遙かなる東大雪の峰々 ニペ,ウペペ,石狩岳 赤白緑黒岳カラー縦走(銀泉台〜黒岳)
- GPS
- 51:51
- 距離
- 84.5km
- 登り
- 6,913m
- 下り
- 6,880m
コースタイム
- 山行
- 9:53
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 10:53
- 山行
- 10:11
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 11:45
- 山行
- 7:02
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 8:21
- 山行
- 6:14
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 7:34
- 山行
- 9:52
- 休憩
- 5:57
- 合計
- 15:49
- 山行
- 1:16
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 1:17
天候 | 18:曇後晴,19:晴後曇,20:曇後雨,21,22:晴,23:雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
飛行機
神戸空港9:10-(skymark,9970円)-11:00新千歳12:00-(212km,3h10min)-16:10糠平温泉郷 移動: (7/18)糠平温泉キャンプ場3:00-( 1.1km+林道2km, 2+15min)-3:30ウペペサンケ山・糠平(ぬかびら)登山口(12h15min)16:15-16:40糠平温泉郷 (7/19)糠平温泉キャンプ場3:00-(16.5km+林道2km,19+15min)-3:40ニペソツ山・幌加(ほろか)登山口(13h00min) 17:00-17:40糠平温泉郷 (7/20)糠平温泉キャンプ場6:00-(25km+林道14km,21+40min)-7:00石狩岳シュナイダーコース登山口(8h30min) 15:30-16:30糠平温泉郷 (7/21)糠平温泉キャンプ場4:00-(63.4km,57min)-5:20層雲峡ホステル 層雲峡ホステル6:00-(層雲峡・上川線 道北バス,920円)-7:00銀泉台 ※層雲峡・上川線 道北バス ・運行2022/7/1〜9/16 ※ロープウェイとリフト ・RW :1400円、6:00〜18:00(20分毎) ・リフト : 600円、6:30〜17:30(所要時間15分) ・RW+リフト:1900円 ・RW麓駅 駐車場無料(いくつかあります) 復路(7/23): 黒岳RW層雲峡駐車場9:00-(212km,3h10min)-15:40新千歳17:40-(skymark ,9970円)-19:40神戸 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ウペペサンケ山: 短縮コースの渡渉箇所は、水量が多い場合は慎重に。倒木がいくつかあるので利用できるものは何でも利用して突破しましょう。ぬかびら富士の稜線に乗るまでが長いですが、頑張りましょう。ニセピークで心折れないように。稜線に乗ってしまえば至高の稜線歩きが待っています。 ニペソツ山: 幌加温泉コースの林道ゲートから約2km先までの登山口までは車で入れます。ただし、けっこうガタガタな道なので神経を使う。慎重に進みましょう。そこから、先は長〜い泥んこ地帯。長靴、又はハイカット登山靴+スパッツの万全の足元で、中央突破で進むのが良いかと思います。長靴の場合は見晴台でデポ。そこからは激急登が待ち受ける。ここは気合で突破して、山頂を目指しましょう。 石狩岳: 長い林道を抜け登山口へ。ここは安全運転で。急登で知られるシュナイダーコースは、気合で突破すべし。雨の日はスリップ注意! 大雪山系 赤白緑黒岳縦走: よく整備された登山道です。 ※クマ対策 山深い東大雪の山域は、どこでもクマがでそう。(登山道整備も手掛けるぬかびらキャンプ場の管理人さん曰く「クマクマしている」とのこと) 熊鈴必携で、朝一で入山して登山道を自分がその日初めて歩く場合や、フレッシュなクマの糞を発見したときは、迷わずホイッスルを高らかに吹き鳴らすべし。出会い頭の不幸な事故を避けましょう。 |
