槍ヶ岳
- GPS
- 45:30
- 距離
- 43.4km
- 登り
- 2,106m
- 下り
- 2,095m
コースタイム
05:50あかんだな駐車場-06:15上高地着-06:34上高地発-07:20明神着(小休憩)
07:29明神発-08:15徳沢着(小休憩)-08:20徳沢発-09:12横尾着(小休憩)-09:30横尾発-10:10槍見河原着(小休憩)-10:20槍見河原発-11:08槍沢ロッジ着(小休憩)-11:20槍沢ロッジ発-12:04槍沢キャンプ場(ババ平)着
【8/10】*歩行0分
終日停滞
【8/11】*歩行11時間02分(休憩込み)
04:50キャンプ場発-06:00天狗原分岐通過-08:15槍ヶ岳山荘着(小休憩)-08:22槍ヶ岳山荘発-08:47槍の穂先着(遠望休憩)-09:04穂先発-09:34槍ヶ岳山荘着(小休憩)-10:00槍ヶ岳山荘発-12:04適度に休憩しながら南岳着(中休憩)-12:25南岳発-14:02天狗原通過-15:52槍沢キャンプ場着
【8/12】*歩行5時間38分(休憩込み)
07:55テント場から撤収-13:33上高地着-15:57平湯温泉発
*合計22時間10分
過去天気図(気象庁) | 2009年08月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
【8月9日】
移動中の雷雨が嘘のように、その日の朝は虹が出迎えてくれていた。
平湯温泉で6時のシャトルバスに乗り込み、上高地へと向かう。
トンネルを過ぎ、しばらくすると朝靄に佇む大正池が見えてきた。
つい見とれてしまい、写真撮ることを忘れ、気がついてカメラを取り出すも、すでに通り過ぎていた。
今日の天気は大丈夫かな?
昨日のような雷雨にならないかな?
「登山届を出しましょう」って、警察の人?が上高地のポストの前で声をかけている。
「今日は、午後2時くらいから雷雨があるかもしれない」ってその人が話してる。
天候・時刻からみて、予定の修正が必要のようだ。
写真で見る限り、各キャンプ場って尾根にあるように見える。
雷大丈夫かな?っと心配する。
現地へ行って、無理そうなら山荘に泊まろう。
予算無いから、素泊りかなぁ。
プランを見直し、登山届を修正して投函した。
実は、山行2日前までは、涸沢をベースに穂高集中登山のプランを立てていた。
奥穂・涸沢・北穂・屏風ノ耳。
しかし、なぜかしっくりしない。
ほんとにこれでいいのか?
やっぱり一番行きたい・登りたいと最初に思った山にすべきだ。
と、決心したら、パズルの最後の1ピースがハマった時のように、スーっと迷いが消えた。
いくつか練ったプランの中から、「槍沢からの槍ヶ岳」をチョイス。
ということで、目的地は決まった。
降るのか降らないのかハッキリしない天気の中、梓川沿いを歩き始める。
背負った荷物が重い。
はやり予行練習しとけばよかったと思うが、後の祭り。
21kgプラス追加の食糧と水で軽く25kgは超えている。
車から取り出すとき、あまりの重たさに、いくつか中身を減らしたが、それでも23kgは超えていたかもしれない。
もっと軽くする工夫をしなければ。それに足腰をもっと鍛えねば。
明神・徳沢・横尾、ザックを下ろす度に体が浮いていくような感覚に捉われ、ザックを担ぐ度に強烈な重力を感じる。
横尾を過ぎた辺りから、疲労が出始める。
背中の重さと高度の影響かもしれない。
普段は飾りだけのトレッキングポールを取り出し、4足歩行に切り替えるが、当初の目標であった「殺生ヒュッテ」のキャンプ場までは、とても無理そう。
天候不安のこともあり、槍沢ロッジで情報を入手して、槍沢キャンプ場でテントを張ることにした。
この場所は、雪崩で崩壊した槍沢ロッジの跡地で、山に囲まれた静かなところです。
尾根にあるのは事前情報の誤りで、沢沿いの小高い所にあります。
森林限界を超えていないので、雷の心配は無いでしょう(ロッジにて)。
30張りほどの場所ですが、80%はテントで埋まってる。
隙間を見つけてテントを張り、ようやく一息つけました。
明日の行動に備え、天気情報を確認すると、台風9号が日本に近いところで発生していた。
この台風は予想外。
出発前の天気予報では、良い傾向だったのに、これは翌朝の様子をみて決定するしかないな。
【8月10日】
夜半より、結構激しい雨が降っている。
テントには浸水無く、睡眠妨害にはならなかったが、しかし夜明け前に天気情報を見るも、まったく芳しくない。
明るくなって槍沢の上流を見ると、霞んで見えない。
横尾尾根から落ちる幾筋もの滝も、昨日より水量を増している。
雨が降ったり止んだりで足止め決定。
数人の人たちが、5時ころからアタックしに行ったようだが、昼過ぎに戻られた。
話を聞くと、肩まで行ったけど、風が強くて登頂は無理だったようです。
周りのテントの人たちも、午前の早いうちに諦めて早々に撤退していきました。
残ったテントは、2割程度だろうか。
午後、新たな参入組もあったが、それでも4割ほどのテントの数です。
夕方、翌日の天気を確認すると、少し期待が持てそうな予報。さらに翌々日には翌日以上の予報になっている。
急ぐ旅ではないので、予定したプランを変更して槍一本に絞っても、とくに問題はない。
