残雪期の奥穂高岳&北穂高岳デビュー


- GPS
- 55:40
- 距離
- 35.5km
- 登り
- 2,521m
- 下り
- 2,520m
コースタイム
10:50 (1.00)明神 -11:05(買い物)
12:05 (1.00)徳沢 -12:10(休憩)
13:05 (0.55)横尾
14:20 (1.15)本谷橋
16:20 (2.00)涸沢ヒュッテ(泊)
4/29(日)
06:15 涸沢ヒュッテ発
08:05 (1.50)穂高岳山荘 -09:00 (軽食)
10:05 (1.05)奥穂高岳 -11:05(散策)
12:15 (1.10)穂高岳山荘 -13:50 (昼食)
14:20 (0.30)涸沢岳 -16:10(散策)
16:30 (0.20)穂高岳山荘 (泊)
4/30(月)
06:30 穂高岳山荘
07:50 (1.20)北穂高ルート(高度2450付近)合流
10:20 (2.30)北穂高岳 -11:50(昼食)
12:50 (1.00)涸沢ヒュッテ
15:25 (2.25)横尾 -15:30(トイレ)
16:10 (0.40)徳沢園
16:50 (0.40)明神
17:40 (0.50)上高地バスターミナル -18:00
18:00 平湯温泉アカンダナ駐車場行きバス最終便
天候 | 4/28(土) 快晴 4/29(日) 快晴 4/30(月) 曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
03:45 自宅 05:45 長良川SA -6:25(朝食) 08:40 平湯温泉アカンダナ駐車場 有料 \500/日 09:20 上高地行きバス 09:50 上高地バスターミナル |
コース状況/ 危険箇所等 |
■上高地〜横尾 雪なし ■横尾〜涸沢 積雪10-60cm程度。 本谷橋は未だ無し。(左岸を詰めて自然と右岸へ) 本谷からの分岐まで、デブリ地帯あり。 ■涸沢〜白出のコル(穂高岳山荘) ・今年は未だ大規模な雪崩れが発生していないので、 小豆沢は避けてザイデンの右側を通るよう 奥穂へ向かう登りの手前で長野県警の方々が指導をしていました。 そんな親切なことやってくれるんですね。初めての経験です。 ・雪質は午前の9:00台で早くも雪はシャバシャバ気味。 ■白出のコル〜奥穂高岳 ・ハシゴを過ぎてからすぐの およそ70mの雪の急斜面が手がかりがなく一番の難所。 ・また、ここを過ぎてももう一箇所 似たような斜面があり。 どちらも要注意。 ・高度感があり緊張を強いられる。滑ると飛騨側に一直線。 ・雪質は時間帯にも寄るが、基本クラストしていて、 ピックを突き刺しそうとしても素直に歯が立たない状態。 ・朝一番に行かれる方は特に要注意。 (実際、4/30には1人滑落したらしい。 幸い手首の骨折のみで済んだとか) ・先行者によって、すでにステップが切られているが、 登り・下りの方々の順番待ちで渋滞していた。 ・しばらく列に繋がっていたが、面白くないので列から外れ、 アイゼンの前爪を2、3度突き刺してステップを作りながら進んだ。 ・厳しい箇所は、ピッケルを振りかざしてステップを作りながら進む。 ・いずれにしても、3点支持をしながら、一歩一歩慎重によじ登る。 ・下りはなお怖くて緊張。 でも後ろ向きにしてやはり一歩一歩確実に進めば問題なし。 ・焦りがもっとも危険。 時間と心に余裕を持っていけば問題ないはずと思われる。 ・できればピッケル2本あったほうがより安全だと思った。 ■穂高岳山荘〜涸沢岳 ・特に危険な箇所はなし。 ・強いていうなら、雪の合間に岩が出ている箇所があるので アイゼンで岩場を歩くことに慣れていれば問題なし。 ・奥穂高へ行くのが技術的に難しければ、 こっちでも景色は十分楽しめると思う。 ・槍ヶ岳はこっちの方が大きくてずっと迫力がある。 ■涸沢〜北穂高岳 ・雪崩るかの状況判断とルート取り難しいと思う。 ・ガイドブックを見るとゴルジュ横を超えてからは 南稜からの雪崩れを注意して右側を寄るよう支持してあったが、 今日はみんなデブリの中を直答していた。 ・日によって選ぶルートが違うようなのでそこが難しい箇所だと思う。 ・白出のコルへ行くルートより傾斜は急。 インゼルの横を抜ける箇所がもっとも傾斜がある。 ・雪質、10時台でちょうど良かった。 帰りは、シャバシャバだった。 |
予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
写真
トレースは僅かに1人分のみありました。
クサリはほとんど隠れていました。
少し偵察して見ると、ルンゼはなんとか下れましたが、その先にある急斜面はホールドがなく、雪も腐ってピッケルを差し込んでも安定しませんでした。
朝一ならまた状況が違うかも知れませんが、今の状況で私の力量ではここまでです。
近くまで寄って、春の香りが鼻から入ると、空気の濃さを改めて感じました。
感想
【1日目】
少し前々までは夢の存在だった、
残雪期の北アルプスにようやく足を運べるまでになった。
天気もピーカンで、いうこと無し。
のはずだったが、いきなり横尾手前で足の付け根がうずいてきた。
荷物が重かったのか? 寝不足の体調不良なのか?