その他周辺情報 | 概略日程: 7/17(日)移動(神戸⇒札幌⇒糠平[ぬかびら]温泉) 国設ぬかびら野営場泊 18(月)ウペペサンケ山(ピストン) 国設ぬかびら野営場泊 19(火)ニペソツ山(ピストン) 国設ぬかびら野営場泊 20(水)石狩岳(ピストン) 国設ぬかびら野営場泊 21(木)赤・白・緑・黒岳縦走(初日) 白雲岳避難小屋 テント泊 22(金)赤・白・緑・黒岳縦走(2日目) 黒岳石室 テント泊 23(土)移動(層雲峡⇒札幌⇒神戸) レンタカー: ・Jネットレンタカー新千歳空港店 https://www.jalan.net/rentacar/search/010000/LRG_012900/SML_012911/SHOP_5848/?tab=detail ・電話:0120-30-2554 ・新千歳空港から無料送迎バス運行中 ・代表車種:ハスラー4WD、免責保証込 ・期間 2022/07/17 12:00〜2022/07/23 17:00 ・合計金額(税込)22,510円 ・空港送迎バス有り(電話後、Max15分で到着とのこと) ・USB充電器のレンタル可能 ガソリンスタンド: ・ホクレン 上士幌セルフSS ・7:00-19:00 宿泊: ※○は今回利用 ○国設ぬかびら野営場 https://www.kamishihoro.jp/place/00000080 ・350円/泊(予約不要) ・営業期間:2022/6/25〜9/24 ・付近の温泉 https://www.kamishihoro.jp/sp/nukabira/00000116 ・幌加・糠平 湯巡り切符 1200円(3箇所) ・層雲峡オートキャンプ場 https://activitykamikawa.jp/ ・フリーサイト 500円/泊(30張限定。予約不要) ・WC・シャワー・ランドリー ・営業 2022/4/29-10/30 ・TEL.01658-5-3368 / キャンプ場管理棟 ○白雲岳避難小屋 https://www.hakuundake.jp/ ・テント500円(50張、予約不要)+登山道維持協力金1000円(手拭い含む) ・小屋泊2000円 ・フードロッカー有 ○黒岳石室 https://www.town.hokkaido-kamikawa.lg.jp/life/i8u8uo0000000fzk.html ・テント500円(35張、予約不要) ・小屋泊2000円 温泉: ・糠平温泉 湯元館 https://www.nukabira-yumotokan.jp/higaerionsen.html ・営業13:00〜19:00(最終受付18:30) ・入浴料 800円 ・金・土・日のみ営業 ○糠平温泉 中村屋 https://nukabira-nakamuraya.com/ ・営業7:30〜10:00、14:00〜20:00(最終受付19:30) ・入浴料 600円 ○幌加(ほろか)温泉 湯元鹿の谷ゆもと かのや ・大人\3500(税込),日帰り温泉500円 ・午前8:00〜午後8:00 ・電話:(01564)4-2163 ・登山客利用が多かった ・黒岳の湯: ・営業10:00〜21:30(最終受付21:00) ・入浴料 600円(RW乗り場の割引券で500円) ○遊湯ぴっぷ ・入浴料 500円 ・営業10:00〜22:00 ・比布北ICより5分 下山後のランチ: ○ハピオ(帯広) http://www.hapio.jp/tenant/tokatoka/page3.html#page_menu ・トカトカでパンを購入 その他: ○ツルハドラッグ木野店 ・ハピオ(帯広)すぐ ・電話0155-43-5560 ※7/17まで燃料アルコール取り置き依頼(500ml x2) (7/2依頼済,無休,9:00-20:00) ○ひがし大雪自然館 https://www.ht-shizenkan.com/ ・帯広より1h ・ 開館時間 : 9:0017:00 ・道の駅かみしほろ https://karch.jp/michinoeki/restaurant/ ・トカトカ ・4月末から10月上旬 9:00-18:00 ・大雪山国立公園連絡協議会 http://www.daisetsuzan.or.jp/trail-news/tozan_ginsendai/ ・層雲峡花図鑑 http://sounkyovc.net/hanazukan/ 参考にさせて頂いたレコ: 【長編★天国の稜線】ウペペサンケ山(糠平コース)dominonさん https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2407123.html 【新月デトックス】大雪山カラー縦走[赤・白・緑・黒]dominonさん https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3422283.html |
写真
感想
いざ、北海道へ!