(足止め3日もなると、アルプスデビューは不成功となるが)
サブザックに1日分の装備を入れ、早目に就寝。
【8月11日】
夜中にテントから顔を出すと、星空が広がってる。
月明かりに邪魔されて、満点の星空とはいかない。
じっと見てると、星はぱっちりと目を開けていて、大気の揺れはなさそうだ。
行ける。
さあ出発だ。
未知の道を歩き、先への期待が膨らんでくる。
夜明けと共に、青空がどんどん大きくなってくる。
もっと早く起きて、モルゲンロートに染まる槍を見たかったなぁ。
まあ今後の楽しみにしておこう。
どんどん高度を上げていく。
雪渓を少し登り、しばらくすると槍が見えるのではないかと、前を注視しながら登るも、なかなか見えてこない。
もしかしたらアレが?っと思わせるような山塊に半信半疑しながら、さらに登り詰めていく。
いい加減うんざりしながら振り返ると、目線と同じ高さに雲海が広がっていた。
これって台風一過ですね。
1日待った甲斐がありました。
遠くの上部で、誰かが立ち止まって上を眺めてる。
なにしてるんだろう?。
一歩一歩高度を上げていく。
いい加減疲れた頃、突然その姿を現してくれた。
*ハッとした風景
「カッコいい」
青空の中、天に向かって聳えてる。
ついに来たんだ。
感動しながら槍の肩へ到着した。
初めての槍。
見知らぬ外人さんに、道を聞かれた。
どうやら飛騨沢に行きたいようだ。
身振り手振りと片言の英語の単語と、最後には日本語で教えたつもり。
解ったのか定かではないが、槍ヶ岳山荘の前を進んで行ったので、たぶん合っているのでしょう。
前日までの悪天候が影響して、山頂はほぼ貸切状態。
自分が居た間は、3人がMAXでした。
びくびくしながら穂先を往復し、このあとの行動をしばし思案する。
思案中に、山荘でお土産(登山証明書@200)をGET。
戻る時間のリミットには早かったのと、天候がもちそうだったので、若干体力に不安を感じながらも南岳を目指すことにした。
歩きはじめてしばらくすると、ガスが立ち込めてくる。
雨雲と違って、明るい水蒸気なので、そう早く崩れることはなさそうだけど、視界が悪く展望が利かない。時折薄くなって、飛騨沢方面が見えるも、やはり遠くまでは見渡せない。
南岳に到着しても、状況は変わらない。
南岳小屋に行っても展望は利かないだろう。
それに、ここまでで、結構へばってしまった。
体力的な面もあるが、高度が高い影響が無いとは言えない。
時折襲う片頭痛。富士山で経験した高度での症状に似てるが、ひどくは無い。
高地で1日以上過ごしたおかげかも知れない。
行動食で昼食をとり、少しは体力が回復したが、やはり展望のほうはいまいちです。
天狗原分岐まで戻り、天狗原に向けて出発。
高度が下がるにつれて、時折青空が見えるようになる。
槍も時々顔を出してくれる。
右手の方には、屏風岩らしき山塊が見え、地図で確認すると、涸沢への登山道が一筋の白い筋となって見えた。
いつか。いや次回はあのルートを歩きたい。
絵葉書によく出てる天狗原の池に到着するも、絵葉書のような逆さ槍は見当たらなかった。
残雪がまだ池の大部分を隠していて、近くに居た親子連れも、まだ早かったと言っていた。
ここからの景色を楽しみにして南岳経由にしたのに、少し残念です。
早々に天狗原を後にして、一路ベースキャンプへ戻る。
しばらく歩くと、沢の下流にテント場が見えてきた。
戻ってきた。
よく歩いたなぁ〜
*ホッとした風景
テント場に到着すると、見知らぬテントばかりで、話を交わした人たちは既に居ない。
登頂記念として、棒ラーメン2食分に、おわんで丼の牛丼を入れ、さらにメンマを加えて頂きました。お腹も減っていたこともあり、なかなかの美味。
早目に就寝したくても、なんだか寝付かれない。
静かなテント場で見知らぬ親子がワイワイしてる。
がやがや騒いでるわけじゃないけど、周りが静かだから余計目立つ。
たまりかねた人が、「明日は早いんで、静かにしてもらえませんか」
しばらくしても収まらないので、ほかの人が「・・・周りの状況をよく考えろ・・・」
などなど苦情を言ってる。
一般のキャンプ場なら、夜8時は苦情を言う時間ではないのだが、場所が場所だけに、どちらが正しいのか、僕としては判断に悩むところです。
目的を果たした後だけに、疲れも手伝って知らないうちに朝を迎えていた。
【8/12】
陽も高くなり、露で濡れたテントを乾かして、3日お世話になったキャンプ場を後にしました。
槍沢ロッジで追加幕営料を支払い、4日前に歩いた道をなぞり、徳沢まで戻ると、これまでの疲労がドッっと出て、熱くなった体をソフトクリームで冷やした後、明神から橋を渡り、観光客に紛れて上高地まで無事下山。
時間と体力にゆとりあれば、大正池まで散策しようと思ってたけど、バスターミナルの行列を見ると、そんな気力も無くなってしまい、そそくさとバスに乗り込み、上高地を後にしました。
平湯に戻って汗を流し、次はいつ・どこ登ろうかと考えながら、帰路につきました。
天気に左右されたけど、想定してた混雑もなく、無事目的を果たせたことに大満足です。
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