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Yamareco

記録ID: 119152
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖

南アルプス深南部縦走(中ノ尾根山〜光岳〜大根沢山〜大無間山〜田代)

1980年11月19日(水) 〜 1980年11月24日(月)
 - 拍手
Junjapa その他5人
GPS
128:00
距離
39.0km
登り
4,090m
下り
4,764m

コースタイム

11/20 水窪駅(TAXI1:30)白倉川橋(0:15)林道終点(4:00)稜線(中ノ尾根山往復30分)(0:15)西俣沢ノ頭(0:05)三又山幕営地点
11/21 三又山幕営地点(1:30)鶏冠山南峰(0:35)鶏冠山北峰(0:30)笹平(0:40)水場(0:50)池口岳南峰(0:30)池口岳北峰(1:00)2179m先鞍部(0:15)2220m付近幕営地点
11/22 幕営地点(0:50)加々森山(0:50)諸河内の頭(1:50)光岳(0:12)信濃俣分岐(光小屋へ5分)(1:00)百俣沢ノ頭(1:00)2101コル(0:15)前信濃俣北方肩幕営地点
11/23 幕営地点(0:30)信濃俣(0:10)サワラ沢山(1:30)西俣山(3:45)大根沢山(1:25)大根沢山・小根沢山コル幕営地点
11/24 幕営地点(1:20)小根沢山(0:50)三方峰(0:20)三隅峰(0:50)大無間山(0:55)中無間山(0:35)唐松谷ノ頭(0:20)小無間山(1:30)P3(0:30)中電小屋(1:15)田代集落
天候 11/19 晴れ
11/20 快晴
11/21 曇りのち雨
11/22 雨のち曇り
11/23 曇り
11/24 快晴
アクセス
利用交通機関:
電車
11/19 13:30 東京駅=[東海道線]=豊橋駅=[飯田線]=水窪駅22:38(待合室で寝る)
コース状況/
危険箇所等
11/20
7時起床。8時タクシーで出発。9:30白倉橋着。林道のほとんど終点である。歩き始めてすぐに林道終点通過。こわれたバスなどが放置されている。右岸ぞいのかすかなフミアトをたどる。左岸から顕著な沢を合わせる。西俣沢は全般に平凡で滝などは1つもない。左岸にわたり返してからはっきりしたフミアトがある。しばらくで二俣。右俣の方が若干沢床が高い。双方とも倒木と岩屑の汚い涸れ沢。右俣を取る。最後は岩がもろい急斜面に入る。なるべくギリギリまで詰めないとヤブ漕ぎがきついと思ったが詰めすぎてしまったようだ。岩が風化していて登れない。少し戻り左岸の少し鼻のように突きだした尾根状を攀じる。距離的には10Mくらいだろうか。14:30稜線着。気分のよいちんまりした鞍部だ。西側は景色がよい。中ノ尾根山を往復する。フミアトは細々と続く。中ノ尾根山の頂上には櫓と三角点。平な頂上でテントは張れる。西から上層雲が近づいてくる。西俣沢ノ頭(2151m)は詰めのガレを腹に抱えている小ピーク。三又山を通過し、直下の平坦地で幕営。15:40.三又山北西、梶谷川源流にくだって水を取りに行くがなし。水音が聞こえるのに悔しい。20:30就寝。
11/21
4:30起床。5:55出発。西の空は曇っている。ササヤブを進むがその中の倒木は思わぬ伏兵。つまづいたりすねを打ったりと忙しい。上空に巻層雲が広がる。7:35鶏冠山南峰。池口岳の双耳峰がすばらしい。8:25同北峰を通過。沼津かもしかACの導標がある。8:55笹平(2106m)通過。笹平は樹林が少なく、明るく開けた快適な場所。フミアト続くが倒木が思いのほか激しい。このあたりから信濃俣方面の展望がある。まだまだ目的地の大無間なんてずっと向こうの方である。10:15池口岳の水場着。縦走路から分岐を右手にとるとある。水量十分。11:25池口岳南峰着。三角点。プレートあり。展望ゼロ。疎林から光方面が垣間見える。12:25同北峰通過。指導標あり。全員疲労気味。フミアトはしっかりしている。漫然と進んで北峰から北に延びる尾根に入ってしまいそうになって(実際、こちらの方にもはっきりしたフミアトあり。かつ赤テープが木にぐるぐる巻きにされていた)そのまま、強引に直角に右折、強引にヤブをくぐる。しばらくすると右手からきたフミアトにのった。うっかり分岐を見落としたか。ガスが稜線にかかるようになる。だんだんと地面が平らになってきたので尾根に乗ったことを確信する。ガス。南風。低気圧の接近か?2179mの標高点を過ぎた鞍部お少しあがったところにはテント場がある。標高2220m付近の樹林帯の平坦な場所で幕営する。設営時、雨が強く降る。20:30就寝。
11/22
