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Yamareco

記録ID: 459789
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
奥秩父

奥秩父主脈縦走(奥多摩駅〜瑞牆山荘)前夜発2泊3日

2014年05月31日(土) 〜 2014年06月03日(火)
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GPS
--:--
距離
68.7km
登り
5,772m
下り
4,599m

コースタイム

6/1 0:05奥多摩駅ー石尾根ー雲取山ー飛龍山ー16:00将監峠(将監小屋)

6/2 4:15将監小屋ー笠取山ー雁坂峠ー15:00甲武信小屋

6/3 3:30甲武信小屋ー甲武信岳ー国師ヶ岳ー大弛峠ー金峰山ー15:00瑞牆山荘
天候 1日晴れ、2日晴れ、3日上空薄曇
過去天気図(気象庁) 2014年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
往路:JR青梅線で奥多摩駅
復路:バス、瑞牆山荘前〜韮崎駅 平日最終便15:25

感想

 昔のアルパインガイドでは奥秩父主脈縦走が4泊5日で案内されていました。当時からやりたいと思っていたものの、5日あったら北アルプスとか東北の山とかへ行きたくなる。そうやって先延ばしになり、縦走ばかりか途中の山々のピークハントも、ほとんどしないまま空白の一帯になっていました。今回、これを2泊3日でやれるのではと思い至り決行。奥多摩駅へ終電で行き、深夜0時過ぎに出発、夜通し歩くことで全行程を3日以内に収めることに成功しました。

 私はトレランでもウルトラライトでもありません。特別早歩きなわけでもなく、普通に健脚なだけ。コースタイム60分のところを55分で歩いて、5分の休憩時間を作り出し、コースタイム10時間のコースを10時間で歩く。その程度のペースです。今回の装備は、避難小屋泊りやビバークを想定して、テントは持たず、ツェルトとシュラフは携行。水は4ℓ(2ℓのポリタンと500mlのペットボトル4本)。ザックは合計で15kgでしたが、もう少し軽く出来なかったかと後悔しました。最大のミスは、軽アイゼンとスパッツ(ゲイター)を忘れたこと!残雪期の山でどちらも必携品でしょう。

☆奥多摩駅〜雲取山
 奥多摩駅にタクシーの待機はなく、鴨沢などへタクシーでアプローチすることは不可能です。雲取山から東へまっすぐ駅まで伸びる石尾根を歩くことで「全山縦走」の気概を高めます。石尾根は広い尾根で深夜でも迷うことはありません。最初の登山道の取り付きがよくわからず、車道を余計に歩いてしまいましたが、夜ならそれもOKでしょう。気を付けたいのは道迷いよりも熊。奥多摩エリアは熊出没の看板が至るところにあり、山野井さんのような世界的なクライマーが襲われて大怪我をした事実は恐怖心を煽ります。熊除けの鈴は必携。夜だったらラジオをガンガンかけながら歩くのもありかも知れません。
 雲取山へはコースタイムでたどり着けませんでした。途中2度3度、眠気でぶっ倒れたのが原因。今思えば、鷹巣山の避難小屋で、1,2時間仮眠する計画にすればよかったかもしれません。

☆雲取山〜将監峠
 雲取山から先もペースが上がりませんでした。寝不足と暑さと荷の重さが堪える。水源林の作業路は尾根の南側の斜面をトラバースするように付けられており、展望の少ない樹林帯を行くように聞いていましたが、予想以上に日射が厳しい。この日、1日で水を3リットル飲みました。水場での水の補給計画が重要になります。嬉しかったのは飛龍山から2,30分下った登山道上にガイドブックにはない水場があったこと。湧水程度なので、水場としては認識されないのでしょうが、赤テープの目印があり、カップなどを使わずにペットボトルに水を満たすことも可能です。
 この行程は、バテていたせいもあり、全行程のなかで一番単調で辛いものとなりました。結局、将監小屋で力尽きることに。本当は笠取まで行きたかったのですが。積極的なビバークを前提にした計画ですが、身体は汗でべとべと、たかってくる虫がものすごく、水場のないところでの露営はかなりの気力体力を残していないとできません。

☆将監峠〜唐松尾山〜笠取山〜雁峠
 宿泊客が4人しかおらず、水も豊富な山小屋で快眠したことですっかり体力が戻ります。この行程は水源の作業路と尾根道が選択できます。尾根を歩くことで気分も爽快です。何より、唐松尾山〜黒えんじゅ山周辺のしゃくなげが見事で癒されました。展望があまりなく、人も少ない尾根だけに、しゃくなげの美しさが際立ちます。いわゆる名所と言われるところに勝るとも劣らない穴場ではないでしょうか。

☆雁峠〜雁坂峠
 峠はどちらも明るい草原ですが、日差しが強いと遮るものがなく、のんびりできないかも。尾根道は比較的明るい樹林帯。古礼山山頂の少し手前に展望の開けた休憩の適地があります。ベンチあり。

☆雁坂峠〜甲武信小屋
 この行程、ここまでもずっとそうですが、途中に目ぼしいものが何もないのに長い。とにかく長い。幸い高低差はそれほどないので、奥秩父の深い森を楽しみつつ、ひたすら歩く、それしかありません。この日は甲武信泊りと決めていたので、最後の力を振り絞ります。とくさ山の登りから雪が目立ってきます。30〜40cmの積雪。ゲイターがないので、緩いところなどでは雪が容赦なく靴の中に入ってきます。
 甲武信小屋は十文字峠のしゃくなげが見頃ということで平日にもかかわらず、中高年登山者でいっぱい。ちょっとうるさかったですが、名物小屋主のビデオ上映などもあって、なかなかいい雰囲気でもありました。

☆甲武信〜国師ヶ岳
 この行程、約5時間、あいだに何もなし。途中1人も会わず。雪は深く、50cm前後、吹き溜まりでは1m近いところも。アイゼンは必要ありませんが、ゲイターは絶対。膝まで踏み抜くこともあります。仕方ないので、雨具の下を穿くことでなんとか対処しました。しかし、今回の全行程でどこが一番良かったかと言われれば、迷わずこの部分を選びます。これぞ奥秩父! 辿り着いた国師ヶ岳の山頂では最高の感動を味わいました。

☆国師ヶ岳〜大弛峠〜金峰山〜瑞がき山荘
 大弛峠まで車で入れるので、軽装のハイカーが目立つようになります。甲武信〜国師ヶ岳で奥秩父の真髄を味わってしまって、この行程は最後のおまけ、消化試合のようになってしまいました。金峰の頂上はやたらと広く、地形を把握するのに時間がかかります。コースタイム以外に頂上での休憩を30分は見込んでいた方がいいかも。ただし、金峰山の登り下りはコースタイムが緩い印象。こちらは最終バスの時間が気になって飛ばしていたのですが、コースタイムの短縮が容易でした。
 奥多摩駅から歩いてきたのですから、瑞がき山まで踏破しての「全山縦走」かもしれませんが、前日に大弛小屋まで来ていないと瑞がきの往復はとても無理。最終バスを目指して、最後はひたすら下るのみでした。

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