北アのど真ん中!秘境・読売新道を歩く 黒部ダム→赤牛岳→水晶岳→槍ヶ岳→上高地
- GPS
- 55:30
- 距離
- 59.1km
- 登り
- 4,203m
- 下り
- 4,238m
コースタイム
- 山行
- 5:10
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 6:30
- 山行
- 10:25
- 休憩
- 2:40
- 合計
- 13:05
天候 | 8/9 曇り時々雨 http://www.tenki.jp/past/2016/08/09/chart 8/10 快晴 http://www.tenki.jp/past/2016/08/10/chart 8/11 晴れ時々曇り http://www.tenki.jp/past/2016/08/11/chart |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
JR大糸線 信濃大町行 松本06:27(3番線発) - 信濃大町07:39 \670 アルピコ交通 扇沢線 信濃大町08:00 - 扇沢08:40 \1,360 関西電力 トロリーバス 扇沢09:00 - 黒部ダム09:16 \1,540 --- 山中2泊3日 --- アルピコ交通 上高地線 上高地17:25 - 新島々18:30 - 松本19:11 ¥2,650 |
コース状況/ 危険箇所等 |
黒部ダム〜平ノ渡場 地図のコースタイムは平地っぽく計算されてますが、決して平坦ではないです。特に御山谷(一の越起点)と中ノ谷(ザラ峠起点)が入江で、高低差50m超のハシゴ登降やザレ場の通過があります。景色はひたすら湖面ですが、陽が当たるとエメラルドグリーンで神秘的でした。平ノ小屋からは渡船で対岸へ渡ります。時刻表は大町市観光公式サイトを参照。 http://www.kanko-omachi.gr.jp/mountain/qa.php#q6 平ノ渡場〜奥黒部ヒュッテ 2016年夏の整備は既にばっちりとはいえ、前年やその昔に架けられた桟道や梯子がバラバラに壊れて谷に散乱している急峻な区間です。地図上では読めない小さなアップダウンが多く、急斜面のへつりと木ハシゴの連続でした。わずかな集中豪雨で通行不能になってしまう可能性も念頭に。問い合わせは室堂山荘(076-463-1228)へ。 奥黒部ヒュッテ〜赤牛岳 水晶小屋まで水場なし小屋なしエスケープなしですが、個人的には登りがおすすめ。コースを8分割した地点に道標があり、4/8の中間点で標高2350。その先すぐハイマツ帯となり2時間であっさり頂上に着きました。核心部は4/8の下、特に3/8〜2/8は木の根や大岩で歩きづらく、下山中の事故が毎年多いとのこと。登りのナイトハイクは、大木と大岩につけられたペンキマーキングを見落とさなければ大丈夫です。 赤牛岳〜温泉沢ノ頭〜水晶岳 赤牛岳の頂上手前に崩壊地があり、コースはその上縁を通過するため注意(ロープあり)。基本的にはピークがあっても巻きます。マーキング見落としに注意。水晶岳直下の急登は長く感じました。水晶岳の頂上は絶景ですが、岩峰で槍ヶ岳並みに狭いです。 水晶岳〜鷲羽岳〜三俣山荘 水晶小屋はミネラルウォーターやお汁粉、名物力汁を販売。岩苔乗越までは下りで、ワリモ越えには易しい岩場あり。鷲羽岳から三俣山荘への下りはザレてますが、ジグザグで見た目ほど斜度がなく、ゆっくり行けば滑ることはないと思います。 三俣山荘〜槍ヶ岳〜槍沢 千丈沢乗越の少し手前にある3〜4箇所の鎖場が核心部となり、その先は長い急登ですがさほど危険ではないです。穂先は祝日でしたが幸い渋滞なしでした。憶測ですが、頂上泊の人々が去り槍沢・槍平発の人々が来る間、午前9時台の穂先は狙い目と思われます。槍沢の下りは距離にして20kmもあり、avg.4km/hで休憩を省いても5時間かかります。 |
その他周辺情報 | 松本駅前に2016年7月オープンした「Hotel M Matsumoto」に前泊。新しくて良かったです。ぐっすり快眠できました。 夏季山岳診療所は三俣山荘、双六小屋、槍ヶ岳山荘と上高地の4箇所あり。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
防寒着
雨具
ゲイター
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ポール
|
---|
感想
Day 1
トロリーバスを下り、観光客の列に紛れてトンネルの階段を登って行く。展望台へ行くのは20年ぶりだ。轟音をたてて放水する黒部ダム、凄いなー。子供の時の記憶と全然変わっていない。先週Amazonで買ったばかりのカメラの操作を練習しつつ対岸へ向かってダムを渡る。
ロッジくろよんを過ぎると登山道になって、すれ違う人の数がめっきり減る。今日の予報は台風接近だ。黒部湖は無風で涼しいが、見上げると雲が目まぐるしく変化していて、晴れ間から差し込む光のカタチに合わせて湖面がエメラルドグリーンに輝いて神秘的だった。