4:30起床。一晩中、雨が降り続いた。6:25出発。夜より多少小ぶりになる。草地に倒木。意外に楽。かなりルートは踏まれている。6:40 2312M通過。霧雨。途中小池塘がある。樹木が全くひどいが、赤布やフミアトがあるし、こんなところに原始の姿を感じるのも悪くない。7:25加加森山。平坦になってどのあたりがピークかな?と思っていたら到着した。プレートがあるので確認したわけだが、頂上はどこだかわからない。三角点のある地点よりは高いと思う。ピーク直下は快適な草原となっている。2430mを巻く。倒木は依然あるが、ヤブは薄い。2381m峰(諸河内の頭)は右から回り込むようにして登る。頂上の木に黄色のテープ。北東に延びる尾根にフミアトがあり迷いやすい。ピークから30mほど行ったら右に折れて下ればよい。南東方向に忠実に! 2381mから60mほど下ると尾根らしくなる。2重稜線2か所。更に進んで倒木と悪戦苦闘してコルを過ぎると舟窪の底に池があるところに達する。舟窪の底を忠実に行くと稜線通しと思われるフミアトと会う。このあたりからの光岳はとにかくデカい。グイグイ高度を稼ぐ。道はこのあたりになると相当ハッキリしてくる。10:35光岳頂上着。10m手前に展望台あり。プレート多数。南アルプス最南のピークらしい樹林中の狭い頂上である。ここからはそれこそ高速道路のように思える。11時に大鉄光小屋。小屋はかろうじて仕えるといった程度。県営光小屋は非常に立派なものであるが、今は人影さえない。2542mを通過。13:08百俣沢の頭通過。頭とは言っても全くの平坦地である。ムギウネホツのルートは今だに通行止めだ。ここからは道形はハッキリしているが、急降下であり尾根の両側も急激に切れ落ちている。2300m付近はやせ尾根の急降下。慎重に行く。14:20 2101m峰通過。厳密にはトラバースしている。ここから一気に登りつめ、前信濃俣北方肩で幕営する。16:07だった。20:30就寝。
11/23 
4:30起床。6:30出発。7:00信濃俣通過。三角点。プレートあり。世界最南限のハイマツがあるとのことで楽しみにしていたが、確認を忘れ悔しがる。7:10サワラ沢山通過。ここからまた一般路を離れることになる。多数の倒木が横たわる山道に一転する。赤布を頼りに苔を踏んで進む山もまた悪くない。沢音も聞こえる。太陽も少しずつ顔を出し始めた。9:05西俣山頂上。大根沢山方面が見える。大根沢山はピークが平らで根張りの大きな山である。この稜線は赤布も少なくまた昇り降りが激しい。10:30 1874mを通過して5分で鞍部。小広い平地にテントサイトも取れる。11:40大根沢山北方コル。狭い。西側の沢に水を取りに行く。下り5分で細流に出会う。
そこからは絶壁の登り。岩は脆く細心の注意が必要。大根沢山の肩のこぶの下りも岩場であるので注意。大根沢山の登りは長い。急登が続く。尾根を乗越し、沢状のところを登りつめ赤布に導かれて大きいジグザグを切る。14:20大根沢頂上の一角に到着する。ほんとうに平坦でどこがピークだかよくわからない。展望は皆無。樹林が鬱蒼と茂る。10分ほどで、三角点がある。名刺入れやプレートがある。2127M手前のガレは大きく発達している。16:17大根沢山と小根沢山のコルに到着。アザミ沢の源頭にすぐ水場。くだり一分。テントサイトはなく斜面を削って何とか我慢する。20:30就寝。
11/24
4:45起床。6:45出発。急斜面でパッキングに時間を喰った。8:05小根沢山頂上。フミアトははっきり続く。ピークは樹林に覆われ展望は効かない。途中のガレは危険なので東山腹をトラバースする。最後の急な登りを登り切って三方峰(2150M)に到着。ガレがピークのすぐそばまで迫っている。9:25三隅池。苔の生えた水たまりだが風情はある。かつてあった三隅池小屋のトタン板と丸太が散乱している。池の水は全く飲用にはならない。三隅池の東側のこぶと大無間山とのコルに「南に下り30分で水場」の標識あり。かなり下る模様。大無間まではかなり明瞭な道。指導標もあり「大∞山方面」とある。面白い表現である。10:30大無間山ピーク。草原。ヤグラ。ヤグラに登ると南ア主稜の展望が非常によい。尾盛駅へのフミアトがある。小無間山に向かうと10分で遭難碑があった。中無間(2109m)とのコルあたりは広い稜線でテントサイトも取れる。12:15中無間山頂上。北方向へのフミアト誤りやすく注意を要する。唐松谷の頭をすぎて小無間山で休憩。プレート多し。とうとう最後のピークまで来た。鋸歯は危険はないがバカにはできない。14:55 P3の頂上で一本。15:35中電小屋。反射板が2基ある。ここからは高速道路のように道がよい。16:50薄暮の田代集落の鳥居をくぐる。握手。ご苦労さんでした。マイクロをチャーターして静岡には夜遅く着いた。結局、入山して下山するまで誰にも会わない山だった。会ったものといえば鶏冠山付近でカモシカをみただけだった。

感想

・南アルプスの縦走といえば南端を光岳とするのが一般的であるが、実際には稜線はそこから二分し一方は加加森山〜池口岳〜鶏冠山〜中ノ尾根山〜黒沢山〜不動岳〜丸盆岳〜黒法師岳〜蕎麦粒山と名前を聞いただけでもワクワクするような名峰がその峰頭をもたげて連なっている。もう一方の尾根にも百俣沢の頭〜信濃俣〜西俣山〜大根沢山〜小根沢山〜大無間山〜小無間山などこれまた玄人好みの山々がこぞって我々を誘っている。
・2000mの高度を持ちながら一般路が通っていないというアンバランスが我々の心を激しく揺さぶったのである。一帯は山ビルなどの棲息地と言われて多少ビビる気持ちもあったが、秋深いこの時期はそれも大丈夫だろうということで出かけた。
・予定のコースを予定どおり歩くことができた。全縦走路が樹林の中であり、展望の開ける山はなかったが、万古斧鉞いらぬ手つかずの自然の中を枯葉やコケを踏みしめながら歩くことができた。
・誰にも邪魔をされない山歩き、人気のない山歩き、道のない山を跋渉する山歩きを志向される方にはうってつけの山域だと思う。

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