神戸空港から新千歳空港へ飛行機で移動。北海道の大地に降り立つ。サラリーマンにとって、ここまでたどり着くことが最大の難所である。色々あったが、なんとかやって来た。折角、頂いたまたとないチャンスは、有効に使いたいものである。
天気予報とにらめっこするも、今週はパッとしない予報が続く。今回歩く東大雪のお山は難所だらけであり、天候が崩れるととても歩ける山では無い。雨予報の続く中、なんとか隙間を見つけて登りたいと考えていた。
帯広で準備を整える。ニペ対策の長靴を購入(DCMホーマック)。アルコール燃料も調達(ツルハドラッグ)。1週間分のランチとなるパンも購入(トカトカ)。上士幌でガソリンを満タンにして、ぬかびらの小さな温泉街へと移動。この日はずっと大雨の中でした。心細い気持ちのまま、天候の回復を信じて、この日は車中泊とした。
◆1日目 ウペペサンケ山(ピストン) 国設ぬかびら野営場泊
朝2時起床で、登山口へ移動。そこで準備を整えて歩き始めた。
(前日、ひがし大雪自然館の前で車中泊を試みたが、「隣接キャンプ場で夜通しギターを引いて歌う若者達」がいたため、西村屋さんの駐車場へ移動して夜を明かした。車中泊だと場所を移動できるので事なきを得た)
雨で増水した川を、なんとか渡渉して、旧登山口へとたどり着いて一安心。登山道に取り付く。急登を息せき切って登り、1662m峰の小ピークへ。ガッスガスで辺りは見通せないが、ここからぬかびら富士までも長ーい稜線が待ち受ける。ハイマツをかき分けてガスの登山道を進んだ。
予想に反して、太陽が見えた。ぬかびら富士に着く頃には青空も見えだした。ラッキー。右手にはニペも見えるやん。ウペペの山頂もロックオン。こうなったらこっちの物です。はやる気持ちを抑えつつも前へと進む。
本峰を越え、西峰に到着。ついにヤッタぞ!(ハイマツの藪こぎは予想したほどではなかった)
途中、追い越したご夫婦(函館の方)のパーティと登頂を喜び合った。ランチを食べてゆっくりしたら下山だ。帰りも長ーい稜線が待っている。できれば、天候が崩れる前に下山したい。名残惜しくも、素晴らしい稜線を後にした。
無事、旧登山口まで下り切った。今日の難所は越えた。あとは短縮コースの渡渉を繰り返して車まで戻った。
今日は、ぬかびら温泉街に戻り、キャンプ場にテントを張る。晴れててよかった。ビショビショに濡れた装備を全て干して明日に備えた。夕方は西村屋さんのお風呂でほっこり。なんとか初日を乗り切ったことに安堵して眠りに就いた。
◆2日目 ニペソツ山(ピストン) 国設ぬかびら野営場泊
いよいよメインイベントのニペに挑戦の時がやってきた。天気は午前中は持ちそう。なんとか山頂までたどり着きたい。気合を入れて、登山口から歩き始めた。
今回は初の長靴登山に挑戦。ドロドロの登山道は噂以上のものでした。長靴なかったら難しかったかも...。先人達の情報に感謝です。
長い泥んこ地帯を越え見晴台へ。ここで一気に視界が開けた。なんとニペが眼前に!めっちゃかっこええやん。これを見ただけでも幸せになりました。おまけにウペペの美しい稜線も見えてるやん。すっげー。
トレッキングシューズに履き替えて、急登を詰める。どんどん標高が上がる。雪はすっかり溶けて無くなっていました。そこのお花畑はすごかった。カメラを撮る手が止まらない。ザックを背負ったまま、しゃがみ込んで撮影すると、立ち上がると立ちくらみがするけど、何度も撮ってしまいました。
声はするけど岩陰に隠れ、なかなか姿を見せないナキウサギ。臆病なのでしょう。偶然、一瞬だけ可愛い姿を見ることができた。カメラに手を伸ばした瞬間に居なくなってしまったけれど、ありがとうね。途中、シマリスともご対面。ちょこちょこと登山道脇を行ったり来たりする姿は可愛かったです。
ロープの付いた激急登を突破して、ようやく山頂へと続く稜線に乗る。テン場となっている前天狗、天狗平を越えてコルを抜け山頂へ。もう山頂までの距離は短いが岩稜帯が続く。なかなかに手強いコースである。最後まで気を抜かずに進んだ。
