池袋(サンシャイン文化会館7F)の古代オリエント博物館でアマゾン展が始まった。初めての試みだ。今日講演をされる山口吉彦氏は元アマゾン民族館館長で、山形の鶴岡市の行財政改革のため、惜しまれながら閉館となった。40年以上にわたるコレクションは世界にもなかなかないような素晴らしいもので、、古代オリエント博物館のスタッフが通い詰めて、展示会にこぎつけた。今後、このコレクションをどこが引き取っていくか、注目される。展示されている槍や弓などの狩猟具、祭り用のものも含め、非常に美しいものだ。またコンゴウインコやオオギワシの美しく大きな羽を使ったヘッドマンの頭飾りを含む様々な極彩色の飾り物、腰飾、首飾りなどなど――またシャーマンが使う仮面や大きな羽飾りのついたものなどは大英博物館など世界のごく一部の博物館にしかないような貴重品、ギャラリー徳の時に直接話を伺うと、ナイフや斧などの金属製品と交換したという。無論普通の人は入り込むことすらできないので、長年の活動による信頼関係の上に交換できたもの。ヘッドマンですら一生のうち一度のような豪華なものだ。このような素晴らしいコレクションは、科学博物館や歴博などで保存されるべきものだろうしおそらくそうなるだろう。講演では、昔学んだことのあるアマゾンのいろはを学びなおした感じーーシングー川、トカンチス川、タパジョス川(これらはマトグロッソ地域の源流のある透明な水質)、ネグロ川(ギアナ高地源流・黒)、マラニョン川(アンデス源流・白)、本流(コーヒー色)など、懐かしい名前ーー山口氏は主としてシングー川流域のシクリン、アパライ、カヤポなどの民族との付き合いが多かったそうだ。土器は一般に低い温度で焼き、彩色されているものも多い。ペルー国境のシビーボ族の人面付き土器はインカ帝国の土器の影響を受けた素晴らしいものだが、頻繁に移動する民族では、土器は重いので製作しない人々もいるようだ。また石は火山地帯でないアマゾンではあまり良い石がないので石器はほとんどないが、水晶のような石の取れる地域では、マンジョーカの堀棒に石を付けて道具の性能を高めている。この展示は、サンシャインビル全体で0月23日まで開催されるブラジル関係のフェスティバルの一環でもあり、今後、カヤポのリーダーのラオ−ニも来日するらしい。推定90歳でおそらく最後の来日だろう。都市との距離が近く、大きく変貌しつつあるアジアの先住民社会と異なり、遠隔地で都市住民との接触を避ける保護政策が取られるブラジルーしかしブラジルの都市の発展、経済成長の勢いはすさまじく、開発の波に飲み込まれつつあるアマゾンーーその未来は不透明だーー。
写真1)来日が予定されているカヤポのリーダー、ラオー二
写真2)アマゾン諸民族と山口氏
写真3)サンシャインビルの噴水広場のブラジルフェスティバルのイベント
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