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歩き易くて滑らない短靴と、デイパック程度の背負い袋、そして老人用ステッキがあれば、山道具はもう必要がありません。
既に手元にない山道具達や、もう使うことのなくなった山道具達との六十八年間を、懐かしく思い出します。
一に山靴、二にザック、三四が無くて五に雨具〜、などと山道具の重要度を揶揄しますが、付き合いの長かった観点から三品を選んでみました。
トップ靴店のTop山靴 型式名不明 誂靴 （40年の付き合い）
シュイナードのザック Chouinard dragon CH-118 （40年の付き合い）
SVEAのラジウス SVEA 123 （新旧２代[2台]に渡り50年の付き合い）
山に登ろうと最初に買った靴はバスケット・シューズでしたが、これが大失敗〜
赤土の斜面で滑りまくって、登れたものではありません。
山に登るなら登山靴と思い知り、登山具専門店で買ったのが出来合いのナーゲル山靴、これがトリコニー付きの岩登り用でした。
縦走用のナーゲル靴もあるのに、知識のない情けなさで選んでしまいましたが、後年になって岳会に入会しトリコニーの付いた山靴がとても役立つことになりました。
この靴を私の初代山靴とすると、Top山靴は四代目に当たります。
ナーゲル山靴はビブラム山靴に駆逐され初代だけで終わりましたが、登攀の全てに思い出を刻みました。
最後のTop山靴の型式名は覚えていません。
誂靴でも”ゴロー”の場合の”S-8”などのように、トップ靴店の製品にも型式名があるのでしょう。
ご存知でしたら、ご教授頂きたいと思います。
内外二重皮、甲の外皮が一枚皮で繋ぎの縫い目が一箇所だけ、上部紐締め金具が旋盤加工品、が特徴です。
手荒く履き熟しましたがタフで防水力が高く、耐久性がありました。
膝までの渡渉は靴と靴下を脱いで素足でしたが、数センチの水流だと脱着が面倒なので履いたままのこともあり、深水にハマり靴中に水が流入して後悔することが何度もありました。
靴中の水を捨て、靴下を替えたり絞ったりして歩き続けましたが、Top山靴はよく耐えて付き合ってくれました。
履き始めの靴擦れに耐えること数ヶ月、靴は自分の不恰好な足形を写す如く馴染み、嘘のようにフィットしてくれました。
多分、私の足形に馴染んだ古山靴の嫁入りは、無理な話になるでしょう。
Chouinard dragon CH-118 は Millet modele Rene Desmaison の後継アタック・ザックとして購入しました。
ミレーのザックは多用されたプラスチック部品が、購入後五年程度で加水分解し破損しました。
Chouinard はシュイナードが正しい発音で、米国の著名登山家のファミリーネームです。
CH-118は、布地と縫い糸とベルトだけがナイロンですが、その他は本皮と金属部品で構成されています。
布地が厚く多少重かったのですが、耐久性に優れていると考え選びました。
少し猫背気味の自分の体型にもピタリとフィットして背負い易く、活躍してくれました。
ハイキングクラブに所属していた時に、会員の皆さん方に何度も格好がいいと云われ、購入店を問われました。
古いザックですが、現在でも一部に愛好家がいるらしく、私の手を離れ無事嫁入りして新しい旅立ちをしました。
SVEA 123 は、ホワイトガソリンを燃料とするスエーデン製ラジウスです。
ラジウスの呼称は古く、今ではストーブとかバーナーとかコンロとか言うのでしょうか。
岳会在籍中は、個人山行を含めて共同装備品の灯油ラジウスを使っていました。
山中では昼飯の習慣がありませんから、日帰りの山行には携行しません。
晩飯の調理と朝飯の加熱、湯沸かしの重要な道具でした。
時には、短時間の暖房に使うこともありました。
岳会を退会して一人歩きになった時、必要に迫られて SVEA 123 を購入しました。
在籍中に、先輩の SVEA 123 を見せながらの蘊蓄を聞かされ、個人で持つならこれと決めていたのです。
最初に購入した一台目は崖下への落下衝撃で破損し、二台目は迷わず同じ製品を選びましたが、ノズル穴が操作中に自動クリーニングされる改良品でした。
今でも完全に動作しますので、よい嫁入り先はないものか〜、と縁談を待っています。
SVEA 123 は燃焼中に、ジェット機並みの大轟音が鳴り渡ります。
独り山中で調理を済ませ、温かいお茶を飲みながら火を落とした瞬間、ピタリと轟音が消え、周囲に闇を引き連れた静寂が一気に迫ります。
この時ほど、大自然の中に一人いる孤独感を自覚する事は、他に類がありません。
その瞬間は、当に感動的です。ainakaren
こんばんは。
シュイナードはいまのPATAGONIAですね。40年前、高校生のときホエーブスのガソリンストーブを使ってました（ケロシンだったかも）。「ブス」と呼んでいたような気がします。
parsleycandyさん、こんにちは。
コメント深謝です。
背負い なるほど！〜と揶揄する人もいましたね。
吠えるブス！〜と云う人もいました。
40年ほど前に高田馬場にあったTOP靴店で「G型」という登山靴をオーダーしましたが、更に37年前に「改良型」をオーダーしました。
この改良型が実に歩きやすく、ビブラム底を５回以上も張り替えてもらった記憶があります。