山頂はガスに包まれていたが、ランチ休憩しているとガスも晴れた。ラッキー。しばし絶景を楽しんだ。
さあ下山。山の天候は変わりやすい。あまり油断できない。足早に下りた。長ーいドロドロの登山道を抜けて登山口が見えた時はホッとした。今日も、なんとか歩き切ることができました。神様ありがとうございます。
鹿の谷温泉で汗を流し、ぬかびら温泉街にもどってテントで休んだ。翌日は大雨の予報。「明日はお山は一休みかな」と思いながら、眠りに就いた。
◆3日目 石狩岳(ピストン) 国設ぬかびら野営場泊
朝2時に起床してみると、夜からの雨が降り続いていた。今日はやっぱりお休みか?ふて寝に入る。
空が白んで、朝4時に起きてみると雨が止んでいる。とりあえず朝食を取って、テントから顔を出すとなんとか行けそうじゃないか!まじか。じゃー行ってみようと、急いで支度を整えて、車に乗り込んだ。
シュナイダーコースの取り付きまでは長ーい林道を抜ける必要がある。途中、林道でキタキツネが走り去った。さすが、山深い東大雪は野生動物の宝庫ですね。クマの気配も十分に濃厚ですが、できれば出会いたくないものだと思った。
登山口には、金沢ナンバーの車が一台のみでした。こんな天気でも山に入るとは、やるなー。仲間がいると分かると少し安心します。(この方とは山頂で出会うことになる)
聞きしに勝る急登のシュナイダーコースを息せき切って登る。ガッスガスが幸いして今日は涼しい。ピーカンの日だと、こうはいかないと思う。なんとか石狩岳山頂までは天気が持ってくれた。お山の神様、ありがとうございます。
山頂で、ランチ休憩をしていると、ソロの方が稜線を戻ってこられた。聞けば、小石狩岳まで行ってもどって来たそうで、途中でコマクサの大群生があったよ!と教えて頂いた。この先もう下りようかと思案していたが、そこまでは行ってみることにした。
カメラだけを抱えて、先へと進むとありました!本当に見たことの無いほどの群生で感動しました。写真を撮っていると雨が降り出す。上の雨具を着ておらず、すぐに山頂に戻る。そして下山開始。最後に良い物を見せて頂いた。
雨でぬかるんだシュナイダーコースの急坂を慎重に下りた。体力と神経をすり減らしてなんとか下山。ホッと胸をなでおろした。今日もお山に登れました。ありがとうございました。
ぬかびら温泉キャンプ場に戻って、管理人さんに「登山に一度しか使っていないのだけれど、長靴を使ってもらえませんか?」と相談してみると、快く引き受けてくれた。
話してみて初めて分かったことですが、実は管理人さん、山の大ベテランで、なんと東大雪の登山道整備をされている方でした。ウペペサンケの短縮登山道の整備もご自身がされたとか、すげー。管理人さんの様な方がいて、重ね重ね感謝です。
ここは、冬もいいんだよ、と冬のニペの写真も見せてくれた。私が今回使った幌加温泉からのコースは、元々ニペの冬の登山道であることを管理人さんから聞いて初めて知りました。16ノ沢林道コースは登山道の崩壊が激しくなかなか戻らないとのこと。幌加温泉コースは、長いし険しく一筋縄ではいかない。ニペのハードルを一段と上げている。早く復活して欲しいな、と思った。(距離が長くなってから、長距離を得意とするトレランの人達が増えたそうな。面白いですね。)
冬はワカサギ釣りで、湖がテントで一杯になるんだよと写真を見せて頂く。山に登らずとも、美しい山々に囲まれてテントでワカサギ釣りに興じるのもオツかな、と思った。でも、体力のある内はバリバリ登る方が楽しいのでしょうね。
管理人さんとの楽しい話題は絶えないが、テン場の他の方が聞きに来られたのを期に、お礼を言ってテントに戻った。
◆4日目 赤・白・緑・黒岳縦走(初日) 白雲岳避難小屋テント泊
朝2時に起きて、朝食後テントを撤収して、層雲峡に移動。途中、快晴の三国峠からニペとウペペが並んで見えた。それだけで満足してしまった。朝から良いものを見せて頂いた。
層雲峡の流星・銀河の滝にも寄ってから、層雲峡駐車場へと移動。ここからは6時発バスで銀泉台の赤岳登山口に移動した。登山者で寿司詰め状態のバスは進む。人気があるんだな、と思った。ここで準備を整えて歩き始める。
