運動神経がいい人、体力のある人は、自分から見て、とてもうらやましい存在だ。
何しろ、自分は、筋力、走力、運動神経が下位5%の人間だ。(小中学校の体育の成績で、その人の身体能力は大体分かってしまう。)
だが、そんな自分でも、ハードトレーニングをしなくても、沢登りや雪山の単独行、マルチピッチができるぐらいにはなった。
身体能力がなくても、「合理的で客観的な判断力」があれば、それはそんなに難しくないと断言できる。(実績がある。)
そんな自分から見たら、どうして、運動神経がいい人が、一般登山道で遭難したり、滑落するのか、まったく理解ができない。
そういう人を見ると、クライミングをしても、「何度もがんばって、落ちて、クリアした。自分はがんばった!」とか思いこんでいる人を見かける。
なるほど、もともとの身体能力があれば、技術がいい加減であっても、がんばればクリアできるのだろう。
しかしながら、自然はがんばればなんとかなるものではない。
「がんばれば何とかなる!」それは、自然をなめた態度だと思う。
本来、低レベルからしっかり登り、落ちないクライミングをするべきなのに、地道な努力をしないで、「手っ取り早く目標をクリアしたい」という横着をした結果、まちがった感覚が身に付いてしまったのだろう。
確かに、達成感はあるのだろうが、その「達成感」は安全性に「まったく」関係がない。「落ちない」クライミングの重要性は、もっと多くのクライマー、そして、当然、一般登山者は認識すべき。
【参考】危険なクライマー
https://www.yamareco.com/modules/diary/73693-detail-255459
【参考】落ちることの危険性
https://www.yamareco.com/modules/diary/73693-detail-265374