一体化した。前野氏は、この西之島を何度か調査訪問し、火山学者の視点で研究してきた。溶岩を盛んに吐き出したことで島が形成され成長してきた。一方、福徳岡ノ場はも古くから火山活動があったらしいが、溶岩をあまり出さず、異なる火山噴出物を出して水蒸気爆発を繰り返し、1914年には桜島の大噴火のあと、小笠原諸島のさらに南の南硫黄島のさらに南海上での大きな噴火の報告がかり、寺田寅彦が、現地に派遣された軍艦高千穂に同乗して調査に向かった。そこで寺田は水蒸気爆発の様子を「ダチョウの羽根」のようだと記述してきる。溶岩でなく火砕噴出物だといったん島ができても波力ですぐに削られ消滅する運命にあるらしい。前野氏によるこれらの海上、海底火山調査の話はとても興味深く、本を読みながらさらに深く理解したいと思い読み続けている。前世紀末に起こったフィリピンのピナツボ火山や最近のインドネシアスンダ海峡の火山噴火の話もあったが、人類史をさかのぼる過去の火山噴火研究によれば、これらは過去の大規模噴火に比べればまだまだ小さいようだ。最大の火山噴火はカルデラ噴火だが、地球史上最大と言われるのがインドネシアのスマトラ島にある9万年前のトバ火山でマグネチュード9.次が八万年前の阿蘇4火山噴火で8、次いで完新世最大規模と言われる7300年前の鬼界アカホヤ火山噴火で7、近年の噴火は、規模自体は、はるかに小さいらしい。しかし噴火規模と犠牲者、災害の規模はまたべつで、火山噴火や地震、さらに火山噴火による山体崩壊などにより引き起こされる津波被害や、火砕流、土石流被害など大規模な火山噴火で大規模な災害が起こることがあるが、噴火や地震の性質や周辺環境などにより御嶽山のように噴火は、小さくとも被害者がでることもある。最近もカムチャッカでの地震による津波で騒ぎになった。空振により引き起こされる津波もあり、正確に予測するのはまだ難しいようだ
ところで鹿児島の硫黄島などのフェリーは、3度挑戦していつも欠航などで乗れていない。またの機会にぜひ訪問してみたいものだ。
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