槍穂高縦走、ジャンダルムピストン
Nearco
その他1人 - GPS
- 56:00
- 距離
- 33.5km
- 登り
- 2,910m
- 下り
- 2,908m
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上高地6:16→8:34横尾8:42→9:53槍沢ロッヂ10:06→大曲10:54→11:42天狗原12:13→13:05坊主岩小屋→14:15槍ヶ岳山荘14:51→15:12槍ヶ岳15:43→16:08槍ヶ岳山荘
【2日目】
槍ヶ岳山荘4:35→5:00大喰岳5:13→5:46中岳→6:37分岐→6:53南岳→7:03南岳小屋7:34→8:57長谷川ピーク→9:19A沢のコル9:33→10:49北穂高小屋11:28→12:39最低コル→13:55涸沢岳13:59→14:16穂高岳山荘
【3日目】
穂高岳山荘3:51→4:32奥穂高岳5:22→6:27ジャンダルム6:43→7:39奥穂高岳→8:07→9:17紀美子平9:35→9:49雷鳥広場→10:08岳沢パノラマ→10:28カモシカの立場→11:10岳沢小屋11:31→12:33天然クーラー→13:05岳沢登山口→13:22河童橋
| 天候 | 1日目:晴→曇 2日目:晴→曇 3日目:日の出前霧、晴→曇(一時雨) |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2011年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
《上高地〜横尾》 危険箇所特になし 《横尾〜槍沢ロッヂ》 梓川に降りれる箇所があるのでそこで落ちたり落としたりしないよう 《槍沢ロッヂ〜槍ヶ岳山荘》 槍沢ロッヂからテント場までの区間はゴロゴロとした石のある区間なので落石等注意。 その後沢沿いのなだらかな斜面になり槍の肩まで段々と傾斜を増してくるが特に危険なところはなし 《槍ヶ岳山荘⇔槍ヶ岳山頂》 鎖、ハシゴなど十分すぎるほどに整備されているのでルートを外さなければ問題ない。 渋滞するので焦らないように。 山頂は広くないので写真撮影等で転落しないよう。 《槍ヶ岳山荘〜南岳小屋》 途中ハシゴ等もあるけれど歩きやすく心地よい稜線の縦走路 中岳山頂から穂高側の斜面は岩がゴロゴロしているのでバランスや落石に注意。 《南岳小屋〜北穂高小屋》・・・大キレット 南岳側は大きな岩の表面が滑りやすいのでスリップ注意。 北穂側は小石や浮石による落石注意。 長谷川ピークは高度感がある。 飛騨泣きはやや苦労する人がいるかもしれない。 全体としては鎖など整備が行き届いているので 岩が濡れていたりしなければ大きな問題は無いと思う。 ただ落石には要注意! 《北穂高小屋〜穂高岳山荘》 大キレットと比べると距離は短いけれどあちらほど親切には整備されていない印象。 その分歩き甲斐のあるコースでもある。 涸沢岳手前の長く続く鎖場は先を急がず着実に。 大キレットとあわせて縦走する時は大キレット終了時に気を抜かないこと。 《穂高岳山荘〜奥穂高岳》 山荘すぐのハシゴ、クサリ場を越えると普通に歩ける緩い傾斜の岩道 暗い中しかも霧のなかだったけれどペンキの印をたどってなんとか山頂にたどり着ける。 《奥穂高岳⇔ジャンダルム》 馬の背は高度感こそあるものの長くないので慎重に行けば下りも上りも問題ない。 むしろその先の大きな下りと上りの方が落石等の危険性もある。 高度感のあるところが多いけれど鎖がある箇所も多い。 ジャンダルムは西穂側から登ればあっけないほど簡単に登れる。 《奥穂高岳〜紀美子平》 吊尾根の縦走は前年より少し荒れていた印象。 大キレットや北穂〜涸沢間程では無いにしても岩場に慣れていないと苦労するかもしれない。 紀美子平が見えてからが案外長い。 《紀美子平〜上高地》 急な下りで疲れていると膝にくる。 鎖場やハシゴなどはあるけれど本当に大変なのは地味に延々と続く下り道 眼下に見えていてもなかなか岳沢小屋までたどりつかない。 岳沢小屋のあとは傾斜が緩くなるもののやはり延々と続く下り道。 |
