https://www.yamareco.com/modules/diary/73693-detail-155962
【参考】まちがったビレイ
https://www.yamareco.com/modules/diary/73693-detail-288116
クライミングのビレイができていない方の話を良く聞く。ジム、ガイド、講習会で教わったと言っても、危険なケースを見受ける。
個人的には、「現時点では」これが最も合理的な方法だと思っている。今後も、安全性を高めるために、新しい技術や知識の収集に努めていきたい。
1.トップロープのビレイに慣れすぎない。
トップロープで十分練習してからリードのビレイの練習をするのは、間違い。リードのビレイは、かなり感覚が違う。そもそも、クライミングはリードが基本。
最初は、どこでもいいから、ロープを引く、繰り出す、これだけの練習をすべきだと思う。
最初に墜落を体験させる。どの程度の衝撃がくるのか、クライマーがどこに堕ちてくるのか想定しないビレイは正しい技術にはならない。
命綱をにぎることになるので、そのことは認識すべき。(ちなみに、自分は最初にロープを握った時、そこまでやりたくないと思った(;・∀・))
2.ロープの動きを見る。クライマーの動きは、関係ない。あくまで、ロープの結び目がどこにあるかが基準。
コントロールできないもの(クライマー)に集中するのは、間違い。どんなに実績がある方でも、基本的な集中力の知識がないのは、致命的なので注意した方がいい。
感覚的には、ロープにメインで集中して、クライマーは参考程度に見るような感覚。
3.右手は、絶対離さない。親指と人差し指の輪っかを作り、スライドさせる。
4.クイックドロー周辺は、巻きすぎないように。クライマーが動きづらくなる。
クリップする→トップロープ状態になる。→50cmぐらい(状況による)で巻くのを辞める。→クライマーが上に出たら、すぐロープを出す。
(ハンガーから、50cmぐらいの扇状をイメージすると、分かりやすいと思う。)
ハンガーから上に出た時、ロープが出て来ないのは、クライマーにとって、恐怖なので注意すべき。
5.たぐり時は、右手を腰の横まで引いて、左手で一気に出す。ストロークを大きくとり、一気に出すのが基本。(写真1→2)
右手をATCより上に大きく出すのは、非効率で、危険。
6.ロープが引かれた時、瞬時に出せるよう準備すべき。そのため、左手はできるだけ、下にあるべき。
腕を伸ばして、「私は、出しましたよー!」とか、いつまでもアピールするのは、意味がない。墜落にそなえる意味でも、腕はできるだけ下にあるべき。
7.クライマーの指示に従う。「テンション」のコールがないのに、勝手にテンションをかけるのは、危険。
落ちそうだから、終了点にかけたからと言って、勝手にテンションをかけたりするのは、論外。
8.クライマー優先の原則に従う。落石を起こしたからと言って、注意するのは、厳禁。(但し、クライマーが何をしてもいいということではない。)
落石をよけるのは、ビレイヤーの自己責任であることを認識すべき。クライミングゲレンデは、落石があるかもしれないという大前提は認識すべき。
ピッチが複数あるゲレンデなどで、混雑している状況など、危険になることがあるが、あくまで、上部のピッチでクライミングするのは、自由。
下のピッチで上のクライマーにクレームするなど、非常識なクライマーもいるらしいので、注意すべき。
とは言え、非常識に落石を起こす、非常識に遅いなどの迷惑行為をしていい理由にはならないが。
9.墜落時、ATCが効くのは、真下。腰で止めるのは、エイト環時代の技術。(写真3)
※止まらない訳ではないが、効率的ではない。
止める時、腕は、ATCの真下に伸ばすのが制動力が最大になる。また、伸筋を使って、腕を伸ばして止めるのが、最も効率的。