湖岸ウォークの長さに辟易しつつも13時過ぎに平ノ小屋到着。船を待っているとテン泊ザックを担いだ山男風の単独者がやってきて、雑談しているとあっという間に14時を回った。山で渡船に乗るチャンスって中々ない。船長は小屋番さんで、関西電力から運行を委託されているため無料だそうだ。
平ノ渡場から奥黒部ヒュッテへの道はかねてからの噂通り、フィールドアスレチックだった。途中から雨が降り出してしまい木バシゴは濡れ、気分もダウン。明日晴れて欲しい〜!と願うばかり。先を急ぐと上ノ廊下と東沢谷の合流点付近が上高地風の平地になっていて、奥黒部ヒュッテはその最奥に建っていた。今日の宿泊者は5名で何と1人1部屋。しかも入浴付きというから有り難い。先ほどの山男もテント設営を終え、風呂で汗を流した。この後、槍ヶ岳まで同じ行程を辿ることになる。
Day 2
今回2泊3日なので小屋泊にし、ザックの中身をかなり軽量化してきた。水3L含めて重量7.5kg。一眼レフはミラーレスにし、万一に備えてのツェルトと細引き、カップ麺+フリーズドライ8食分とプリムスバーナーも詰めこんでいる。双六まで行けたら行くつもりでヒュッテの外へ出ると、20kg級ザックを背負った山ガールと思わしき人が夜中2時、一人黙々と準備していた。うひゃー負けてられないwと思いつつ先を行く。
1/8、2/8、3/8と真っ暗闇の中、ヘッデンを頼りに登っていく。時々上が開けた場所でヘッデンのスイッチを切り、星空を見上げて大きく深呼吸する。この時間が大好きだ。ん?耳を澄ますとリーン、リーンと熊鈴の音がする。彼女、同じペースで上がってきていた。この時点でファストパッキングは、完全に自身の運動不足への言い訳と化した。(泣
4/8で次第に空が明るくなってきて、森林限界を超えた5/8で御来光を迎えた。剣・立山が近い。黒部湖は最初雲海に覆われていて、次第に湖面が姿を現してきた。そして薬師岳。まだ山容の半分も出てないのに、そして3000mに満たない割にはデカい。これが1つの山かと疑いたくなる大きさだった。
読売新道終盤の登りは鳳凰三山に似た白砂の稜線で、岩のオブジェが写真に映える。周囲は白馬から槍まで山、山、山しかなくて、剣岳と槍ヶ岳がほぼ等距離に見える。本当に北アルプスのど真ん中に来たー!と実感。ライチョウの親子に見送られて赤牛岳の頂上に立つと、黒部五郎〜薬師〜越中沢〜立山剣、後立〜針ノ木〜南沢〜裏銀座の稜線に360°ぐるりと囲まれた。北ノ俣岳の彼方に聳える白山も、ガレ場の1つ1つが分かるほどくっきり見えている。台風一過のおかげだと思った。
やがて例の女性が登ってきた。称名滝から大日岳に上がり、テン泊で単独縦走してきたとのこと。ザックにはしっかり雄山神社の御札。フルサイズのEOSにEF24-105mmというずっしりカメラ。世の中色々な◯ガールが溢れているけど、面白い人に出会うチャンスって本当に少ない。急いで双六まで走るのがアホらしくなり、三俣山荘まで一緒に行くことにした。
景色は本当に素晴らしくて最高だけれど、温泉沢ノ頭を過ぎてから疲れが出始めた。それでも午前中には水晶岳に到着。話しながら小1時間まったりし、水晶小屋でサイダーを飲み干しランチして、岩苔乗越に下っていると昨日平ノ小屋で会った山男が追いついてきた。奥黒部チームここにて集結。三俣山荘でビールを乾杯し、夕方まで盛り上がった。明日8/11は山の日。滝雲が流れる槍ヶ岳を写しながら、あの穂先にもう一度立とうと決心した。
Day 3
前回穂先に挑戦したのが昨年11月。新雪に埋もれた鎖を引っ張り出して一人奮闘した。8月は渋滞するイメージしか湧かず、まだ行ったことがない。上高地まで一気に下らないと明日が仕事なので、昨日と同じく午前2時にスタートした。
双六小屋へは巻道を使って時間短縮してみる。三俣方面からは下り主体となり、カール内の平坦地を延々と歩いて時々小尾根を越える。今日も立ち止まってヘッデンをOFFにし、空一面の星空を見上げていると流れ星が次々と流れていく。凄い。5分間で8本は見たと思う。後で調べるとペルセウス座流星群が極大期を迎えていた。
午前4時、双六小屋が近づくと大勢の人たちが登ってきてすれ違う。満員のテント村に光が灯っていて何とも可愛らしかった。樅沢岳を越え、いよいよ西鎌尾根へ。左俣岳を巻き終えるといよいよ、あの遠かった槍ヶ岳が目前に迫ってきた。赤牛岳は裏銀座の上にちょこっと乗っかっていて、彼処から歩いてきたと思うと感無量だ。最後のジグザグを登りきり、午前9時ジャストに肩到着。穂先を見上げると人がまばらで、よっしゃ!と思わず叫んでザックをデポして取り付く。11月アタックで感じた難しさは微塵もなく、拍子抜けしたものの景色は最高だった。
肩の小屋に戻ると山男が登ってきた。今日は南岳小屋にテントを張るという。再開の約束をして下山開始。山の日人気を裏付けるように、槍沢からはもの凄い人数が登ってきた。めっちゃ暑い。沢を渡るたび頭に水をかけて下るが、横尾で足がバテてしまい残り11kmは気合で歩き通して17時前、ついに上高地へ下山を果たした。最後にソフトクリームを入れて河童橋を撮ろうと思って買ったが、衝動的にパクついてしまいトップがもげてしまった。コーンまで味わい尽くした後バスターミナルへと向かった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する