途中で出会った札幌からの男性2人組パーティと、行程はほぼ同じ(白雲岳避難小屋泊まり)だと分かり、しばらくご一緒させて頂く。聞けば、お一人はこの4月から札幌に移り住んで、山は始めたばかりだが、お師匠さんと仰ぐ近所の方と一緒に登っているそうな。秀岳館の直ぐ近くにお住まいがあるとのことで、利便性もばっちり。学生時代は探検部に所属していて、川口探検隊よろしく、洞窟の穴蔵をヘッデンで探検していたらしいが、怖くて辛くてちっとも面白くなかった。師匠との山は楽しい!とのこと。近くに良いお山があって、お師匠さんにも恵まれて、羨ましい限りですね。私は、カラー縦走を目指して、白雲岳と緑岳に立ち寄るため、途中で分かれた。
昨年の大雪山系縦走(旭岳から十勝)の際には、台風に追いかけられて猛ダッシュで駆け抜けたので、白雲岳すら立ち寄ることが出来なかった。今回はすごく楽しみにしていた。白雲岳からは、美しいゼブラ模様が見えた。しばらくボーっと眺めて過ごした。
緑岳経由で避難小屋へ。小屋前でお二人と再会。今日は、小屋は今シーズン一番の大盛況だと聞いた。雪解けでお花が一番の時期なので人気なのでしょう。テン場にテントを設営し、ご飯を食べて就寝。
◆5日目 赤・白・緑・黒岳縦走(2日目) 黒岳石室テント泊
朝2時起床で、準備を整え歩き始めた。今日はめっちゃ天気が良い。私は夜明け前の時間帯を歩くのが好きだ。山で空が一番美しい光景ではないかと思う。
北海岳からお鉢平の周囲を巡る。お鉢平は今日も美しかった。登山道脇に咲き誇るお花を愛でながら少しづつ下る。最後に川を渡渉して、登り返すと黒岳石室に到着。
早速、テント設営。テント装備一切をデポして、お鉢巡りに向かう。コマクサの咲く登山道の先でシマリスさんとご対面。忙しそうに行ったり来たりしていました。いつ見ても可愛いものですね。その先でキタキツネにも出会った。
壁のようにそびえ立つ雪渓を目前にして、胸に不安を覚えつつもキックステップでなんとか登れてホッとする。続く北鎮岳はガッスガスで視界無し。まあ、踏めただけ良しとしよう。
間宮岳分岐で、ザックをデポしてカメラのみ抱えて旭岳に向かう。ズリズリと滑りながらも雪渓へと続くザレ場を登る。途中出会った20代の若い彼は、6月に北海道に入ってもう1ヶ月半になるという。思い切って仕事を辞めて車中泊で北海道を回っているという。山好きな彼は山を中心に利尻や斜里、知床の羅臼などを周り、これだけ長居しても北海道のお山は飽きないとのこと。充電期間を存分に満喫されている様子で、お盆過ぎには帰るとのことでした。私もまだまだ行きたいお山がいっぱいある。やっぱ北海道は魅力的やなぁ。
旭岳山頂では、ガスに巻かれたが時折周りの風景を少しだけ覗くことができた。これでも十分に満足した。山頂から戻る途中、前日の白雲岳避難小屋でご一緒させて頂いた、西宮の山の会(約10名のパーティ)と出会ってしばし談笑。またどこかのお山でお会いしましょうと、そこで分かれた。(この会の方は、大雪山の後、羊蹄山にも登られるとのことでした)
間宮岳分岐でザックを背負って、黒岳石室へと戻った。疲れたのでテントで一寝入りして休んだ。
夕方、小屋前で食事をしていると、ガスが晴れてきた。諦めていた夕日が見れるかもと、ヘッデンとカメラだけ抱えて最寄りのピークの桂月岳へと急ぐ。綺麗に空が焼けており、しばし移りゆく空色を楽しんだ。最後に良いプレゼントを頂いた。明日は朝から雨予報とのこと。美しい夕焼けを見ながら「本当に雨が降るのかな」と思った。
◆6日目 リフト・RWにて下山後、移動(層雲峡⇒札幌⇒神戸)
朝2時に起きて見ると、テントの屋根を大粒の雨が叩いていた。今日は下りるだけ、もう少し寝ようと、二度寝に入る。4時に起きてご飯を食べるも雨は降り続く。テントを残して、荷物のパッキングを済ませて、屋根のある石室の立派なトイレ前スペースへと移動。そこでタバコ休憩されていた管理人さんと少しお話させて頂く。