横尾を過ぎた辺で、ようやく引きずるようになってきたので、
たまらずシップを出してパンツ下に5,6枚張った。
何とか持ってくれ〜、と頼みながら。。
それが功を奏したのか、
ゆっくりペースなら まだなんとかごまかしながら歩けた。
美しい景色が心を紛らす。
長かった上り坂も、ようやく涸沢ヒュッテまでで一段落。
入念に足モミ。
小屋泊まりながら、たくさん食料を持ってきたにもかかわらず、
いいにおいと面倒くささに押されて、すべて小屋メシになった。
一つも食料は使わずじまい。これなら置いてこればよかった。(涙)
雪崩を心配していたので、小屋でいろんな方に意見をお聞きした。
10年以上も通い続けているが、大丈夫だよ。という声や
「そんなに怖ければ、早朝早く出ることだな」とか
「まあ10時までに危険地帯を過ぎれば間違いないだろう」
の言葉をいただいた。
心配も少し減り、やる気になった。
よ〜し、明日はやるゾウ!
【2日目】
翌日も快晴。
早朝に星を眺めていると、続々とアイゼンとハーネスをつけた方々がヘッ
デンを付けて暗い山頂を目指して行った。
僕はモルゲンを楽しみにしていたので、
まずはそれまでに注文していた朝飯弁当を先にたいらげ、
カメラを持って日の出を待つ。
ようやく日の出。。。
期待していた程は赤く染まらなかったまでも、
白い峰を染める淡い輝きは、僕の心を打つのに十分だった。
う〜ん、来れてよかった。
観賞はそこそこにして、僕も用意を整える。
なんやかんやしていたら、はや6時を回っていた。
やはりまだ雪崩が怖かったが、長野県警の方が指導してくれて一安心。
雪を踏んでみると締まっている感じ。これならとまた一安心した。
風もなく、登っていると暑い。アウターを脱いで半そでで十分だった。
ちなみに今日の行動服は、
・モンベルの速乾性シャツGEOLINE半そで
・モンベルのメリノウール長袖 →風がなければ腕まくり
・アウターはモンベルのストームクルーザー。
下半身は、
・インナーがミズノのブレスサーモ中厚
・FINETRACK ストームゴージュアルパインパンツ
登り途中、前穂高を見ると、
斜光を受けた北尾根の雪面が美しく輝いて聳えていた。
コンナンが見たかったんや〜!!(涙)
ようやく穂高岳山荘に着いて、まず宿の予約。
腹が減ったので、カップヌードルを頂く。
(食事提供は10時以降だった)
腹ごしらえも済んだところでようやく山頂へ。
登山者の列がすごいが、この天気だし当然か、とそこは諦める。
ハシゴの上がやはり、急斜面で雪も固く、手強かった。
だが基本に忠実に、慎重に行けば、そう敵わない相手でもない様子。
ならばと、縦列から抜けて新たなマイトレースを付ける。
晴れ晴れとした気分、やがて危険箇所は素直にクリア。
シンプルに嬉しかった。
いい気分でしばらく歩くと、ようやく山頂に着いた。
人盛りが多いので少し離れてカメラタイム。。。
視界は360度、大パノラマ。
かつて2度奥穂には着ているが、いずれも午後の登頂だったので、
視界はイマイチだったので今回が初めての景色。
眺めは最高でした。
本当に来れてよかった!
