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１１月７日（木）、オーダーメイドの登山靴を引取に行く前に上野の科学博物館で開催されている大恐竜展で化石クリーニングの実演を見に行った。雨上がりの木曜日なのでどうかな、と思ったが、夏休みの終わりの「深海展」の時のような長蛇の列はなく、すんなり会場には入れた。
会場に入り、解説用の機材を調達（５００円）して、中に入る。最初、順番に漢学するつもりだったが、イベントの化石クリーニングの実演時間が迫ってきたので、スタッフに実演会場を聞き、タルボザウルスなどの巨大な骨格標本（多くは実物化石）を見ながら奥に進むと、実演ブースがあった。実演は長年モンゴルで共同発掘事業に携わってきた林原自然科学博物館のプレパレーター、河原さん。現場で保存のために接着剤で保護されている実物化石をアセトンなどで少しずつ骨などを取り出す作業。きわめて神経を使く根気のいる仕事だ。小さなものでも他の仕事と並行しながら１年、大きなものは何年もかけて壊さないように少しづつ取り出して、復元していく。
普通「化石」とは、骨などの部分が地下で岩石と入れ替わり、石の中から出てくるが、ゴビ砂漠ではそうした硬い岩石ではなく、柔らかい砂のような粒子に入れ替わるので、非常にもろい「化石」だそうだ。うっかりすると自重でも壊れてしまうほどだ。こんな気の遠くなるような作業の積み重ねで初めて、われわれの目の前にあるような恐竜化石が日の目を見るのだーー。
ちなみに今回の展示会のテーマ、見どころは
１．実物化石が９０%−−レプリカでなく実物が展示されている
２．本国モンゴルでも開催されていないような貴重な実物化石が一堂に会する世界的にも稀なイベント
３．北アジア最大のタルボザウルス（ティラノザウルスの一種）の子供の実物化石から恐竜の成長を見る
４．タツボサウルス、サウロロフスの実物全身骨格の展示
５．モンゴル化石から獣脚類から鳥への進化を見る
などとなっている。また恐竜の卵の化石の中から発見された骨から卵の親恐竜がわかったり、子供の骨から恐竜の成長に関して理解が進むなど、恐竜研究も日進月歩のようだ。それを支えているのが、化石技師（プレパレーター）だ。（続く）
写真１：イベントのポスター
写真２：河原技師の実演
写真３：プロトケラトプスの赤ちゃんの１５体の骨の化石の想像復元図
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