本当にTOP靴店の登山靴のおかげで、重いザックを担いでの縦走もマメを作ったりする事なく快適に歩く事が出来ました。
ainakaren様の日記の写真を拝見すると、まさに改良型そのものです。
ただTOP靴店には数種類の登山靴があったと思うのですが、残念ながら何という種類の改良型なのか…
15年ほど前に改良型をもう一足オーダーし、今でも履き続けています。
TOP靴店が廃業してから巣鴨の有名な店に修理に持参するも断られて困っていましたが、今では埼玉県川口市の「ナカダ商会」という工房に、修理や底の張り替えをお願いしています。
使い込んだ山道具を見ていると、青春の情熱を賭けて懸命に山に登った思い出が蘇って来ますよね。
vt250zさん、こんにちは。
コメント深謝です。
詳しい情報を頂きまして、有り難う御座います。
何らかの型式の改良型とのこと、やはりA型とかB型とか何種類かあったようですね。
何型か解りませんが、店頭で冬靴を見た記憶があります。
私のは３季用の形状ですが、厳冬期の２０００メートル以上で履いていました。
保温性にも、特に問題はありませんでした。
ビブラムの張り替えも、近くで可能でしたので何度か替えました。
その店も無くなり、最近の十年くらいは張り替えていませんが、使用頻度も少なかったので、まだまだ使える状態です。
片足重量は、１１８０グラムでした。
重いと感じたことは、ありませんでした。
今では、懐かしいだけの靴です。
renさん こんばんは
学生時代に買った登山靴は、重くてもう履くこともないだろうと、何回かの引っ越しの際に、捨ててしまいました。
未だに、持っているのは加水分解して使うことができないミレーのザック（ヤマレコの博物館にも出しました）、現役なのは、同期でお金を出して買ったEVERNEWのアルミのコッフェルと欧州旅行のお土産で名入りのVictorinoxのナイフです。
コッフェルは使う機会が少なくなっていたけど、山に復活したら意外に役に立ってます。底は、デコボコですが穴が開いてないから、使えるうちは使わないと！貧乏山屋の習性です
それでも、renさんの年数には程遠く、まだ40年弱です（笑）
jikyoonさん、こんにちは。
コメント深謝です。
そうですね。
使うことがなくなったのに、捨てられない山道具ってありますよね。
ナイフなどは、思い入れが強いですからね。
エバニューですか〜、懐かしいですね〜、ポリタン使ってました。
同じ製品を２度購入したのはSVEA 123 だけですが、二台（代）併せて五十年以上でした。
着火する時の面倒な操作も儀式的で、今では懐かしいです。ren
ainakaさん
ご無沙汰して、恐縮です！！
オプティマス45Lを常備させられた、私共の、
ainakaさんは、
確実に20年以上先輩です
keisukeさん、こんにちは。
コメント深謝です。
オプティマス４５L使用歴三十年も、ご立派ですよ。
SVEA 123 は、破損廃棄分を併せてますから〜
コロナ明けしたら、皆さんと呑談会をやりたいですね。
こんにちは あいなかれんさん
拝読していて私の靴を思い出しました
ずーっとオニツカのキャラバンシューズを使っていました
55年くらい前でした
大阪のミズノ本店で皮靴を購入しました
給料の一月分以上したと思います
わくわくしながら履いていましたが靴ずれがひどくいつもテーピングをしていました
特に縫い目にワックスをすりこんでいましたが、雪のコースだと数時間で浸水が始まり何度か凍傷になりかけたこともありました
あまりいい思い出はありませんでしたね
今はスリーシーズン用の靴を二足待っています
厳冬期用の靴もありましたが手入れ不足で傷んでしまい十年ほど前に廃却しました
今時の靴はいいですね
軽くてすぐなじみます テーピングをしたことはありません
ザックはミレーとミズノ 40l 29l 15l
日帰りなのでコンロは使っていません
サーモス500�佞鮖箸辰討い泙�
長くなってしまいました m(__)m
olddreamerさん、こんにちは。
コメント深謝です。
オニヅカ〜懐かしいです。
アシックスの前ですね。
その米国の総代理店だった販売店ナイキは、今や世界一の有名ブランドです。
重登山靴に、最初の靴擦れは付き物でしたね。
寸法があっていれば、靴擦れは必ず解消しました。
水漏れは、ワックスを重ね塗りして縫い目の水留めをすれば四〜五日の雪上歩きでは水漏れしませんでした。
皮継ぎの縫い目が少ない１枚皮の靴が有利でした。
破損したミレーは４０L弱、後継のシュイナードは３２Lだったと記憶しています。
ラジウスは、昔は日帰り登山には使いませんでしたね。
昔は登頂や縦走が目的で、その他は全て手段でしたね。
調理は当番で嫌々やりましたし、当時は携帯電話もないので伝令に走らされたりしました。
私の入門した時代は、ロッククライミングが目的に変わった時代です。
登頂も縦走も、せずに下山するようになりましたからね。
今では室内の人工壁です。
今やトレランもバーベキューも目的になり、その手段に山に登る時代になりました。
登山文化の、発展と分化ですね。
楽しみ方が増えて、喜ばしいと思っています。ren
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