昨日の足の痛みもどこへやら。
ジャンダルムの方を眺めると、ノートレース。
狭い稜線の雪がとがっていて、実に美しかった。
しばらく見とれていると、そちらの方に行ってみたい気に誘われて
いけるところまで足を運ぶ。少しずつ少しずつ。
馬ノ背の手前まで来て、ここが限界と諦める。
でも近づいたおかげでジャンダルムのいい画が撮れた。
積雪期のジャンダル、あの頂に立ったらもっと爽快だろうな〜。
と思いを馳せつつ、後ろに引き返す。
穂高岳山荘への戻り、途中でロープを出している方がいた。
60Mをダブルで使って、2ピッチ。少々足りないと話しておられた。
でもロープ捌きがカッコいい。。
僕もあんな風にしれーっとロープを捌ける様になりたいな。
穂高岳山荘に付き、カレーライス大盛りを頂く。
実にうまい!!!
腹ごしらえが済んだところで、涸沢岳へ。
振り返ると、あの馬ノ背に人が!
う〜ん、やはりアンザイレン。1人じゃ無理ですよね。
しかし、羨ましい〜。。
ほんじゃあ、ということでこちらは北穂高への縦走路を偵察。
ネットを見ていると5月末位に単独で北穂から奥穂に歩いて
おられる方がいたので、様子が知りたかった。
見てみると、すでにトレースがついていた。
靴の方向ははっきりとは分からなかったが、降りる向きのようだった。
やはりツワモノがいるんだ。やるな〜。
どんなか様子を探ると、ルンゼは雪に隠れているが岩場も顔を出している
鎖は表に出ている箇所もあるが、大部分は隠れている。
岩場に差し込んでいる鉄の棒は、すべて見えていた。
ルンゼ地帯はなんとか降りれた。
その先は、、、と足を踏み出すと、
いかん!雪がヤワイ。
ピッケルを差し込むと、いとも簡単に刺さる。
ん?大丈夫かこれ?と加重をかけると、ずるずるっと下がる。
あかん!これはまずい。
ロープを出しても良いが、やはりその先に見えるのは、
風が作った雪の細い稜線。。。
馬ノ背で見たやつや。
う〜む。あそこはずるっといったら御仕舞いになりそうです。
はい!偵察はここまで。戻ろ、戻ろ。
参考にしたい方はしてください。
もし行くんだったら、朝の早い時間がいいかと思います。
でも北穂側の岩場の急斜面がどんな様子だか?
そこは、別途調査してください。
4時を回って、時間もぼちぼちいい時間。
今から帰れば、5時の夕食に丁度ということで、小屋に引き上げた。
【3日目】
翌日30日は曇り。
涸沢への下りは、できるだけ楽をしようとそりを持ってきたのですが、
早朝はやはり雪が硬くて、怖くて出せなかった。
ならばということで、
滑落停止のポーズで横滑りしながらスピード制御して降りた。
はじめいい感じで降りていたら、
いきなり斜面がアイスバーンに近い感じで硬くなってて、
どうやらブレーキが利かない様子。。。(笑)
う〜ん、止まらん!!!?
少し焦りつつ、しばら〜く滑ってなんとか停止。。。
ふ〜っ。やばかった。。。
ピッケルを差し込んで少し休憩。
気がつくと、ゼーゼー息をしていた。
遠いめに人の目が。。とほほ。
ここは危ないので、ひとまずみんなのトレースに戻り、
しばらく降りて雪質が良くなったところで再度トレースから外れて
懲りずにチャレンジ!!
ん〜、今度はいい感じの硬さ。スムーズ〜♪
舵を右に切りながら、北穂へのルートにトラバースしていく。
涸沢まで下るともったいないので、
涸沢小屋が建つ背中の岩場の上にルートをとった。
途中、デブリ地帯を何度も横切るので、嫌な思いをしながら早足で抜けた
結局、北穂へのトレースにたどり着いたとき、結構疲れていた。
⇒結論:楽しようと思うと、結構疲れる。
気を取り直して、北穂への登り。
雪質はいい感じですが、体が重い。
みんなやはり颯爽と僕を抜かしていく。
涸沢ベースキャンプのアタック組みはサブザックでさらに軽快。
⇒こっちはなんだか疲れが倍増。
いかん、人のペースに左右されていては、基本がなっとらん!