写真
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感想
【1日目】
盆の連休を利用しての縦走。
当初の計画としては3泊4日で槍ヶ岳から焼岳までの縦走。
いつもの事ながら上高地までのアクセスは、新宿発の“さわやか信州号”
事故渋滞とやらで談合坂SAへの到着が1時間も遅れていたので遅れるかと心配したが
沢渡での低公害バスへの乗り換えを含めても定刻に間に合う。
いつもに増して人で溢れているように感じる上高地バスターミナルでの準備を終えての出発。
初日の目標は「槍ヶ岳山荘」、槍ヶ岳への登頂は天候次第。
事前の天気予報だとこの日の午後は雨の可能性もあったのでそうであれば穂先への登頂は翌朝と考えていた。
上高地から横尾までの平坦な道、横尾から槍沢ロッジまででやっと標高を上げた感じがするものの
4時間かけて300mしかあがれないもどかしさ。
今年のGWこの槍沢ロッヂで上部の天候悪化を知って引き返したのだが、この日は少しの休憩のあと上を目指す。
赤茶けた岩の一帯を越えるとキャンプ場でこの先は槍沢沿いの開けた登り、少し傾斜が緩みのんびりとした登り。
大曲の分岐を越えて段々と傾斜が付いてくる。
天狗原分岐で昼食、少し曇ってきて行く先のほうは雲をかぶり始めてきた。
分岐の上の水場で給水、その先で進路を左にとったあたりで初めて槍の穂先がしっかりと姿を現す。
ただし、この時は雲をかぶっていた。
あとはひたすら登るだけ。
殺生ヒュッテの分岐あたりまではゴロゴロとした大きな岩、槍の肩までの最後の登りは整備された九十九折。
時折雲の切れ間から姿を見せる穂先に勇気付けられながら地道に歩を進めて行きおよそ14時過ぎに槍ヶ岳山荘に到着。
15時台の到着を想定していたので以外と早い到着だった。
宿泊の手続きをして荷物の整理、そして外に出て一考。
槍ヶ岳登頂はこの日に決める。
小屋から取り付き、頂上までは列となっているのでのんびりとした岩登り。
のんびりとしたからか物足りなさを感じるほど簡単な登りだった。
頂上からの眺望はさすがに素晴しい、雲に隠れて見えない方向もあったけれど
北アルプスの姿を一望にできる。
穂先から山荘へ降りる、ちょうどたどり着いたときに雨が降り始めた。
【2日目】
翌朝3時ごろに起床、外に出たら星空が見えていたので写真撮影。
そのまま、出発の準備をして4時過ぎ山荘を出発。
この日の目的地は大キレットを越えて穂高岳山荘。
槍の穂先にはヘッドライトの光が列をつくっていたがそれを背に大喰岳を目指しそこで日の出を迎えた。
南岳までの稜線歩きは朝の心地よさも相まって実に気持ちの良い道が続く。
中岳を含む3つの3000m峰はそれぞれに個性的でまた、南側、北側それぞれで別の顔を見せるのが面白い。
南岳小屋で槍ヶ岳山荘で受け取った弁当をいただき、大キレットへ。
獅子ヶ鼻で大キレットの全容を確認して岐阜側へ下っていく。
陰となった岩場を下り稜線に戻り今度は長野側を巻いて更にまた下り長いハシゴを2箇所下ると
大キレットの底部にたどりつく。
しばらくなだらかな道、ただし一部滑りやすい岩があった。
上りが始まりいつの間にやら長谷川ピーク。
「Hピーク」というペンキの表示を越えたあたりからが大キレットの核心。
両側に切れ落ちた稜線を進む、進むのはいいのだけれどすれ違い待ちの待機は待機場所を間違えると結構大変。
岐阜側に崖の方向に下っていくあたりはダメな人は足がすくむだろう。
A沢のコルで一服。
飛騨泣きの登りは何も無ければ大変だと思うが手がかり足がかりがあるのでダメだと思ったら潔く活用しよう。
ここを越えると北穂高小屋の姿が見えてくるので後は登るだけ。
ただし、このあたりで落石が頻発していたので被害者にも加害者にもならないように気をつけよう!