「石室は冬でも開放していて誰でも使える状態だが、今年はマナーの悪い方が、2箇所も窓を壊して入り難儀している。昨日1つ修繕した。またもう1つ直さなければいけない」とのこと。山屋ではなく、スキーかボードの人だろう、とマナーの悪さを嘆いていました。
山に入る人はそれぞれだが、最低限のマナーを守って遊んで欲しいと、つくずく思った。善意で開けている避難小屋を壊すなんて論外である。管理人さんの苦労の一端を垣間見た。
その日のテン場は私を含めて3張り。雨が弱まったのを見計らい、速攻でテントを撤収してパッキングする。しばらくするともう1張りも撤収されて来たので一緒に下りることに。
大分から来られた方で、まだ山を始めて2年目。大分からだと直行便は無く羽田で乗り継いで北海道に入った。今日は雨だったけど、昨日は天気も良くて、旭岳ロープウェイから入って、チングルマのお花畑で名高い「裾合平」を見て、すっごく満足したと伺いました。いきなり大雪山系を歩くと、北海道の山好きになるのも仕方ないことでしょう。下山後は弟子屈に行って、道東エリアを巡るとのことでした。いろいろ話しながら行くと、リフト駅に到着。朝一なので貸切状態のリフトとロープウェイを満喫して、楽しく下山。彼は旭川行きバスに乗って、そこで別れた。
ぴっぷの町でお風呂に入り、ご飯を食べ、その後、空港へ移動。神戸行きの飛行機に乗った。あまりに疲れ切って、離陸前に眠ってしまい、起きたら上空でした。良く晴れており、北アのお山が雲の上に顔を出していました。今度はいつ行けるかなぁ。
今回は憧れの東大雪の稜線を歩きました。終わってみれば、天候も思ったほど悪くなく、ほぼ予定通りの山歩きができました。遠くてかつ険しく、なかなか行けない山域ですが、結果的にとっても充実した山行となり大満足。感謝ですね。
今日も良い山でした。
(1日の消費量 水2.5L、燃料80ml(夜30ml+朝30ml+昼20ml)
荷重15kg(水除く)、アルファ米 7/12食)
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今回は憧れの東大雪を歩きました。普段は公共交通機関を利用するのですが、山深いこの山域へのアクセスには車が必須ということで今回は、レンタカーで移動。登山道への取り付きは、慣れない林道走行に緊張の連続でしたが、軽四駆のハスラーはとても扱い易く、地下足袋よろしく滑り出しも分かり易い。回を重ねるにつれ、とっても心強い相棒となりました。
天を突くニペソツ山は本当にかっこよい。あのイカつい山様は見るものを虜にします。最近読んだ本で、ニペも石狩岳も深田久弥が訪れていたことを知りました。幌加温泉からのアプローチは厳しいコースのチャレンジとなりましたが、訪れて良かったと思います。
雪解けの大雪山の素晴らしいお花畑は言わずもがな。次の北海道はどこのお山に行こうかな〜と楽しく思案しています。
ずいぶんと私好みのシビれる旅をしているんだなぁ...と思っていたら、私のレコを参考にしていただいていたようで、お役に立てたならば幸いです。ウペペサンケに関しては整備も入り、林道をショートカットできるようになったようなので、私が歩いた時のような過酷な状態ではなさそうですが、東大雪の山はどこも魅力的ですね。素晴らしいレコをありがとうございます。
かっこいいニペソツの存在を知って以来、憧れの東大雪。関西からは遠く、夏山シーズンに年に1度の遠征のチャンスを活かして歩いてきました。ぐずついた天気予報でしたが、実際歩いてみれば山ではそれほど崩れることもなく、東大雪のお山を満喫することができました。充実した時間を過ごし、山からエネルギーを頂きました。
dominonさんのレコは、いつも楽しく拝見しております。次は道東のお山も歩いてみたい。憧れの知床縦走の計画を練っている所です。大自然の中、羆の恐怖と戦いながら、テン泊縦走できることを楽しみにしています。
コメント頂きありがとうございました。
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