と自分を戒め、息を整えてマイペースを保つよう努力した。
でも荷物は重いし、足は痛いし、トレースは一歩一歩が大きいし。
後ろからどんどん来ては邪魔になる度に道を避けてあげないといけないし
コルに着いたときには、結構 疲労していた。
北穂の山頂について、恥ずかしいかな、
ガクっと四つん這いに蹲ってしまった。
いや〜、この登りはキツかった。
でも、北穂の景色はやっぱいいっすねー。
疲れは吹っ飛びます。
一しきり写真を撮り終えて、小屋へ滑り込み、
気持ちのいいベンチに座って昼飯を頂き、十分体力を回復させられた。
下りは、やはり急斜面。う〜ん、やはりステップを一歩一歩慎重に歩くの
はシチ面倒くさい。。。
⇒よし滑ろっ(迷い無し)
今度は尻セードで下りた。
これが雪の硬さに丁度良い!
おかげで山頂のコル近くから、
ほぼ涸沢小屋近くまでずーと尻セードで下りられた。
でも、今度の楽したツケは、
・ザックの横ポケットに入れていた新調した座布団を落としたこと。
・下半身がずぶぬれになったこと。
ガクン。
まあ、怪我なく降りれたんだから良しとしなければ、
と考えを改め、帰路に急いだ。
来たときと違って、トレースが縦横無尽についていて、
雪面がなんだか汚く見え、少し寂しい気持ちになった。
でもまあ、普通にそんなもんだろう。
下りはやはり楽チンだ、と思っていたら、また左足の付け根が痛み始め、
歩くのに困難した。
途中カメラを取ってでも余裕があると思っていたが、遊びすぎた。
横尾で最終便のバス時間を聞くと、なんと17:50!!
やばい、余裕こいてたら時間がきつくなっていた。
でもまだ急げば、きっと間に合うはず〜!
ということで、徳沢からの平坦道を高速歩行モードに切りかえて、
スタコラ歩いた。
⇒おかげでバスには間に合ったが、結構疲れて困ぱいしてしまった。
でもまあ、終わりよければすべてよし。
【まとめ】
今回は実に充実した旅だった。
初めての憧れの穂高にしては出来すぎ。
天気は良く、景色も良く、夏のように人もそんなに多くなく、
気分も良く、実に愉快爽快だった。
今年最後の雪に大満足!!!
反省点もあったが、無事帰ってこれたこと、
そして充実した山旅に感謝!!感謝!!
追伸。
山を降りて鏡を見ると、天気が良すぎで、
結構日焼けをしてしまっていた。
特に鼻は真っ赤になって、汁まで出てきた。
穂高岳山荘の今井さんの笑顔がヤケに良かったのも、
あるいはこの鼻のせいかもな(笑)
ははは〜っ。
reserveさん、こんにちは。
おそらく山頂手前?
すれちがわれたコンテのパーティの中にいました。
当日は最高のお天気でしたね〜。
馬の背は遠くから見ただけだったのですが、
やはり、キレ落ちたリッジ状態でしたか・・・
北穂もいかれましたか、すごいですね。
また、北アや南アなどでお会いするかもしれませんね。
そのときは、よろしくです。
いや〜、そのようですね〜。
お会いしたかったです。
パーティの皆さんとも。
あと、涸沢ヒュッテでもお会いしてたかもです。
食事は奥のほうだったですかね?
はい。そうですね。
なるべく、山行計画をヤマレコにアップしておきますので(お友達どうしでなら「マイページ」で見られるハズ)、同日程、同方向なら是非お声かけください。
>あと、涸沢ヒュッテでもお会いしてたかもです。
>食事は奥のほうだったですかね?
仲間の内3人にはヒュッテ泊でしたが、
私は貧乏テント泊でした(笑)
それでは、またいずこのお山で!
いやーうらやましいかぎりです。
自分の実力ではまだ行ける気がせず、どんなんだろうと思っていたので
細かな情報をかきこんでくださり感謝です。イメージが膨らみました。快晴にも恵まれ本当によかったですね。
来年は自分もいきたいなぁと思いました。
山行おつかれさまでした。
beingさん。
山行計画ですね。
使い方、がんばってみます。
また教えてください!
コメントありがとうございます。
私もつい昨年までは行けると思っていませんでした。
しかし、今年の正月の八ヶ岳と、
近郊の冬山登山で自信を付けてようやく挑戦できました。
今は便利な時代ですね。ネットなどで
調査も念入りにしていたおかげで、
現場に来てもそれほどビビらなかったです。
metabo manさんも是非、準備万端の上
よい天候の時に行ってください。
最高の景色が待ってますよ!
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