北穂高小屋に到着する頃、岐阜側から雲が稜線を乗り越え始めてきた。
テラスでカレーライスを頂いた。
ここのテラスからの眺めは相変わらず素晴しい。
長めの休憩のあと小屋上の北穂高岳頂上にあがりそして涸沢岳への縦走路へ降りて行く。
意外とこのルートの大変さは見過ごされている。
規模こそ大キレットより小さいものの険しさでは同等かそれ以上と思う。
むしろ登山道の整備状況は大キレットの方が易しいのでご油断めさるな。
ましてガスが出てきた、日本一長い(らしい)鎖場の上りは先が見えないので
いつ終わるやらという感じになる。
それでも涸沢岳頂上の稜線にあがり眺望の無い中、涸沢岳頂上に到着。
恐らく穂高岳山荘側から来ただろう人で溢れていてこの温度差がある意味たまらない。
3度目の登頂になるが全く違う達成感。
ここから穂高岳山荘に下る。14時台の到着だったが意外な程に人が多かった。
なんでも学生の団体が入っていたらしい。
廊下はザックであふれそこで眠る人もいたほど。
夕食後就寝、一旦8時ごろに外へ出る。
涸沢までは見下ろせたものの天候はあまりよくない。
そんな中奥穂側からヘッドライトの明かりが・・・一人男性が降りてきた。
【3日目】
起床はやはり3時頃、準備を整えて4時前に出発した。
当初の予定ではこの日奥穂高岳で日の出を迎えたあと西穂縦走を試み
西穂高山荘で一泊して翌日焼岳を経由して中の湯まで下る予定だったのだが
外は霧、また午後に天候が崩れる予報が出ていたので
気持ちとしては「奥穂に登るだけ登ってあとは岳沢経由でくだろう」だった。
4時台は晴れていれば薄明るいのだが霧の中では真っ暗、
また霧によりヘッドライトの明かりが届く距離も制限される。
一度歩いた道でイメージは残っているものの、ペンキマークを探しながらの登りは中々大変。
それでも40分程で奥穂高岳山頂に到着。
日の出を待っても仕方ない状況なのだけれど下るにも暗いので日の出を待った。
しかし、待っていると段々と雲が晴れてきた。
岐阜側から稜線を越えて長野側へ強い風が雲を伴って吹いているのだが
時が進むにつれて背後にジャンダルムが北には槍の先っぽが見えてくるようになる。
「これで晴れたら奇跡ですね」なんていっていたらその通りになった。
真っ赤に染まった東の空から朝日が昇る、空気中の小さな水滴が朝日の周りに赤い球体をつくる。
槍までの稜線を雲が乗り越え高層には無数のレンズ雲が異様な姿を見せる。
背後ではジャンダルムへ満月が降りて行く。
狙っても狙えないような日の出の風景、寒い中待った甲斐があった。
気づいたら晴れていた。
「ジャンダルムまでピストンしましょう」パートナーがそう言ってくれた。
登り初めではもう諦めていたので思いもかけなかった事だったがなるほどナイスアイデア!
空荷なら往復に時間もかからないし体力の消費も限定的。
かといって西穂まで行くには天候が心配だし気持ちが切れていた。
このアイデアに飛びついて空荷での奥穂〜ジャンピストン!
初めに馬の背、さすがの高度感ながら岩がしっかりしているので案外スムース。
その後大きく岩場を下ってそして登り返す。
さすがに一味違う岩場だけれど空荷という事もあって順調。
登り返して小さく岩の壁を下ると角度が変わり細長くみえるジャンダルムが姿を現す。
このジャンダルムを上高地側からまいていくと「ジャン」と書かれた登り口。
ここまで来るとあとはすぐ、拍子抜けするほどあっというまに頂上にたどり着く。
逆光の奥穂、槍ヶ岳からここまで歩いてきた稜線を一望にできる。
背後には西穂が朝日を浴びる。
ここまで来るとそこまで行ってみたい気も起きたがなんせ奥穂でデポしてる。
ジャンの頂上を堪能して再び奥穂へ戻る。
帰りはすれ違いがあったのでそれをやり過ごす、絶壁で待っていたら岐阜県警のヘリコプターがやってきた。
手でも振ろうかと思ったがこんなところで手でも振ったら遭難者と間違われかねないのでやめた。
奥穂山頂に戻ってそこでジャンダルムを見ながら山荘の弁当を頂いた。
そして岳沢経由での下山。
紀美子平に着く頃には西穂の稜線に雲がかかりはじめていた。
前穂へのピストンはせずそのまま下る。
あらかじめ覚悟していたことだけれど、この下りは結構キツイ。
岳沢小屋まではなんとかもったがその先はちょっと膝にきだした。
それでもあまり休憩はとらず下山を優先させた。
岳沢登山口に到着した時が今回最大の達成感かもしれない。
河童橋まで歩き近くの「上高地アルペンホテル」で日帰り入浴。
その風呂からでてみると外は雨だった。
そのままバスターミナルへ。
計画を一部短縮したけれど。
山での事なので天候次第なのはいつもの事、与えられた情況の中で最善の結果を得られたと思う。
今回残したルートは逆方向からでも登ってみようかと思う。
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