●ビレイについて
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●クライマーから目を離すな! 集中力について
https://www.yamareco.com/modules/diary/73693-detail-155962
●リスクの過小評価 グランドフォール
https://www.yamareco.com/modules/diary/73693-detail-269912
※あくまで、個人的な意見。そう思わない人は、それでいいと思う。
※クライミングジム、山岳会が正しいことを教えるとは限らない。世界的登山家、ワールドカップ出場経験者であっても、初歩的な間違いをする方も、実際にいらっしゃる。
※なん度でも言うが、「合理的で客観的な判断力」のみが安全を確保できる。
※「伝わらなければ、教えたことにはならない。」 「教科書に書いてあるから教えました」みたいな人がいるが、伝え方は自分で考えるべき。
クライミングのビレイは、人の命を預かることになる。
「ロープを引かれても、気づかない。」「ロープがたるんでも、巻きとらない。」こんなお粗末なビレイヤーが存在するのは、間違ったことを教えるからに他ならない。
また、インドア中心にゆるすぎるビレイが横行しているのも見受ける。どうしてこんなことになるのか、考えてみた。
1.「ロープを余分に出す。」
これは、クライマーがたぐった時に、大きくたぐるので、スピードが間に合わないので、大きなストロークで余分に出してしまうということ。
理由は、「ロープが出て来ないのは、クライマーにとってストレスになるから。」
要は、「ロープを出すのが間に合わない」より、「ロープを余分に出してしまう」方がクライマーのストレスにならないということだ。
もちろん、「たぐり落ちをしてはいけない」という原則により、これでもいいとは思うのだが、「引かれた分だけ出す。」と比較すれば、落ちた時の危険性を考えると、リスクのある方法であることは明白。
それから、「余分」の定義があいまい。ある程度の経験がないと、適切な「余分」を判断するのは、難しいので、少なくとも、初心者にこんなことを指導するのは間違い。
★余分に出していい場合
もちろん、クライマーが「たぐる時、ロープが出るのが遅いとイライラします。自分、たぐり落ちしないんで、余分に出してもらってOKです。」と自信を持って言ってくれた場合のみ、余分に出してOKだと思う。
2.「予測で出す。」
たぐった時に、一気に出すなど、「予測で出す。」ことを教える。
ある程度の経験があるなら、これは成立するのだが、初心者に教える場合、指導者の「予測」と初心者の「予測」は、まったく異なる。
そもそも、経験がない者に予測などできるわけがない。
それから、予測は予測であって、外れることもある。完璧な予測は、存在しない。
「予測=自分勝手な思い込み」に気づかない人は、多いと思う。あくまで、「クライマーが引いた分だけ出す。たるみが出たら巻き取る。」という基本は抑えるべきだろう。
3.「クライマーがロープをたぐり易いように、ロープを左手で出してあげる。」
どこから、そんな勘違いが出て来るのか、まったく意味不明だが、ビレイヤーは「クライマーを助けてはいけない。」。
もちろん、「クライマーの邪魔をしてはいけない。」が、同時にクライマーを助けてはいけない。
良くロープを出して、左手が上で伸びたままになっている人がいるが、次にロープが引かれたら、ノータイムでロープを繰り出さなければ、クライマーのストレスになる。
素早く下に移動させ、次の繰り出しに備えるべき。
それから、もし左手が伸びたままで止まっている人がいたら、それは、「ロープの出しすぎ」で大変危険だと言える。
また、墜落に備える意味では、腕はできるだけ下にあった方がいい。